ここんとこ立て続けにヘビを見かけたもんで、ちょっと興味がわきまして、マムシに咬まれた方の記事を読んでみましたら、そのあまりに酷い症状にびっくり。
万が一毒蛇に咬まれたときに少しでも毒を減らすため、応急処置用のポインズンリムーバーを買いました。
ポインズンリムーバー
ポインズンリムーバーは毒の吸出し器です。原理的には針のついていない注射器を想像してもらえるとだいたいあってます。
ポインズンリムーバーの使い方
ポインズンリムーバーを刺された箇所に押し当て、レバーを引き上げて毒を吸い出します。必要であれば操作を繰り返します。
刺された箇所が小さい場合や指などの部分には、先端パーツを細いほうにして取り付けて使います。
だそうです。
さっそく袋から取り出してみましょう。ポインズンリムーバーの内包物は大体どれも似たようなものだと思いますが、僕の買ったモノは本体と先端パーツ2個のセットでした。
ポインズンリムーバーが注射器と異なるのは、レバーが本体に十字に取り付けられ、片手でも引けるようになっているところ。一人での毒抜きも想定されているということですね。
実際に引いてみましょう。
ポインズンリムーバーがめっちゃ大きく見えますがこれは写真の撮り方のせいです、すみません。
リムーバー本体は人差し指くらいの長さ。ちなみにパッケージサイズは13cm x 11.5cm x 1.3cm(20g)でした。このくらいならいつもリュックに忍ばせておけますね。
ちなみに僕の買った商品はレバーを引いたまま止めておくロック機構は付いていないのですが、ギューッと引いたら腕に引っ付いたままになりました。
腕の上に立ったのでまあまあの吸引力なのかなあ?とも思ったのですが、吸引した場所は赤くもなっていません。写真の左上は本体を軽く押し当てて引いたときの跡で、右下は本体を強く押し当てて引いたときの跡です。
もしも傷口があれば血が出てくるのかもしれませんがちょっと不安ですね。まあ、気休め程度に使うとして「本体を強く押し当ててレバーを引く」ようにしましょう。
どうしてポインズンリムーバーが必要なのか
昔のサバイバル漫画なんかを読んでると「毒蛇に咬まれたときにはナイフで傷口を切って出てきた血を口で吸って」みたいな描写を見ますが、あれダメです。
口内に傷があると間違いなく顔がはれ上がります。その毒が首のリンパやまさかの脳の方に行ったらどうします?
指の先をちょっと咬まれただけで肩まで腫れ上がり、指先も紫になって壊死かと思うような有様になる蛇の毒ですよ。
だから蛇の毒を抜くならポイズンリムーバーが”絶対”必要なんです。
上のリンクは僕の買ったやつ。安心の日本製です。
よくいる毒ヘビを知っておこう
ここでよくいる毒ヘビを知っておくことにしましょう。日本本土を歩いている分にはヤマカガシとマムシを知っていればまず問題ないはずです。
ヤマカガシ
ヤマカガシを画像検索
上の画像検索だとヤマカガシは赤黒の斑点紋様が特徴的に見えますが、僕はここまでハッキリした赤いヤマカガシを見たことがありません。なので特徴としては「首の下が黄色」というのを覚えておきましょう。
ヤマカガシの毒性は「強い血液凝固作用で、血管内で微小な血栓形成を引き起こす」だそうです。子供の頃「ヤマカガシに咬まれると血が止まらなくなる」と言われてましたが真逆でした。
ヤマカガシに咬まれた際の死亡率は10%とマムシよりも高いので、ヤマカガシのイメージはつかんでおいたほうが良さそうです。
最近、あまり見ませんけれども。
マムシ
マムシを画像検索
マムシはもう見て一発「背中の大きな斑紋の中に点」これが特徴です。頭が三角とか胴が太いとか黒目が縦長とかそんなの瞬時に分かるわけありませから、斑紋に点。これだけ覚えておきましょう。
マムシ咬傷の症状は「出血傾向、筋肉の腫れ、壊死、血管拡張、血圧低下、霧視、視力低下など。咬まれると30~60分で腫脹してくる。腫脹は受傷24時間~3日後にピークに達してほぼ72時間前後より消退していき約2週間で消える。」だそうです。
死亡率は0.1%前後とのことですが、筋肉の腫れや壊死の写真を見ると絶対に咬まれたくないヘビです。
マムシは年に何回か見ますので近寄らずに観察して、マムシが判断できるようになると良いですね。
できるだけヘビに咬まれないために
さて、山歩きの際に毒ヘビに咬まれないための対策をまとめてみたいと思います。
君子危うきに近寄らず
ヘビは元来臆病な動物と言われているので近寄らないのが一番です。そもそも人間のような大きな動物はヘビの捕食対象ではないので、よほどでない限りヘビの側からちょっかいをかけてくることはありません。
なので蛇が居そうな水辺には近づかない、大岩など影のあるところに座るときには気を付けるなどを心に留めておいたほうが良いでしょう。
服装に気を付ける
マムシの被害はほぼ手か足で、不用意に尻尾を踏んでしまったとか岩に手をついたらその先にいて咬まれたなんていうケースがほとんどです。
ヘビの牙はそれほど長くありませんし、足を咬まれないためには長靴・長ズボンを履く、手への被害を軽減するためには手袋を着用するなどが良いでしょう。
季節を選ぶ
ヘビはご存じの通り冬眠します。なのでヘビに遭わずに山歩きをするなら寒い時期がベストです。また真夏の昼間は岩陰に引きこもっているはずですから、開けた暑い道の真ん中を歩く分にはヘビに遭遇しないでしょう。
ちなみにヘビを最も見るのが梅雨時期から夏前です。主食のカエルちゃんも沢山いて変温動物が最も動きやすい気温だからですね。この時期は水辺に近寄らない、藪は避ける、もしくは山をあきらめるのも選択の一つかもしれません。
小寒くなった秋口は道路や岩の上でよくヘビを見かけます。これは活動の前に体を温めているといわれています。この時期は見通しのない岩場で不用意に手を着かないのが良いと思います。
ヘビにかまれたときの行動
ポインズンリムーバーはあくまで応急処置で、ヘビに咬まれた際には可及的速やかにお医者さんにかかることが予後を軽くするポイントになります。そうした観点からヘビに咬まれたときの行動をまとめてみます。
- ヘビにかまれても慌てない
- 可能なら咬まれたヘビが何だったかを見極める
- 119番通報し、状況を説明、救急車を要請する
- ポインズンリムーバーで毒を吸い出す
- 傷より心臓に近い位置を幅広の帯で緩く絞める
- 後は救急隊を待つ
ヘビにかまれても慌てない
かまれたヘビがヤマカガシでも死亡率は10%です。逆に言うと90%の人は生き延びるのです。まずは落ち着きましょう。
可能なら咬まれたヘビが何だったかを見極める
無理して探す必要はありませんが、痛い!と思ったときに咬んだヘビの特徴が分かれば記憶しておきましょう。黄色があったか黒斑紋に点だったかくらいでOKです。
119番通報し、状況を説明、救急車を要請する
何時何分に咬まれたか、咬まれた部位はどこか、今の場所はどこか、咬んだヘビの特徴はなどを話しましょう。山の中だと移動は難しいかもしれません。救急隊員の指示に従いましょう。
ポインズンリムーバーで毒を吸い出す
本当は119番よりもポインズンリムーバーで毒を吸い出すのが先なような気がしますが、救急と話すと落ち着くというか安心するというかそういう効果があると思い前後させました。友人が一緒に歩いていれば救急要請は任せて、自分は毒の吸出しを進めたほうが良いでしょう。
傷より心臓に近い位置を幅広の帯で緩く絞める
毒が心臓に回らないように傷より心臓に近い位置を縛ります。この際「幅広の帯で緩く絞める」のがポイントで、きつく締めると壊死する可能性があるそうです。幅広の帯には日本手ぬぐいなんかが良いです。
後は救急隊を待つ
ヘビに咬まれたときの行動の流れとしては以上ですが、応急処置後に移動するのかその場で待つのかは救急の指示に従いましょう。また移動が必要であれば、傷を心臓より下にして移動することを忘れないでください。
なーんて偉そうに書いて僕が蛇にかまれたら笑っちゃいますね。ま、ブログネタになるからいっか。
その時は予後も書きますのでお楽しみにw
それじゃあ最後にAmazonのポインズンリムーバーのベストセラーを載せておきます。
蛇には咬まれないのが一番だけど、備えあれば憂いなしってね。
本文には書かなかったんだけど
山歩いてる時、升井君に「お前、俺が蝮にチ○コ咬まれたらどうする?」って聞いたら
即座に「そりゃ見捨てます(‘ω’)ノ」って言われて危機感を覚えたのも買った理由です。
当たり前かw