Youtubeを見ていたら紙で作ったドラゴンが目線で追いかけてくる動画を見つけました。
面白すぎじゃん。よし。今日は夏休みの工作の日にしよう。
首振りドラゴンってなに?
首振りドラゴンは、別名「振り向きドラゴン」とか「Jerry Andrus dragon」とか「gathering for gardner paper dragon」なんて名前で呼ばれているようです。
名前から深堀りしてみよう。
首振りドラゴンは『1998年、マジックする数学者 Martin Gardner 氏を称える会 Gathering for Gardner 3 においてJerry Andrus氏が発表した型紙』だそうです。この型紙を切り取って組み立てると錯視を利用して不思議な動きを見せるドラゴンが出来上がります。
数学で遊ぼうの精神が発端なので、ネットに公開された色々な型紙を使わせてもらっても大丈夫そうですね。
首振りドラゴンの型紙
首振りドラゴンの型紙ですが、僕のお薦めはThinky the Dragonです。
こちらのページにある型紙は、3ページ目に山折り・谷折り・ハサミ入れの丁寧な解説がついています。
英語で書かれていますが中学生程度の読解力で全然いけます。
Download Nowをクリックしてpdfファイルをダウンロードしてください。
片目をつむって見るか、ビデオに録るとこんな感じに見えます。
なんでこんなペラペラな紙が立体に見えるんだろう。
首振りドラゴンの原理
不思議に思ったので首振りドラゴンの原理を探ってみました。首振りドラゴンの原理はホロウマスク錯視によるものだそうです。
ホロウマスク錯視ってなんなん?
ホロウマスク錯視
ホロウマスク錯視Wiki
凹面の顔を通常の凸面の顔として認識する視覚バイアス。
人間って「顔」を見ると凸面だと思い込んじゃうってことね。いやいや、それだけじゃどうして首を振ってくるのかが分かんないじゃん。というわけでホロウマスク錯視をもうちょい深掘りして、僕なりに図化したのが以下です。
ドラゴンの左目に注目してみます。
上の図で左目が追いかけてくる理由が説明できました。さらにドラゴンの右目に思いをはせると、右目の移動距離は左目の移動距離よりも短くなるはず。つまり両目の動き(認識)を合わせると「こちらに振り向いてる」って動き(認識、錯覚)になるってわけ。
うん。この説明いいじゃない。
自画自賛w
首振りドラゴンの応用
首振りドラゴンの応用で検索する人が多いみたいなんですが、首振りドラゴンの応用はドラゴン以外の型紙が出回ってる感じかな。
それと、これはホロウマスク錯視の応用と言って良いのか分かりませんが、紙を2枚重ねて隙間を作っといて傾けると奥の目玉が動くなんてのも見たことがあります。観測者の見る角度によって白目の部分が増えたり減ったりするだけですが、これは絵は平たんなはずというバイアスを利用したトリックですね。
もっと身近なところではWindowsのUIもそうかな。ボタンが浮いてる/引っ込んでるを表現した陰影は、光は上から照らされるはずという人間の思い込みを利用した錯視だと聞いたことがあります。こうやって考えると人間の錯覚はトリックだけじゃなくデザインにも活かせてるんだなあと改めて思ったりしました。
ま、なんかそんな難しいこと考えなくても、首振りドラゴンを一度作ってみると良いです。
手の中にある不思議。ちょっとした感動に出会えますよ。
そんじゃまた来週。