台風一過で秋の風を感じるようになった9月13日、山口市の鋳銭司から名田島へと連なる火の山連峰を歩いてきました。
最初に入った陶ヶ岳がお気楽コースのわりに変化に富んで見どころも多くとても良かったので、今回は陶ヶ岳の山頂までを記します。
陶ヶ岳登山口まで
火の山連峰への入り方は東西南北にたくさんあるようですが、今回は最も分かりやすい陶ヶ岳登山口から登りました。
まずは陶ヶ岳登山口駐車場を目指します。
国道2号線から秋穂のセミナーパークに向かって走ると左手に不二サッシさんが見えます。その先のカーブを曲がったところに上記の看板があり、これを右に折れて、奥に進めば陶ヶ岳登山口駐車場に到着します。
細い道に入ってからもこっちこっちと看板が出ているので迷うことはありません。
陶ヶ岳登山口駐車場は車が20台以上停められそうな広さです。トイレはありませんので、事前にセミナーパークのトイレをお借りしておくと安心でしょう。
この駐車場が用意されている安心感がグッドポイント、また駐車場までのアクセスの良さもグッドポイントです。
陶ヶ岳登山口駐車場の右手奥に上記の看板があり、ここが登山口となっています。
この看板は「すぜんじマップ」でして、コース図ではなく地元鋳銭司の名所が記されています。まあ、コース図があろうがなかろうが、道は迷いようがないほど踏まれていますので問題はありません。
看板によれば「陶ヶ岳 標高233.8m 頂上まで歩いて約40分です」とのこと。
実際に景色を眺めたり、写真を撮ったりと、あちこち寄り道をしても40分程度で頂上に着くことができました。
この陶ヶ岳の低山っぷりとゆるゆるハイキングがまたグッドポイント。秋の行楽にいかがですか。
では行ってみましょう。
陶ヶ岳登山道
最初は森のなかを歩きます。穏やかに日が差し込んできて実に気持ちが良い。お散歩です。
山の裾に入ると多少ガレた坂に変わりますが緩い、緩い。道幅は1.5人分くらいでしょうか。シダが生えていますが道まで張り出してきていないので、仮に半そでであっても問題ありません。
この取りつきの気持ちよさもグッドポイントですね。
沢に入ったところに「水分休憩を」との看板とベンチが置いてありました。
山のベンチって大抵崩れていて座る気にならないものですが、この休憩所のベンチは看板と同じくらい新しい木で作られていました。
地元の目が行き届いているのもグッドポイントです。
まだまったく疲れは感じないのですが、助言に従い水分補給をしておきました。
先ほどのベンチのところから沢と別れて山に入ります。登山道のところどころに石積みの階段があり、急な上りにならないように配慮されています。
裾から山への分かれ目がハッキリしているのも気持ちよく、これもグッドポイントですね。
ついでに言うと石積みの段差があまり高くないのも良いです。
山はゆるーく緩く九十九折を登っていくようになります。
折り返しには大抵大きな岩があり、ケルンの様に石を積んでいる人がいてなかなか楽しませてくれます。
ここまでの道は細い木々に遮られ殆ど景色がありませんでしたが、上の方の空が開けてきました。
大して登ってきた感もないのに空が開けるのは嬉しいものです。
ここにもグッドポイントを入れておきましょう。
明るい分かれ道に「陶ヶ岳山頂 どちらのルートを選択するか其れはあなた次第ですよ」との道標。さて、右か左か。
僕は、すぐ近くに空が見えた右のルートを選択しました。
行っていないので本当のところは分かりませんが、後から考えるに、きっと左のルートは緩く、摩崖仏などを眺めながら登っていくルートになるのではないでしょうか。これはまた後述します。
分かれ道で右を選択し、先ほどの坂を登ると広場に出てきました。ここにはゆっくりと景色を眺めるベンチがあります。
もちろん、そのベンチも新しいものでした。
先ほどのベンチからの風景です。鋳銭司から遠く右手には徳山港まで見えます。標高は高くありませんが良い眺めです。
中腹からの景色もグッドポイント。
景色を堪能して振り返ると山小屋がありました。陶ヶ岳観音山荘の看板がかかっています。この名は、その昔に観音堂があったことに起因しているようです。
しかし、この高さの山に山小屋を見かけるのも珍しいことですね。
山小屋方向は景色を眺めていたところから比べると草が茂って荒れているのですが、なにか道標があるので行ってみました。
ああ、鋳銭司寄りの岩屋山から上がってくるとここに出てくるのですね。しかも陶ヶ岳はこっちだと?書いてあります。あれれ、ゆるい左手方向から登っていくのだと思っていました。
この階段の途中にも分岐があり、陶ヶ岳・寝釈迦・十六羅漢と記してあります。うーん、面白そう。これ行くしかないね。
とその前に、階段を登り切ったところにも何やら看板が。。。
階段を上りきると巨石の組合せで出来た穴がありました。
陶ヶ岳観音祠だそうです。
いったん、奥の奥まで入ってみましたが、今にも崩れそうで、怖くて飛び出ました。
このドキドキ感もグッドポイント(笑)
ここまでがお気楽ハイキングだったのでアドベンチャー感が出てきたのは非常に良いです。
先ほどの階段を途中まで降りて、陶ヶ岳・寝釈迦・十六羅漢方向を見上げます。
写真は登ってる途中に撮ったのでブレてますが、ロープなしじゃ上がれないような崖でした。
登る距離自体は大したことありません。そしてちゃんとロープが用意されています。
ほんのちょっとの危険が楽しいんですよね。これもグッドポイント!
先ほどの崖を登りきると少しだけ右に行ける道があって、山から大岩が突き出した見晴らし台がありました。
これまで山の向こうだった小郡の街がハッキリと見えます。
突き出た岩から眺める田んぼの向こうの街、山、雲、空。あーなんて素晴らしい。
景色を堪能し山頂に続く道へと戻りました。
トレッキンググローブはあった方がいいね!
ところで、ロープをつかんだり岩に手をかけたり、低山であっても変化に富んだやや危険な道に出会うことはあります。トレッキンググローブはリュックに1つ忍ばせておいた方が良いですね。
僕も常に入れています。
陶ヶ岳山頂
陶ヶ岳山頂に着きました。
陶ヶ岳山頂付近はロッククライミングの練習にも使われるくらいゴツゴツした岩が剥き出しになっています。
低山でこの頂上のゴツゴツはあんまりないからなあ。
森から岩への変化、ここもグッドポイントでしょう。
そしてその岩の上に立派な「山上三社大権現」の石碑。
山上三社大権現ってなんだ?
「大権現」は僕の頭の中では廃仏毀釈と山岳信仰のむにゃむにゃで、仏様が神様として現れた的なイメージ。
三山なら熊野かなと思うんだけど三社かあ。
うーむ、三社とくれば浅草。でも山口市と東京下町の浅草が関係あるなんて聞いたことないしなあ。
あー、寝釈迦があるって道標があったから、お釈迦様と文殊菩薩と普賢菩薩で三社なのかな。
いまいちピタッと来ないんだよなあ。
うーむ。
山上三社大権現を戻ってから調べたよ
山上三社大権現ってなんだ?とモヤモヤを抱えておりましたので、家に帰ってから色々と調べておりましたら、セミナーパークから少し進んだところに熊野神社(三社大権現宮)様がございました。
こちらの神社様が山上から見守っていらっしゃるということですね。
言葉のすべてがつながりました。
あースッキリした。
陶ヶ岳の摩崖仏を見に行こう!
崖を登る前に寝釈迦とか十六羅漢の道標を見かけたのですが、まだ実物を見ていません。
大して広くない陶ヶ岳の山頂付近を歩き回っても見つからず、切り立った崖から下をのぞき込んでみると下方に少しだけ広場があることが分かりました。
あそこに降りる道があるのだなあと、登ってきた道を戻ると木の向こうに道標をありました。
十六羅漢・寝釈迦↘と書いてあるように見えます。
はーこっちにも道があったのね。多分、最初の分岐で左に進んだらここにつながってくるんだろうなあ。
お目当ての十六羅漢はこの崖にありましたよ。
羅漢ってのは悟りを得た人。十六羅漢ってのはお釈迦様の弟子で、特に優れた16名の方のようです。
この低山に摩崖仏があるなんて、グッドポイント10個くらい進呈しちゃう。
更に寝釈迦ですって!
あーところで寝釈迦ってなんで寝てるんでしょうね。これも不思議に思って調べてみました。
ずいぶんとお気楽な図だなーと思ってたのですが、お釈迦様が入滅する(お釈迦様が死んで横たわっている)ときの絵柄とのこと。
こわ! 南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
よーし見たいものは見たし、陶ヶ岳は十分に堪能した。次はあっちの山だ!
火の山連峰(陶ヶ岳から火の山)ここまでのコース
登山口の看板に書いてあったようにここまでで40分です。
ご覧の様に陶ヶ岳は220m程度のお気楽ハイキングコースながら、変化に富んでおり、摩崖仏などの見どころも多く、とても楽しめる山でした。
飽きずに登れますのでお子さんと一緒に登って同じ道を降りてくるピストンも良いでしょう。実際、小学生のお子様連れのご家族もいらっしゃいましたよ。
うん、なんかとにかく陶ヶ岳はグッドポイント(笑)