2回目のストーンペインティングと登山におけるワロック問題

2回目のストーンペインティングと登山におけるワロック問題

山に何か奉納したいと始めたストーンペインティング。今日はその第2弾です。

先に載せますとこちらが完成品。

老天狗&若天狗
ストーンペインティング 老天狗&若天狗

2回目のストーンペインティング

土曜の朝、長門市三隅町の海岸に白鳥が飛来してるらしく、これを見るついでに青海島の高山でも登ってこようかと考えていたのですが、家用をしているうちにお昼前になってしまいました。低山とはいえ午後から山に入るのは嫌だなあとお絵描きの日にしました。

まずはアイデアだし。

まずはアイデアだし
まずはアイデアだし

岩国の二井寺山を歩いた際に天狗の大きなお面を見かけて、山神として天狗も良いなあと感じたので、今回のモチーフは天狗様に決定。何も見ずにさらっとアイデアだしで書いてみましたら随分と漫画チックな仕上がりになってしまいました。

そこから線を単純にして、さらにイラスト化したのが右下。石ノ森章太郎の009に出てきそうだ。なんか違うなあ。

ネットで天狗のイラストを検索してみたらいらすとやさんにも天狗ありました。

描き写してみたらなるほど単純な線で良い雰囲気が出る。さすがやねえ (*‘∀‘)

下書き
下書き

昼食後に一息ついてから、目を瞑って天狗のイメージを練り直してたら、何かの拍子にパッと浮かんできたのがこの構図です。ほぼ一筆で書き終えて、マジックでなぞってみるとなかなかどうして悪くない。

頭襟(ときん)もかぶってないし、耳も髪もないけど、自分から出てきた天狗はコレなのだと納得しました。

納得したので下書きに入ります。

石に鉛筆で下書き
石に鉛筆で下書き

線が単純なのと石が白っぽいので下書きは簡単。ちなみにここで使ってる鉛筆は防府天満宮の合格お守りセットに入っていたものです。なんか分からんけど目出度いなと。

若天狗の色塗り
若天狗の色塗り
下絵と比較してみる
下絵と比較してみる

相変わらず筆運びとはへたくそ。やたら黒線が太くなってしまいましたが、まあ、絵の具が乾いた後に重ねて赤を塗ればいいやと。

下絵と比較すると、なにか若くていやらしさが滲み出てるなあと感じます。うむむ、補正は効くのだろうか。乾くまで待とう。

老天狗
老天狗

眉や髭が黒だと若く見えてしまうことが分かったので、これらを白抜きにして天狗2号を作成。うむ、爺っぽさが出てきた。老天狗、良いではないか。

ついでに奉納の奉の字を入れてみた。

細かい修正後
細かい修正後

諸々気に入らない点を修正し若天狗・老天狗の完成。両方とも天狗に見えるような見えないような感じだが、まあ、良い。

ちなみに買い物から帰ってきた女房に完成品を見せると「どっちも父さんそっくりやんw」と言われた。

うん、まあ、俺から出てきたものやからなあ。

ストーンペインティングの関連記事

天狗様がモチーフになった経緯はこちら。

初めてのストーンペインティングはこちら。


以下、月曜追記になります。

WA ROCKってなに?その問題点は?

山に何か奉納したいと始めたストーンペインティングですが、日曜夜にネットを検索していたらどうも世の中にはWA ROCKというのが流行っているようです。しかも流行っているだけでなく登山でのWA ROCKが問題になっているとのことなので、ちょっとまとめてみます。

WA ROCKとは

WA ROCKはもともと西オーストラリア(Western Australia:WA)で生まれた自然遊び。石に絵を描き、町中に置いたり、交換したりして、人と人の輪を紡ぐもの。石の裏には最初に置いた場所を書いておくが、WA ROCKを見つけた人は、それを持ち去って別の場所に置いても良いし、自分で所有しても良い。またどこに放石した、どこで見つけた等の情報交換をSNS上で行ったりもする。自分で描いた石が旅をしていくという遊びであり、クローズドな地域でやる場合は宝探し的な遊びでもある。

とまあネットから集めた情報はこんな感じ。ちなみに本家サイトはこちら(別ウインドウで開くFBサイト)です。

https://www.facebook.com/groups/294469264300479/

登山におけるWA ROCK問題

で、登山におけるWA ROCK問題というのが以下、多く見られる意見の要約です。

  • アクリル絵の具は環境汚染を起こすのでは
  • 山に放石するのは自然破壊ではないか
  • 自然景観が崩れるのでやめて欲しい

こうした意見を受けてWA ROCK JAPANは2021年5月5日に公式見解をTwitter上で発表した模様。

WAROCKを楽しまれる皆さんへ
登山に伴う放石はしないで下さい。
自然や自然景観を守るためご協力をお願いします。
なお山でWAROCKを見つけたメンバーさんは回収お願いします。

https://twitter.com/wa_rock_japan/status/1389939013407096832

まあ、反対派の声が大きくなれば公式としてはこうした声明を出すしかありませんわな。

ストーンペインティングを振り返って

ストーンペインティングを楽しんでいた僕ですが、今回見つけた「アクリル絵の具は環境汚染を起こすのでは」という意見にはハッとさせられました。

人の排泄物に含まれる抗うつ薬がザリガニを恐れ知らずにする」なんてレポートがあるように、何が環境に効いてくるかは分かりません。

なので僕もアクリル絵の具を使うのはやめます。ところで山で拾った石に墨で仏様を描いて奉納してもやっぱり怒られるんですかね。自然景観派さんには怒られそうだなあ。

まあ、嫌だ・見たくないという人がいることが分かったので、今後はペインティッドストーンを山に置くことはやめようと思います。問題が解決するまでね。

「登山におけるWA ROCK問題を誰も解決しようとしない」問題

僕の場合、山に何か奉納したいと始めたストーンペインティングですし、もうやめようと決めたのだから、昨日今日知った「登山におけるWA ROCK問題」にわざわざ首突っ込まなくても良いんですが、なんとなく思ったことを書いてみます。

WA ROCK反対派の方が提示された環境問題については僕も大いに思うところがあり納得したのですが、ネットを見ていると自然景観派さんの「せっかく自然の中にいるのに」というご意見が大変強く(これはWA ROCK JAPANさんの公式発表にも表れています)俺が嫌なのだからやめろ!という主張をされているようにも見えます。

WA ROCKの遊び方を知らない方からすると、山の中でいきなり現れる原色の石に違和感・嫌悪感を持たれるのもあるでしょう。シャッターとか橋げたに書かれる悪戯書きを想像させるデザインもあるようですし。ただ、それが原因で反対されているのだとすると、自分が見たくないからヤメロと他人に強制してることになっちゃいます。そんなはずありませんよね。(と信じたい

では、自然景観派の皆さんは、同じく石で作られる人工物で”意味のない”ケルンってのはどう感じてらっしゃるのでしょうか。あれは山の風景の一つで許容ですか(笑) 僕は正直、意味のないケルンは嫌いです。嫌いですが人にやめろと言ったこともありませんし、積まれた石を崩したこともありません。自然景観派さんはどうですか? 自然じゃないので蹴り崩しますか。

さらに、行政境界の杭や三角点、鉄塔、電波塔は人工物ですが、自分の生活のために必要だから許容なんですよね。山道は自然を壊して作られていますが、それは自分が歩くから許容なんですよね。ベンチは自分が休むから許容なんですよね。でもWA ROCKは許容できないと。なんで?

山頂に建てられた●●山という看板はアウトですか。山頂の祠はアウトですか。登頂記録の箱はアウトですか。自然景観派のアウトとセーフの境界が僕にはさーっぱり分かりませんが、でもWA ROCKはアウトなんでしょ。これってすごい傲慢ですよね。

と、ここでちょっと逆の話。読売新聞から福岡県糸島市の記事を取り上げてみます。これ凄くいい記事なんで読んでみてください。

糸島市にある六つの山の山頂に、登頂の記念に持ち帰ることができる手作りの木札が置かれ、登山者の間で人気が高まっている。木札を手がける同市のボランティア団体「I・L・I・S山守やまもり会」主宰、本田敬典さん(70)は「登山を楽しみ、糸島を好きになるきっかけになればうれしい」と話している。
 「I LOVE ITOSHIMA」を略して名付けた会には、20~70歳代の約40人が所属。木札(縦7センチ、横5センチ)には可也山かやさん、立石山、十坊山とんぼやま、二丈岳、浮嶽、高祖山たかすやまのそれぞれの形をデザインしたスタンプが押され、裏に各地の名所などが記されている。各山頂の箱に置かれ、登頂者は無料で持ち帰ることができる。

https://www.yomiuri.co.jp/local/fukuoka/news/20210528-OYTNT50091/

自然景観派の皆さんはこの記事を読むと、当然「もともと山にない木札を山に持っていくとは何事か!木札を入れておくステンレスの箱も自然の景観を損ねる!」と怒りまくるのでしょう。

はい。もう充分ですよね。僕はそんな人間いるわけないと思っています。

いったい何のかけ違いでWA ROCKだけ目の敵にされているのでしょうか。アウト・セーフの判断も曖昧な集合の嫌いという声が大きければ公式が謝ってそれで終了? それが自然景観派(笑)の思う正しい世界なんですか? どうして誰もこの問題を解決しようとしないの?

山でWA ROCKを見たくないなら山頂にワロックボックスを設置すれば良いじゃないですか。街には交換所があるんでしょ。山頂にあっちゃダメなの?

WA ROCK JAPANさんもWA ROCKを文化として根付かせたいのなら「放石やめよう」じゃなく「山頂にワロックボックスを設置しよう」と関係各所に働きかけるべきだし、自然景観派だって「見たくない」と主張するんじゃなくて「ワロックボックスで交換すれば良いんじゃない」と提案すればいいじゃない。

ついでにワロックボックスは雨に濡れない登頂記録も入るような箱にすればいいと思うんですよ。それなら一般登山者にも利益がありますし、箱を開けてWA ROCKにも興味を持ってもらえる。一石二鳥じゃないですか(石はいっぱい入ってると思うけどw

山を歩く人間同士が対立関係のままなんて勿体ないですよ。自然景観派さんの中の冷静な人が、そりゃいいアイデアだとWA ROCK JAPANさんに寄り添ってくれると良いなーと思います。

最後に僕の住んでる山口市の話

最後に僕の住んでいる街の話を少々。山口県山口市は「アウトドア活動等の促進を通じて、地域の活性化や防災意識と災害対応力の向上、市民生活の質の向上に資する取り組みを進めていく」として今年の5月24日にモンベルと包括提携を行いました。ついこの前の話ですね。(山口県では他に長門市、周防大島町、美祢市が同提携を結んでいます)

この提携で行政として何が始まってるのかまだ見えてきていないのですが、災害時の物資供給協定くらいしかやってないのなら「市民生活の質の向上に資する取り組み」としてワロックボックスの設置を全国に先んじてやってみませんか。糸島市の例も面白いけど、WA ROCK先進都市とかも結構面白いと思いますよ。

どうですか●●先生、○○先生。市長の施策にあってますし格安でアートとアウトドアに理解のある街になれます。山を降りたら湯田温泉にってボックスの蓋に書いても良いんじゃない?

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