【兵庫県】北緯35度と東経135度が交差する日本へそ公園

【兵庫県】北緯35度と東経135度が交差する日本へそ公園

切りのいい数字はみんな大好き。「地図で遊ぼう」今回は北緯35度0分,東経135度0分が交差する日本へそ公園に行ってきました。

北緯35度,東経135度(国土地理院地図)
北緯35度,東経135度(国土地理院地図)

東経135度線は言わずと知れた日本標準時子午線で、これと重なる切りのいい緯度が北緯35度。この2つが交差する場所はまさに日本のへそと言って良いでしょう。

おもしろ東経135度

日本へそ公園の前に、日本標準時子午線に東経135度が選ばれた理由とか小話を少々。

日本標準時子午線が東経135度の理由

日本標準時子午線が東経135度に決まった理由が分かる人、挙手!

これ意外に簡単で、まず地球一周360度を24時間で割ると1時間が15度。135を15で割るとぴったり9になる。こうして奇麗に割り切れるので東経135度が標準時子午線に選ばれたんです。

プログラムやってる人はJST=GMT+09:00をよく見ると思いますがこれJapan Standard Time(日本標準時)がGreenwich Mean Time(グリニッジ標準時)より9時間進んでるって意味。

時間計算が簡単でありがたい。明治期に東経135度を標準時子午線に決めた人偉い!
陽いずる国は考え方も進んでる。9時間くらいw

標準時子午線=明石市の思い込み

田舎にいる頃、僕はなぜか「標準時と言えば明石市」と思い込んでた。みんなもそうじゃない?

ところが兵庫に来て神戸市西区の雌岡山(めっこさん)でも日本標準時子午線標示柱を見たぞと。
考えてみれば子午線は南北を結ぶ経度線なので明石市だけのものじゃない。実際、日本標準時子午線が通る市町は京都府京丹後市から和歌山県和歌山市まで実に12市に及ぶわけで。

でも標準時と言えば明石と信じ込んでた。なぜか。

それは明治期に標準時子午線が決まって一番最初にモニュメントを建てたのが明石市で、自ら宣伝しまくって、名前を売りまくったのが明石市だったからだそうです。

まったく嘘みたいな本当の話。

北緯35度0分・東経135度0分 日本へそ公園

そんな明石市に負けず遅れて日本へそ公園を造ったのが西脇市です。
宣伝には負けたけどその心意気やよし。

日本へそ公園にあるにしわき経緯度地球科学館「テラ・ドーム」
日本へそ公園にあるにしわき経緯度地球科学館「テラ・ドーム」

上の写真は日本へそ公園にある「テラ・ドーム」という地球をテーマにした科学館。目を引く渦巻マークは西脇市の市章を表しているのかと思ったらそうでもないらしく
なぜなんだ西脇市@@

という話は置いておいて今日のメインディッシュに行きます。

日本へそ公園には2つの北緯35度・東経135度交点があるんです。
地図を触る人には既知なんですが緯度経度は時代によって変わるんです。
測地系っていうんですけどね。

旧日本測地系 北緯35度 東経135度

測地系は準拠楕円体、測地座標系、ジオイド面の3要素で構成されます。

旧日本測地系は明治期採用のベッセル楕円体、座標原点は天文観測による東京天文台の経度・緯度、ジオイド面は東京湾平均海面だったはず。

旧日本測地系 北緯35度 東経135度
旧日本測地系 北緯35度 東経135度

こちらが旧日本測地系の北緯35度・東経135度の標柱。

旧日本測地系を旧と馬鹿にしてはいけません。時代により基準が変わっていくだけのことで、国土をどのように測量するか何をどこに建てその広さがいかほどなのかをとらえることは国家の一大事業なのです。これにガタガタいう奴はまず伊能忠敬に土下座しろと。

日本のへそ(緯度経度交差点)
日本のへそ(緯度経度交差点)

先人のたゆまぬ知恵と努力が生んだ日本のへそ。旧日本測地系の北緯35度・東経135度。
たまらんな。

精密日時計
精密日時計

精密日時計が12時をお知らせします。このアナログ感もめっちゃ楽しいじゃないですか。

精密日時計の見方
精密日時計の見方
グラフから今日の分秒数を加算すべし
グラフから今日の分秒数を加算すべし

うん、うん、なるほど。このグラフは難しすぎて読み解けないけどね。大正の人頭良すぎや。

JR加古川線日本へそ公園駅
JR加古川線日本へそ公園駅

旧日本測地系・北緯35度・東経135度標柱はJR加古川線日本へそ公園駅近くです。行き方ですが、加古川線日本へそ公園駅を正面に見て右に進み、高架下をくぐってすぐの広場にあります。

次は僕らの生活に直結しているWGS84系のお話。

WGS84系 北緯35度 東経135度

WGS84は準拠楕円体の名称がWGS84で、カーナビとかスマホでGPS(GNSS)を使ってるマップはほぼWGS84準拠のウェブメルカトル。今を生きる僕らに非常に恩恵のある測地系です。
座標原点は地球の重心で、ジオイド面は(忘れたので調べました)地球の表面の7割を占める海洋が落ち着いた時に作る平均海面。これ民生に使う分には良いかもしれないけど高さ方向の精度に欠けてましてね、そこんとこは今後の「みちびき」に期待したいなと。

WGS84系の北緯35度 東経135度に行きましょう。

日本のへそモニュメント
日本のへそモニュメント

日本へそ公園に戻って「日本のへそモニュメント」を見上げます。

日本のへそモニュメント
このモニュメントの中心は、人工衛星を使ったGPS測量による東経135度、北緯35度の交差点(「平成のへそ」と呼んでいます。)で、国土地理院の協力を得て1990年3月に測量されたものです。

ふーむ、あの丘の上の4つの柱の真ん中が0分0秒らしい。
登るしかないか。

0分0秒までの道は意外にきついぞ!
0分0秒までの道は意外にきついぞ!
かなり0分0秒に近づいてきたな!
かなり0分0秒に近づいてきたな!

下からは見えん!ここまで来たんだ!回り込んで上まで行くしかない!

これがWGS84系 北緯35度 東経135度だ!
これがWGS84系 北緯35度 東経135度だ!

せっかく登ったけどWGS84系・北緯35度・東経135度の交点は上からのぞき込んでもよく分からんやんけwww

今日の〆

東経135度と北緯35度の交差するまち/日本のへそ・西脇市
東経135度と北緯35度の交差するまち/日本のへそ・西脇市

東経135度と北緯35度の交差するまち・日本のへそ・西脇市、日本へそ公園。
僕は気に入ったよ。@@でも癒されたし。

看板にも書いてあるけど、旧日本測地系とWGS84系のへそは437.6m離れてるので、せっかく日本へそ公園まで来たならどちらも見逃さないようにね。

そんじゃ@@/

2025/02/10追記 明石市立天文科学館の時計台

別日に日本標準時子午線上に立つ明石市立天文科学館に行ってきました。

明石の時計台
明石市立天文科学館の時計台

時計の下に燦然と輝くJSTM(Japan Standard Time Meridian)の文字が「日本標準時の明石市」と喧伝したプライドを感じさせます。

しかしながら月曜休館…時は止まらないというのに🙂‍↔️

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