おのれー吉良!
浅野殿、殿中でござる!殿中でござるー!
最近とんと見かけなくなりましたが12月と言えば忠臣蔵ですね
赤穂市の赤穂城に行ってきました。
赤穂市へ
兵庫県赤穂市は岡山との県境に接する市。姫路から西に向かうとたつの市・相生市ときてそのお隣が赤穂市になります。
赤穂市街地は海沿いなので山中を通る2号線を途中で降りて南に向かいます。
もともとはドウダンツツジが有名な赤穂市の雄鷹台山を登ろうと出発したのですが、あまりの寒さにハイキングは断念。
赤穂城の散策のみとなりました。
いいのだ。12月と言えば忠臣蔵だし。
赤穂城
赤穂浪士の討ち入りは12月14日。12月14日当日は仮装行列やイベントも盛りだくさんだったようですが、あいにく訪れたのは12月15日。
市内も赤穂城も閑散としていました。

赤穂城の東駐車場にある赤穂城案内図。
赤穂城は大坂の陣の後に築城を許された珍しい平城とのこと。
小さな本丸の周りを堀が固めるその形はさながら五稜郭のよう。

建屋はほとんど残っておらず昭和の再建とのこと。
しかしながら大手門横の櫓(昭和30年再建)はなかなかの趣ではありませんか。

大手門をくぐった先、簡素な平城とはいえ大手門の石垣が鉤曲がりに配置されているのもよいですね。
石垣の向こうは赤穂大石神社になりますが入れるか入れないのか分からなかったのでスルー。
更に奥へと進みます。


歴史年表や二之丸庭園もじっくり眺めましたが大方の方は興味がないと思うのでここではスルー。

内堀を越して入城!
本丸への入場は無料。この日は本丸門に登るのも無料でした。


本丸内の建屋が再現されてないのでちょいと物足りない気はしますが、土塁のような城壁が庭園感があって奇麗です。
左に見えるのが天守台です
行ってみましょう。

天守台を近くから撮影。
もともと天守閣は築城されておらず天守台の上には居城のみがあったとのこと。
天守台はもちろん登れます。
お城について僕が長々説明するよりも看板を付けておいた方が正確ですしお城好きの方には朗報でしょう。
説明看板を3枚付けておきます。



天守閣があろうとなかろうと背景を知ると十分満足できます。
天守台から降りて厩口門(台所門)から下城。
ここ厩口門は五稜郭のような本丸の不思議な形が感じられる素敵な門でした。

近世では台所門と呼ばれたのか…腹減ったな。
忠臣蔵概説
若い人は「赤穂浪士」とか「忠臣蔵」とか聞いてもピンとこないと思うので簡単にストーリーを。
主要人物は3名+47名。47名は赤穂浪士の四十七士です。
忠臣蔵の主要人物
- 吉良上野介(きらこうずけのすけ)マナー講師/偉い人
- 浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)赤穂藩藩主
- 大石内蔵助(おおいしくらのすけ)赤穂藩家老
昭和の忠臣蔵
吉良上野介は江戸城における式典作法をつかさどる高位職にあった。
浅野内匠頭は、吉良の指導のもと朝廷の接待を行ったが
作法に間違いがあったと吉良に難癖をつけられ
浅野はこらえきれず江戸城 松の廊下で吉良に切りかかる。
しかし「浅野殿、殿中でござる」と取り押さえられ
吉良に致命傷を与うるには及ばず。
浅野は将軍より即日切腹を申しつけられ
赤穂藩は御取り潰しの憂き目をみる。
義憤にかられる赤穂浪士
大石内蔵助率いる赤穂浪士四十七名は
12月14日、雪の中、吉良邸に討ち入りし
死を賭して主君の仇を討つのであった。
泣ける忠臣蔵戯曲のストーリーですが、近年の研究ではいくつかの事柄が明らかになっています。
1.江戸城における抜刀は理由の如何を問わず斬首のところ、浅野には名誉ある切腹が申し付けられており、浅野も「切腹ならありがたい」的な感じで受け入れている。
2.戯曲ではすごく嫌な奴に見える吉良も「あれは一時の乱心でしょ」と浅野をかばっていたりする。これはまあ喧嘩両成敗で自分にも累が及ぶのを避けるためとの説もある。
3.義憤にかられすぐに立ち上がったかに見える大石内蔵助は、当初仇討に反対の立場でお家再興のために駆けずり回る実務的な忠臣でお涙頂戴とはかなり異なる。
そんな歴史の再評価で「江戸城で切れた殿さまのために仇討ちってどうなん?」みたいな感じになってるらしく、これも年末に忠臣蔵をやらなくなった理由の一つかもしれないなあ。いや戯曲は戯曲で楽しめばよいだけなのですが。
大手門で討ち入りそばを食む
台所門から再び大手門へ。赤穂城の大手門の傍には討ち入りそばを楽しめるお店があります。
大手門を眺めながらの蕎麦。良いです。
討ち入りそばは1,400円だったかな。

田舎蕎麦で1,400円はちょいとお高いかと思いましたが、食前に塩味もなかが付いてきました。
大手門と庭を眺めながら食べる塩味もなか。
熱々のほうじ茶が寒さに縮んだ体をほぐしてくれます。
播州赤穂の塩、美味いですよー。
赤穂で有名なお店には総本家かん川があります。姫路からお土産を買って帰るときも「総本家かん川の茶彩(ささい)」を頼まれたりします。しほみ饅頭の3倍以上も和三盆を使った茶彩(ささい)。10個入りで1,500円位ですがお値段以上にお土産として喜ばれるのでお薦めです。
茶彩(ささい)はAmazonにも楽天にも上がってないな。
買いに来てくださいw

塩味もなかを堪能しているうちに、討ち入りそばが到着しました。
シンプルで素朴で温まる。
なんでもシンプルに楽しむのがいいね。
2025/02/23追記 きらきら坂
別日に赤穂温泉に行ってきました。赤穂城から千種川を渡り御崎を巡ると絶景露天風呂の宿「銀波荘」に到着。銀波荘のすぐ隣が伊和都比売神社で、こちらは延喜式にも載る古社ですが縁結びの神社だそうで

吉良上野介にかけたのかキラキラ光る陶器が組み込まれたガラス坂。こちらを降りた赤穂御崎海岸遊歩道には恋人たちの聖地もあります。
僕には赤穂コールドトロン(兵庫県赤穂市は白亜紀のカルデラの中にできた町の痕跡)の方が興味深かったけどね。
なはは