「善人が押せば動き悪人が押してもびくともしないゆるぎ岩」が兵庫県加西市畑町にあります。姫路市街から1時間くらい。
ここはいっちょう揺らしまくったろーじゃないの(笑)と行ってきました。
高峰神社
ゆるぎ岩は「はりま山歩き」のお薦めで、添付の地図を見ると目指すは高峰神社だそうです。
高峰神社さんに着いたもののイノシシ除けの門が閉まってまして、車を乗り入れて良いのかどうかよく分かりません。
田んぼで草刈りをされてるおいちゃんを見つけたので聞いてみました。「こんちゃ!おいちゃん!俺、ゆるぎ岩見に来たんすけど車どこに停めたら良いっすかねー」から始まり15分くらいおじさんと立ち話。
地元の人は地元に誇りがあるし僕も地元の話を聞きたいしなのでめっちゃwin-win。しかもこのおいちゃん、めっちゃ学があるというか世相にも詳しく話が面白い。
結局、イノシシ除けの門は開けてよく(祭りでもなければ)高峰神社に車を停めても近所は誰も文句は言わんよと教えていただけました。ありがとう、おいちゃん。
前段が長くなりましたがこちらがタイトルの高峰神社様の拝殿です。モノは新しそうですが立派な装飾ですなあ。かつては山上にもっと立派な神社があったらしいとおいちゃんから聞きました。
あと「山からここまで神様を乗せて山を降りたのはイノシシでな、ここら一帯じゃイノシシは食わんのじゃ」という話も伺いました。
面白いねー。こんなのどこの文献にも載ってないんじゃないの?風土記じゃないけどこういう逸話は今のうちにまとめといた方が良いって思うんだ。
裏に回って本殿を見るとその横にも小さなお社。神明造かな?千木は外削ぎでモノは新しいけれども屋根のそりとか厚みとか美しいです。本殿の屋根の側面一番上に大きなスズメバチの巣があったのが印象的でした。
ゆるぎ岩まで
高峰神社本殿の裏から「ゆるぎの小道」が通ってます。
この道の左にため池があってゆるゆると歩いていけます。結構奇麗な山道でああ山に来たなあと思わせますが、その内にコンクリ道に結合。
「高峰神社に停めなくても柵開けて河上神社に進めば良いでー」と言ってたのはこのことか。田んぼのむこうの道を車で進めば(鉄柵は開ける必要がありますが)ショートカットでコンクリ道で登ってくることができるのでした。
まあ、僕は山を歩きたかったんで問題ないけど。
ここで色んな選択肢が出てくるけれども、まずはゆるぎ岩を見たいじゃないですか。
善人が押せば動くゆるぎ岩
これが噂のゆるぎ岩。まずは由来を抑えておきましょう。
この岩は、3億年前の古生代に海底に蓄積した生物岩できわめて堅く、高さ4メートル、ふくらんだ中央部の周囲は8メートルあります。
ジュラ期のチャートだな。
その昔、法道仙人が「善人が押せば動き、悪人が押してもびくともしない。この岩を押して動かない時は自分に邪心があるから罪悪を懺悔して正直慈善の人に立ち返りなさい」といって悪人を善人にたちかえらせようとこの岩を押させて心を試させたと伝えられています。
by 加西市
ほほう。なるほどね。僕のような善人であれば岩が5mくらいぶっ飛んじゃうんじゃないのw
いざ!
なんつってね。
本気でやると岩を倒しちゃいそうで怖いんですよ。
昨年末でしたか高知の「ゴトゴト石」を揺れなくしたバカ学生がニュースになってましたが「兵庫県加西市のゆるぎ岩5mぶっ飛ぶ!超善人現る!」とかニュースになっちゃうの怖いでしょ。
なので僕はソーっと押しただけです。
つかね、恐れおののき改心するくらいが善人として丁度いいんですよ。きっと。法道仙人の教えってそういうことでしょ。
愛宕山を目指したはずが深山へ
さて、本日の目的は果たしました。あとは余禄なんで軽く愛宕山でも回って帰りますかーと地図も見ずにゆるぎ岩の奥に入ったのですが…
ゆるぎ岩の後はわりかしハードな道が続きまして道かよく分からないような小山(小山のとこの足元のぬめっとした草が嫌でした)を越えると林道に出てきました。
今更なんだけど林道を下れば愛宕山に行けたはずなんですが、その目の前に深山の道標があってさー
この小さな道標を見てね、午前中に田んぼの真ん中で電波塔を見上げておいちゃんと話をしたのを思い出したのよ。
立:おいちゃんあの電波塔行けるの?
お:深山か、倒木多いけどなー
電波塔があるならそんなハードじゃないはずって思うじゃないですか。なのでこの時点で僕の頭から愛宕山は消えて電波でGO!みたいな感じになってました。
ええ。深山に向けてしばらくは良い道なんですよ。イノシシの掘り跡はめっちゃあるんだけど、道さえあれば気にならないし。でもねだんだん怪しくなるの。
みたいな感じで、途中グダグダのヤバヤバでしたが電波塔が近くなったら植林帯の道に出ました。
ここまでの道のりはあんまりお薦めできないかなw
電波塔近くには舗装路が通ってましたから、そちらから林道が伸びてきてました。深山の二等三角点は電波塔からわずかに降りた林道の途中にあります。ただきつい方から上がってこないと見つけるのは困難かもよw
電波塔の入口まで進んで日陰でちょっと休憩です。
そんなこんなでとりあえず深山は制覇しました。
深山下山
電波塔から道路を降りるのかなーと思ってスマホで地図を見てみたら、途中から山道ルートがあるみたいです。
電波塔からの最初の曲がり角にガードレールが切れてるところがありましてそこが下山道の様子。その先に気持ちのいい稜線が続くんです。
これは騙されるぜw
ここに高峰城なんてのがあったんですねー。青い看板のある山頂付近はそこまで広くなかったので、本当にへーってなもんでスルーしました。だって高峰城跡の先にもリボンがあるんだもん。
高峰城跡の先にもリボンが見えるし行政界みたいな杭も打ってあるし、稜線が気持ちいいのでバンバン歩を進めました。
この先は結構倒木も多くなってくるんですがなにせリボンちゃんへの信頼は絶大ですから。
そして崖みたいなとこも滑り降りて林道が見えたところで
ハッ!と我に返ります
これ方向的に高峰神社の逆じゃね!?
ようやく地図を見ると高峰城跡から角度を付けて高峰神社方向に降りなければいけなかったようです。
参ったなー。ショートもできないし高峰城跡へ登りなおしか。
高峰城跡に戻ったのは良いのですが郭がでかすぎてここからどっちに進めば良いか分かりません。
大事なとこなのにリボンが朽ちてんの。これはマジ焦りました。
里で出会ったおいちゃんが「深山は倒木多いぞ」って言ってたんだけどまさか稜線よりもひどい状況にあるとは考えず、郭が広すぎて正解が分からず、ここはまじやばかったです。
城郭よりもだいぶ先まで出城があったのか結構歩いて平坦な場所が終わると、メタくそ急な下りが始まりました。しかも足元が滑るのでそこら辺の枝を掴みながら降りるしかない。
ピンテもあるようなないような感じでビビりました。
これ結構やばいやつ。生きて帰れてよかった。
今日のルート 高峰神社から深山
道間違えもあったし、こけて倒木の枯れ枝に刺さると死ぬなーとも思ったし、フゴフゴーって獣の声(幻聴?)も聞こえたし、ピンテがあてにならずまったくお薦めできない高峰神社から深山ルートがこちらです。
地元の方に案内いただくかゆるぎ岩を見て右下の愛宕山に行くのが正解っすね。
あの鉄塔が深山で右から左に抜けてきた感じです。
里山も結構怖いよ。
知らない街だと方向感覚狂うしさ。
生きてる喜びに乾杯です。