年末までに唯一確実な最後の休日。山に行って体力を削るわけにはいかないし、ましてや怪我など絶対にできないこの日。
観光か。観光だな。たつの市でも歩いてみるか。
たつの市
たつの市は姫路の西、2号線で移動しても40分くらいのところ。龍野城でも見て帰ればいい程度の思いで出発したのですが、たつの市は城下町、醬油の街、童謡の街となかなか見どころが多かったのでした。
たつの市は城下町
たつの市観光の一番最初に駐車場を紹介します。城下町に入り込んでしまうと道が狭く車の切り返しも大変だったりしますから揖保川を渡ってすぐの駐車場に停めるのがベストです。
なかでも揖保川沿いの市営駐車場が特におすすめ。ここは24時間停めても300円と格安です。
市営駐車場は「下の渡し」を渡って右に曲がればすぐに見えてきます。
なんつって、旧地図で分かる人はいませんよね。最後にちゃんとした地図載せときます。
たつの市市営駐車場には観光案内所があるので、無料の地図をもらってお姉さんにお薦めスポットを聞くと良いです。
案内所でもらった観光地図に「武蔵修行の地」の文字があったのでさっそく行ってみました。宮本武蔵の出生には諸説あるようですが、ここ圓光寺で修行を行ったというのは印可状などから確実なんだそうです。
それならもっと猛烈にプッシュして良いはずの場所なのですが意外に静かな感じ。
バガボンドの影響か僕的に、宮本武蔵の出生地と言えば岡山県の美作が主流と思っていたのですが、そう言えば姫路の後輩と飲んでた時に「武蔵と言えば加古川でしょう」と言われたことがあります。
ふむ。播州ではそうなっているのか。やはり有名人の出生地は取り合いだなあと思っていたら、この看板によれば高砂市または太子町説が武蔵の出生地として有力らしいんですよ。
マジか。美作だったか宮本武蔵駅ってのがあるぞ。
あれ勢いで負けてねーか。
龍野城
今日の本命、龍野城。都に近い播磨あたりは城主がころころ変わるので小城がたくさん残ってて楽しいですねえ。
写真中心で行きます。
大手門から鉤状になった石段を登ると居城があります。石垣以外はいずれも再建とのこと。
もともとは背後の鶏籠山に赤松村秀が山城を配していたけれどもそこは豊臣秀吉に明け渡し、その後、山麓平山城になったとのこと。この居城も再建です。無料で入れて枯山水のような中庭を拝することができます。
あ、そうそう。この城内から山頂城跡への道も続いていましたよ。
龍野城自体は本当に小さいので隅々まで見て回っても1時間が限界。裏門から下城しましたがこの隅櫓の横の道が雰囲気がいいんです。
奇麗な再建は好きだなあ。
そして下城中にもう一つ面白いものを見つけました。
龍野城から見下ろすと小道を挟んで龍野小学校があります。
二つ前の写真に小学校のプールが見えるの分かります?
城を降りきったところに「龍野小学校水練場」の看板。これいいっすねえ。
夏に、小学生が、水着に着替えて、道路を渡って、門をくぐって、プールに行く。
ワクワクしちゃうじゃないですか。
たつの市は醤油の街
次にたつの市はお醤油の街。お醤油で有名なヒガシマル醤油さんのおひざ元なんです。
江戸・明治・大正・昭和入り混じった路地を歩いていると、左手にレンガ造りの建物が現れるんです。
元ヒガシマル醤油本社社屋ね。
こちら昭和7年に建てられた元ヒガシマル醤油本社社屋。今はうすくち龍野醤油資料館だそうです。
レンガ造り風のルネッサンス様式。兵庫県景観形成重要建造物だって。
先の駐車場から揖保川の向こうを見るとヒガシマルさんの大きな工場があるので、ここも決して怪しい建物ではありませんがなんだか怖くて入れませんでした。
醤油資料館は入場料100円と聞きます。
次回は是非。
たつの市は童謡の街
「たつの市は童謡の街」というのは実は現地に行ってから初めて知ったんです。たぶん、赤とんぼで有名な三木露風推しですね。
ごめんなさい三木。
三木推しはすぐに分かったんだけど、案内所でもらった観光地図を見たときに最初に目に飛び込んできたのは山口県柳井市の「柳井小唄」の作詞家「野口雨情」でして、なんだか遠い地で知人に出会ったようなそんな気がしたんです。
雨情の石碑はどこだろうなーと探し歩いたら素敵なホテルの裏庭にありました。また女将さんがどうぞどうぞと案内してくださいましてね
君は旅人
あの山越して
明日は
あの川
越して来る
雨情
雨情、良いですなあ。女将さん曰く、雨情は市に招かれて来たみたいよと。なるほど市としては昔から童謡の街を狙ってらしたのかと納得しました。
推しの赤とんぼ/三木露風は龍野城の居城に衝立(ついたて)がありましたのでこちらから。
1.夕焼小焼の赤とんぼ
負われて見たのは何時の日か
2.山の畑の桑の実を
小籠につんだは幻か
3.十五で姐やは嫁にゆき
お里のたよりもたえはてた
4.夕やけ小やけの赤とんぼ
とまっているよ竿の先
実にいい歌なんですが、少し補足すると三木に姉はおらず三番の歌詞の姐やは子守娘を指すとのこと。なので一番は「子守娘に背負われて見た赤とんぼ」という解釈になります。
それを踏まえて現代語訳してみると
1.姐やに負ぶわて赤とんぼ見たよなあ
2.桑の実を摘んだ時は姐や居たかなあ
3.十五で離れてから会ってないなあ
4.赤とんぼ見て姐やを思い出したよ
(姐や元気かなあ会いたいなあ)
うーむ主体が赤とんぼじゃなく、三木の姐やに対する慕情になっちゃったぞ。
場合によってはやばいヤツやん。
いかんいかん。そういう落ちじゃなくて
たつの市、まだまだ見どころいっぱいあるよ。
あるはず!