先日、きのこ栽培キット「もりのしいたけ農園」を買い、シイタケ栽培を始めたことを声高らかに宣言しました。
多くの方のブログ記事を拝見すると一度目の栽培で70個、100個と沢山のシイタケを収穫しておられるようですが、僕の場合なんとゼロ。0個でした。
皆が普通にできることをどうして失敗したのか。反省を踏まえこの記事で振り返ってみたいと思います。
シイタケ栽培の記録
栽培は9月18日~9月29日まで。時系列で育成状況をお見せします。
9月18日 もりのしいたけ農園到着
初日の話は記事にまとめてありますので、こちらをどうぞ。
頑張って育てるぞー!めちゃめちゃシイタケ食ってやる!と意気揚々と始めました。こんな日が来るとも知らずに。
ちなみに、この日の最低気温は22.6℃、最高気温は27.8℃。気温が大事なので日付と共に最低気温-最高気温をタイトルに付記します。
9月19日(日) 19.3-29.2℃
上層にポコポコと芽らしきものがありますが、昨日の今日ですのであまり変化は見られません。この芽はもりのしいたけ農園が届いた時から発芽していたものです。
置いた場所も前日のまま、キッチンの冷蔵庫の横です。ここは直射日光は当たりませんが間接光の強い場所です。
この時はまだ余裕がありましてね、陽の強いところと弱いところの成長の差を見ようウヒヒなんて思ってました。
水やり用のスプレーボトルはダイソーで化粧品用の200mlを買ってきまして、朝夕50mlくらい吹いてました。この後も写真は基本的に朝、お水をあげてから撮っております。
9月20日(月) 18.6-30.5℃
1日目に芽と表したものがキノコの形を作ってきました。すごいスピードです。
もう嬉しくてしようがない。下のほうの白い塊も芽になってくるのかな。これが全部シイタケになったら確かに100個くらい取れそうだぞ。期待が膨らみます。
写真を撮るときに正面が分かるよう上部に爪楊枝を刺しました。
9月21日(火) 21.6-29.5℃
爪楊枝の右横のキノコの成長具合が分るでしょうか。すごい勢いでワクワクします。
それに比べると間接光が強く当たっていた裏面は全くと言って良いほど成長がありませんでした。やっぱり明るすぎはダメなんだろうなと判断。
早3日目で場所を変えキッチンテーブルの上に置くことにしました。ここなら昼間はレースのカーテン越しに薄明かりが届くだけです。
9月22日(水) 23.9-31.7℃
やや成長に陰りが見えますが、爪楊枝横のキノコもまだまだ軸が太く元気に育っています。
下側の白い菌の塊からは芽が出てきません。気になるので前にも増して朝夕たっぷりとお水をあげます。
最初に強く間接光の当たっていた側はポッチも出てきません。最初に乾いてしまったのか。業者様はベストな状態でキットを送ってくださってると思うので、やっぱ最初が肝心なのかもしれませんねえ。
9月23日(木) 19.7-30.2℃
偏りはありますが、最初に芽吹いたシイタケたちは元気に育っています。少し傘が開いた感じですかね。
100個は無理かもしれないけどパスタに入れるくらいには収穫できそうだなあ。遅れて下からも生えてくるとタイミングがずれてちょうど良いんだけどなあ。
9月24日(金) 15.9-28.6℃
これまでの成長具合に比べると、急激にストップがかかった感じがします。それだけでなく表面が妙に乾いて、昨日まで表層に出ていた白い菌が薄くなってる気がします。
この2日の高温で菌が死んでしまったのか?
左上のまったくキノコの出てない面は、最初に間接光の強い方向に向いてたところです。光云々よりも、最初の大事な段階で表面が乾いてしまったんじゃないかと思ってます。
まだいけるかな。ダメかな。
夕方、園芸用の霧吹きを買ってきました。ダイソー霧吹きよりも沢山水が出るやつ。これで霧を吹いて吹いて吹きまくりました。乾いた表層は水を含むことが出来ず、桶の底に水が溜まってしまいました。
ううう。がんばれ俺のシイタケ!
9月25日(土) 16.8-29.6℃
成長してたキノコの軸が心なしか細くなった気がします。そして表層は相変わらず乾いたまま。
乾燥がいかんのだととにかく水をたっぷりやります。表層から浸透せずに桶の底にたまった水は、仕方がないのでティッシュで拭いてやることにしました。
キットの最初の状態と比べてみると明らかに下部の白い菌のところが減っているのが分かります。高温・乾燥でやられたんじゃないかと思います。
9月26日(日) 19.3-29.5℃
完全に成長が止まりました。水のやりすぎもいけないのでしょう。一部の軸が垂れ下がり始めました。
それでも中盤の次の芽に望みを託して水をやります。
9月27日(月) 18.8-30.4℃
頭の重さに負けて首を垂れるものが増えてきました。周りを覆う土からは白いところが消えてしまいいました。
間違いなく失敗です。でもどうすることもできません。
9月28日(火) 22.0-28.0℃
明らかに軸が細くなってます。
9月29日(水) 22.3-30.3℃
軸は更に細く。
キノコもギブアップしてますが、ここで僕もギブアップ。
いったい何を失敗したのか
意気揚々と始めたキノコ栽培ですが、このような結果に終わってしまいました。いったい何がいけなかったのか、振り返ってみたいと思います。
30度越えの日が多かった
栽培中に30度越えの日が結構多かったんですよね。急に成長が止まったかなと思ったのが高温日が続いた次の日くらいで。
もりのしいたけ農園のマニュアルには推奨温度帯が書いてありまして、それは18℃~25℃。この温度帯から大幅に外れてしまうとしいたけの発芽が抑制されるそうです。
シイタケ菌は、3-4℃でもわずかに生長しているが、普通5℃から生長を開始し、24℃-25℃で最高の生長に達する。一般にシイタケ菌は低温に体する抵抗力が強く、高温に対する抵抗力は弱い。致死温度は、45℃で10分間、40℃で30-60分間であり、35℃でも長時間さ
らされた場合は死滅する。
という話もあります。素人には9月の栽培は無謀だったのかもしれません。
陽当たり・乾燥に気を付ける
陽当たりについては「直射日光を避け」くらいしか書いてないのですが、強い間接光の当たった面の成長がまるでなかったことを考えると、やはりあまり陽は当たらないほうが良いのかもしれません。
とは言えキノコは陽光面に育つのですからやはり光は必要で、日当たりに気を付けよというのは、高温・乾燥を避けよということなのだと思っています。
調べてみると育成には赤外線が重要という話もありまして、冷蔵庫に向いてた面が最初に活性化したし、栽培キットの底側をアルミで巻いてみるのも面白いかもしれないなあと思ってたりします。
これは近々、死に際の栽培ブロックで試してみたいなと。
水のやり過ぎには意味がないのかも
水のやり過ぎはいけないのかもと思いながら、表面が乾いてるのを見ると大丈夫かなーと心配になって多めに水をやってしまうという悪循環。家庭菜園のプロである女房に「可愛がりすぎてもダメなんよ」と言われてしまいました。
面目ない。
シイタケ菌の生長するのに必要な水分は、生長する基材によって異なる。シイタケ菌が最もよく生長する鋸屑培地の水分は、60-65%である。シイタケ原木内における生長可能水分は25-47%であり、最適範囲は、クヌギ原木で35-40%である。
だそうで。
栽培ブロックはおが屑に養分と菌を混ぜて固めてその周りに土をコーティングしたものです。コーティングの土は多分、表面からの乾燥を防ぐためにあると思うんですよね。
そうすると表からの水やりはあまり意味がなくて、最初に水に漬けるというのが実は必要なんじゃないかなあと思いました。
実際、6月から9月の高温時期は1回目の栽培でも栽培ブロックを1時間程度水につけてから開始するという方もいらっしゃるようです。このやり方、最初に知りたかったなあ。
結論「きのこの栽培は10月~3月に行うべし」
諸々考えましたが結論としては「きのこの栽培は10月~3月に行うべし」。これ一択です。高温時期に素人が手を出しても上手くいくもんじゃないし、育てたものがしぼんでいく姿を見るのは悲しい気持ちになりますもの。
そして、きのこを栽培するならこれからがベストシーズン。僕は今度は11月、もっと寒くなってから挑戦してみたいと思います。と言いながら今の栽培ブロックの再生に挑戦中だったりするんですけどねw
この話、まだまだ続きそうです。
失敗した理由がわかればいくらでも改良を重ねることができます。記事を書いたのは2021年ですが、2023年現在、さらに改良を重ねて安価でクリーンで扱いやすい環境を整えました。
シーズンが良いので、1日おいておくと傘が1cmくらい広がり間引きまで必要になります。そして間引いたシイタケもお汁なんかに入れて美味しくいただけるんです。シイタケって本当に美味しい。