はりま山歩きのNo.24、相生市の宮山では水晶が取れるらしい。宮山は相生の市街地から見える標高173.6mの小山とのこと。
さっそく行ってみよう。
宮山登山
目指すは那波八幡神社。相生駅から海に向かって下っていくと割と簡単に見つかった。
那波八幡神社は文治二年、海老名盛重が鎌倉八幡宮を勧請し現在の場所に創建したもの。当時の社殿は江戸時代に焼失したものの近隣の崇敬厚く再建され今に至るとのこと。
立派な構えで拝殿の雰囲気が良い神社様だ。
ちょうどお参りに来られていた妙齢のご婦人方に「宮山に登りに来たんです」と話しかけると「車はこっちに置いて」「入口はあそこね」「一本道だから迷わないわ」「おひとり?」「岩に気を付けてね」とご指導をいただけた。
さっそくの御利益。幸先のいいスタートじゃないか。
ご婦人から伺った社殿左の登山口から入り、お墓の横を抜けると山道にうつる。「岩に気を付けてね」とは苔むした岩道で滑ってこけないように気を付けてねの意味だったのだろうか。たしかに一人でこければ誰も助けてくれなそうだ。ここは慎重に行くことにする。
陽の入らない林の苔むした岩道を抜けると、あっけらかんと明るい尾根に出てきた。
宮山は小さな山なのでここまではすぐに到達。
お?なんだか道が岩場になってきたぞ
細い岩場を抜けると空まで岩が続く。なにこれめっちゃ楽しいじゃないか。写真だと急角度に見えるけど気泡か球果で足のかかりは良いし普通に二本足で登れちゃう岩。
この岩を登りきると山頂なのかなと思ったら…
下から山頂のように見えてたのは2つの岩でした。
ああ、これ「はりま山歩き」に載ってたボイン山だな。
流紋岩だけに流れるようなボディラインが素敵じゃないの。
男はおっぱい大好きよね。2つの突起があると全部おっぱいに見えちゃうんだもの。
ところでボイン山から振り返る景色が絶品で素晴らしい。ここまで岩を登ってきたので視界を遮るものがないのがいいじゃない。
相生市は山々に海が入り込んだ複雑な地形で、これ軍港にも使えそうだななんて思ったりした。
さて、ボイン山は山頂でもないようなのでさらに奥へと進んでみる。
陽の入る明るい道を回りこんでいくと新たな岩稜が現れた。
これ!
もー。何度も楽しませてくれるじゃないのー。宮山、気に入ったぞー。
気に入ったんだけどボイン山の岩と違ってこちらの坂は真砂(まさ)混じりなのでちょいと滑る。「ひとり?岩に気を付けてね。」と妙齢のご婦人がおっしゃったのはつまりこのことだったのかと一人納得した。
<small>ご一緒しましょうかとは言ってくださらなかったが</small>
スモールになれよ、スモールに。
あー、さて。はりま山歩きには流紋岩に石英脈が貫入したので水晶が取れる場所なのだと書いてあったが、これだけ真砂があるってことは花崗岩の隆起もあったのかもしれない。
もー知らんけど。
頂上付近の岩を登ると目の前にモノリスが現れた。モノリスってのはこの配置に人工的なものを感じるので僕が勝手につけた名前だ。
山の名前が宮山だけにその昔はお宮さんがあったのかもしれないなあと、そんなことを思いながら山頂へ向かう。
モノリスから山頂はすぐだ。
宮山山頂にも何かの台座と灯篭が倒れたような跡があった。あと日の丸を掲げるポールも倒れてた。自然の岩の上にコンクリ製の台座なのでもしかしたら戦中の施設の名残かもしれないけど、僕の個人的には奥宮があったのだと記憶しておこう。それが宮山の名前にふさわしいと思うから。
歴史は改変しちゃだめだけど記憶は良い方に覚えておく方がいい。
その方が人にも楽しく話せる。
それにしても宮山はいい山だ。低山のくせに展開も喜びもある。
近くにあったら毎日登っちゃいそう。
宮山は取りつきを終わると岩場が続くので木陰はないと言っていい。ここまで直射日光を背中に浴びて登ってきたのだけど、実際に歩く距離は大したことがないので日射病で倒れるということはまずないだろう。
山頂で気持ちよく最初のコーヒーを飲んで今日の登山を完了する。
あ、水晶探すのを忘れてた。
宮山で水晶探し
水晶探しの話。はりま山歩きは2021年の発刊で、好き者が集うような本で紹介されたからには目ぼしい水晶は掘りつくされてるだろうと期待せずに下山に入った。
山頂側の岩を下りきったところでキラキラ光る石が転がってるのを発見。おお、意外にあるもんじゃん。写真で分かるかな。ちっちゃいながらも六角の結晶が断面にへばりついてるのが。これ水晶だよ。奇麗だなあ。
写真に撮ることで満足したので元の場所に戻しておいた。
ところでね、家に戻って「いい山だったなあ」とはりま山歩きを読み直してみると「水晶の出る谷」って本道から外れたところにあったみたいよwww
あっ大丈夫です。山が良かったので僕は十分満足しましたから。
水晶もいいけど、あのボインちゃんは見に行く価値ありだね。
親切なご婦人方にも感謝。
相生はいいところでした。
そんじゃまた。