中国山地の端にあたる山口県には高い山がほとんど存在しません。標高1100m以上の山と言えば、寂地山(1337m)、右谷山(1234m)、小五郎山(1162m)、羅漢山(1109m)の4つで、これらはいずれも県東部、広島県や島根県に接する岩国市錦町に集中しています。
8月29日に、この中の羅漢山に行ってきました。といってもお気楽ハイキングです。
らかん高原
標高1,109m、山口県で第4位の標高を誇る羅漢山ですが、この山の名前よりも「らかん高原」や「らかん高原オートキャンプ場」の方が有名ではないでしょうか。らかん高原は羅漢山の南斜面の標高900mに広がる高原で、雄大に連なる山々を一望できます。
もちろん、あと200m登って羅漢山の山頂からの景色の方が素晴らしいのは間違いありません。
らかん高原には、かつては人工スキー場があり、林間滑り台、テニスコートなどバブル時代全開の施設が作られていたようですが、今はセンターハウス(レストランあり)とバンガローのみが営業しているようです。
どうでもよい話ですが、昔はこのスキー場があったせいで広島の恐羅漢とごっちゃになって分かりづらかったですよね。
いや、昔はインターネットもなくてですね、県央に住む僕はその程度の認識だったって話なんですけど。
割と最近作られたと思われる綺麗な案内図も示しておきます。この案内図には登山道も示されており、らかん山頂までは、鉱山跡コース(30分)、みはらしコース(30分)と書かれています。
つまり今回はこの現在地(標高900m)から、羅漢山山頂(1109m)までを巡るお気楽ハイキングを楽しんできたってわけです。
鉱山跡コースは未整備で迷ったよ
駐車場のすぐそばに道標がありました。まずは右手の鉱山跡コースを行ってみましょう。
写真のような緩い坂を登っていくと、右手にラジオか何かの中継所が出てきます。
本当はこの中継所からまっすぐ山に入っていくのが鉱山跡コースらしいのですが、クマザサで道がふさがっており分岐に気が付かないまま道なりに進んでしまいました。いきなり迷います(笑)
先ほどの案内図からすると、これは仏岩のようです。ここから少し進んだところで下りに入りましたので、これはおかしいと気が付き、GPSを見ながら引き返すことにしました。
GPSと地図からするとどうやらここ、ここが鉱山跡コースへの分岐点です。道標もないのでこれは気が付かないよなあ。
道らしきものはあるので少し進んでみたのですが、クマザサがひどい。今日はお気楽ハイキングのつもりだったので長袖を持ってきておらず、薮漕ぎする気にはなれません。
ギブアップして来た道を引き返すことにしました。下りの道から見た山々の風景が奇麗なので1枚載せておきます。
みはらしコースはよく整備されて気持ち良い
最初の駐車場まで戻り、らかん高原「憩いの広場」案内図の前を通り、道標に従ってみはらしコース登山口にやってきました。
頂上まで0.7kmです。ああ、楽勝な予感。
羅漢山山頂
羅漢山山頂についてまず目に飛び込んでくるのが、山頂に建てられた見晴らし台です。
見晴らし台の真ん中にはテーブルがあり、方位盤が置いてありました。
方位版のおかげで何がどっちというのがよくわかります。
山頂の周りにも木が茂っていますが、見晴らし台のおかげで眺望がとてもよく、また風が通って気持ちがいい。つい長居しました。
見晴らし台を降り山頂を歩いていると、羅漢山を説明する立て看板がありましたので書き写しておきましょう。
羅漢山は、標高1,109mで、山頂は錦町。本郷孫、美和町、広島県佐伯町の境界に接する、山口県東部を代表する勇壮な独立峰です。この山は、その昔、車前子垰山と呼んでいましたが、熱変成橄欖岩で出来ているため、山の至る所で奇岩が露出し、そのさまが羅漢仏を思わせるところから、また、遠望すれば山容が羅漢仏の泰然たる姿に似ているところから、その名を”羅漢山”と呼ぶようになったというふたつのいい伝えがあります。この山には、羅漢石のほか、男岩、八畳岩、仏岩、竜岩、狐が城、狼が城、蛇の池、不知火の杉などがあります。
山を歩くときは草木、滝、風景などを楽しみますが、岩を見ることも楽しみの一つです。仏岩や壊れたアスレチックの向こうの岩が少し赤くて、なんだか県の西側でよく見る岩(多分、花崗岩)とは違うなあと思っていたのですが、熱変成橄欖岩(ねつへんせいかんらんがん)というもののようです。
やはり県の東側の高い山は、そもそもの成り立ちが違うのでしょう。興味深い。
見晴らし台から広島方向を見たときに、山頂のわずか向こうに丸いレーダーっぽいものを頭に掲げた建物を見つけました。あれはなんだ!?
国土交通省 羅漢山レーダ雨量観測所でした。説明看板の内容は割愛。
この日は良く晴れており雨量観測の出番はなしです。
気持ちもハレバレお気楽ハイキングでした。
※ 今日9月2日、台風9号が九州西部から北上してるんだけど、こういう時にレーダー雨量観測所が大活躍してくれているのだと思います。ありがたいことです。
無駄にウロチョロした今日のコース
右下に短く進んでいるのは、鉱山コースを間違えて迷ったところです。迷ったといいながらこれもコースの一つのようなので、そのまま進んでも構わないようです(未確認)。
曲がったところから点線で上に抜けているのが鉱山コース。鉱山コースは他のブログでは綺麗な道になっていたので、年に1回とか藪を払われるのかもしれませんね。今回はタイミングが悪かったかな。
写真もたくさん載せた見晴らしコースは左(地図だけでなく体感的というか道標的にも左)から登っていきます。迷わなければ0.7kmの往復で、見るところの多いとてもお気楽なコースです。
女子と行くと楽しいと思います。