やんごとなき理由にて千葉へ。
前日の嵐が嘘のように空が澄み渡った朝、ホテルの窓のカーテンを開けると富士山が見えた。
東京湾越しに富士山を眺めるなんて30年ぶりのことだ。
前回はそう、当時の彼女と葛西臨海公園を歩いているときだった。
「あの雲みたいなの、富士山よ。」
津田沼出身の彼女だが若干自慢気に言った。
「え、どれだよwww」
薄曇りのその日、富士にかかる雪と雲との境目も不明瞭で、あの雲みたいなのと言われても僕にはどれがどれやら分からない。
それでもなんとか輪郭を探して、すごいねー、富士山ってあんな高いんだねーなんて機嫌を取ったのを思い出す。
いや、今朝の富士を見るまで、このことはすっかり忘れていたのだ。
ボケたわけじゃないけれど、幕張の街はこんな近未来都市だったっけ。ロッテはあの頃もこんなに強かったっけ。30年も経てばいろいろと忘れてることも多い。
思い出したのは、あの頃はマスクもなしにデートもできたし、若いのもあって気楽にあちこち行けたなってこと。
地元に戻って2週間は巣ごもり。
テレワークに入ります。