たいていどんな場所でも道を通してしまう山口県ですが、山口市には山で分断され放置されたままの県道があります。それが山口県道200号陶湯田線です。
山口県道200号陶湯田線(やまぐちけんどう200ごうすえゆだせん)は山口県山口市陶から山口市神田町3丁目に至る一般県道である。
Wikipedia 山口県道200号陶湯田線
地図を見ると笑っちゃうんですが、分断されてるのにどっちも県道200号なんですよwww
いつかこの通行不能区間を歩いてやろうと思っていたのですが、今日やっと陶小学校前交差点から平野交差点まで歩いてきました。
幻の県道200号陶湯田線、お楽しみください。
県道200号陶側
県内の山を歩くときはたいてい車で移動するんですけど、今日は陶から平川に抜けて家に帰るので電車でGO。
矢原駅から新山口まで山口線で行って、山陽本線で四辻駅までスイッチバック。ちょうど山を避ける感じでの電車移動です。
久々に四辻駅に来たら駅舎が新しくなってました。でもプレハブっぽいね。旧舎の方が趣があって良かったなあ。
いったん2号線まで出て新山口方向に戻っていきます。道路沿いのセブンイレブンでお腹の調子を整え、温かいコーヒーで一服。この日の気温4度。軽装で来たのでちょっと寒いです。
県道200号の起点は陶小学校前交差点なので、このあたりからが県道200号になります。
写真の奥が陶小学校になります。陶小学校の横を山の方向に入っていくのが県道200号なのですが、途中で道を間違えて広い道を行っちゃいました。
県道200号の陶側の終端は山口県動物愛護センターです。あと1㎞かあ。四辻駅から結構遠いな。
山口県動物愛護センター前は道が広くなっているので、ピストンで帰ってくるならここに車を停めちゃっても良いんじゃないかな。
山口県動物愛護センターの門前を通り過ぎると舗装が途切れます。ここが県道200号の陶側終端です。
四辻駅からここまで5㎞。通行不能区間に入るまでに結構歩いちゃったな。
県道200号通行不能区間
全国一千万廃道ファンのみなさん、お待たせしました。ここからが山口県道200号の通行不能区間になります。
陶峠・魚切山登山口の道標がありますので、道標の示す通り右の道に進むことにします。
ところで僕は陶峠を”すえとうげ”だと思っていたのですが、国土地理院地図を見ると”すえだお”が正解みたいです。垰じゃなくて峠でも”たお”って読ませるんだ。ずっちーよなあ。
この陶峠下の一里塚は、秋穂の港から山口に通じる秋穂街道のものである。秋穂の港から天田・鋳銭司の南原、この峠下、平川の平井にそれぞれ一里塚があったが、ここ以外のものは痕跡もとどめていない。
陶峠下一里塚の看板
「痕跡もとどめていない」と書かれていますが実は秋穂には一里塚跡があります。秋穂は復刻版なのかな。
両方の看板を読んで県道200号がかつては”秋穂街道”と呼ばれた道だってことがはっきり分かったからまいっか。
陶峠まで
それじゃ”すえだお”に参りましょう。
入口は狭いのですが、山歩きと考えれば道は良いです。一度はブルドーザが入ってるんじゃないかと思える気持ちの良いハイキングコースですね。
中腹でつづら折りが始まるとシダが出てきますが、道までは張り出してないので、夏の間にどなたか手を入れてくださったのでしょう。ありがたいことです。
おっと、道を掘り返した跡。猪かな。割と新しい感じです。
怖いのでリュックからクマ鈴を取り出し、リンリン鳴らして進みます。ちなみに掘り返しの跡はこの後いくつも見ました。いやん。怖いやん。
なんだか空が開けたなーと思ったらそこが陶峠。なんとも峠らしい峠です。
ここまで蜘蛛の巣にかかることもなく歩いてくることができました。山口県道200号陶側は実に気持ちのいいハイキングコースでした。
※ 国土地理院地図を見ると、厳密には県道200号は陶峠を経由しないようです。他に道あったっけ?
魚切山に寄り道
県道200号からは外れるのですが、陶峠から魚切山に入れるようです。ちょっと寄り道していきましょう。
いくつかの掘り返しの跡にビビりながら魚切山にやってきました。陶峠との標高差160mくらいだったかな。終始ゆるやかな登りで山頂手前がちょっときついくらい。
陶峠まで行くなら、魚切山は絶対に登ったほうがいいですよ。というのが魚切山山頂は視界が開けてて景色が抜群に良いんです。
火の山連峰をこの角度から見ると山が重なって富士山みたいに見えるんです。この景色には周防岩屋小富士って名前がついてるようで、みな考えることは同じ。
うーむ、動画じゃないとこの感動は伝わらないか。
陶峠から黒川まで
さて、魚切山からの景色を楽しんで再び陶峠に戻ってきました。ここから平川側に降りていきます。
登山道として整備された陶側と比べると平川方面に降りていく道はガレと落ち葉でひどいです。
ピンテはあるので間違った道を歩いているわけではないのですが、気を付けていないと足首をやっちゃいそう。
枯れ沢を渡り終えたら林道に出てきました。最後の沢は右に。間違って左に行くとかなり下まで降りそうな感じです。
これは一里塚なんですかね。なんだか歴史のありそうな道標です。「左 すゑみち」「右 ○○みち」右は読めませんでした。
県道200号線の通行不能区間と思われるのはここまで。この先は舗装路になります。
黄色のガードレールは山口県道の証。この写真の右にため池があるので、ため池整備のためにここまでは舗装したと思われます。
県道200号平川側
家に帰るついでにもう少し県道200号を行ってみます。
ここが平野交差点です。平野交差点を右に曲がれば県道200号線は県道61号線と重用になります。
県道200号線のこのあたりから蕎麦ヶ岳がよく見えるんですよ。中村学園の看板の左に変な形の山が見えるでしょ。あれ、蕎麦ヶ岳です。
さて、黒川のこの交差点で今日は県道200号線とお別れします。県道200号陶湯田線はこの先、山口大学前で折れ、山大通りを登り、終点の山口市神田町3丁目へと続いていきます。
あの辺りは車でも行けるからいいやね。
幻の県道200号陶湯田線
山口県道200号陶湯田線は山口県山口市陶から山口市神田町3丁目に至る一般県道。不通区間があるにも関わらず、離れた道がともに県道200号となっているのが面白いと思い、今日は四辻駅から矢原駅までを歩いてみました。
山口県道200号は秋穂の港から山口に通じる秋穂街道と重なる歴史ある道です。なんで開発止めちゃったんだろうなあ。小郡回るのも、小峠越えるのも、ちぎり坂下るのも遠回りなのに。
陶峠を挟んで陶側はよく整備された登山道だったので、ハイキングで魚切山に登るなら山口県動物愛護センター前の道に車を停めさせてもらってピストンするのが良いですよ。魚切山は景色がいいのでお薦めです。
それじゃまた。