兵庫県第二弾は播磨アルプスの鹿嶋神社-高御位山周回コースをめぐってみた。
高御位山事前調査
兵庫県第二弾に高御位山を選んだのは単純に「たかみくら」という名前に崇高なイメージを持ったから。字は違えど「たかみくら(高御座)」は天皇陛下の玉座を指す言葉だしね。事前に高御位山を調べてみると崇高なだけじゃなく、楽しそうな山だ。
加古川市・高砂市に連なる高御位山系の岩稜は「播磨アルプス」と呼ばれるらしい。上の写真(今日はこれを左から右まで歩きます)で一番右に見える山が高御位山。高御位山は加古川市・高砂市の最高峰。最高峰といっても標高はわずかに304mなので低山好きの僕向きの山だ。
それに高御位山は別名「播磨富士」とも呼ばれているらしい。高御位山への登山口は20か所以上もあって、この2点からも高御位が地元民に愛されている山だということが分かる。実際、YAMAPの直近1ヶ月の累計登頂数を見ると1,372回と大人気の山だ。
兵庫県第二弾に選ぶには十分すぎる条件が整っている。
よし!さっそく行ってみよう。
播磨アルプス 鹿嶋神社-高御位山周回
と、さっそく行ってみるわけだけれども今のところまったく土地勘がない。なので今回はヤマレコのモデルコース「播磨アルプス 鹿嶋神社-高御位山周回コース」に沿うことにする。
鹿嶋神社参道
車もヤマレコの地図に従って鹿嶋神社駐車場に駐車。もちろん鹿嶋神社さんにもしっかりとお参りをするのだけれども、山歩きだと手前の市ノ池公園第二駐車場に停めた方が気兼ねがなくていい気がする。次回からはそうしよう。
鹿嶋神社さんの目印は参道入口の大鳥居。
鹿嶋神社大鳥居は平成10年の建立で高さ26m・幅35mのチタン製だそうだ。チタン製の鳥居としては日本最大級とのこと。たしかに大きい。
鳥居の左手にトイレがあったので軽く用を足しておく。周回コースは5.8kmだけど様子も分からないことだしね。
参道を鹿嶋神社さんへと向かう。鹿嶋神社さんは桜餅が名物のようでそこかしこに餅屋さんが軒を並べているのだけれども時間が早くて開いてるお餅屋さんも少ない。一軒だけ蒸したてのお店があったので自慢の桜餅を2個ほど購入。朝ご飯を食べてこなかったので山頂でいただこう。楽しみだ。
神域に入る手前の参道に「ようこそ、播磨アルプス縦走コースへ/登山口のご案内」の看板が立ててあった。ウェルカムな感じだ。
鹿嶋神社本殿の左手奥にある赤い鳥居が登山口と説明がある。初めて来た人間にはこういう説明がありがたい。
鹿嶋神社・鷹ノ巣山・高御位山・北山鹿嶋神社登山口の地図もあり、これは正に今日僕が歩くルートでこいつもありがたい。
鹿嶋神社本殿
三つ目の鳥居をくぐって神域に入り、階段を登って、鹿嶋神社本殿に参拝。
鹿嶋神社は聖武天皇の勅願によって国分寺と国分寺の東院として大日寺が建立された際、その鎮護の神として奉祀された神社との由。
聖武天皇は東大寺とか奈良の大仏を作らせた人。疫病(天然痘)を鎮めるため諸国に寺院を建立したけども、そのせいで国家財政が破綻の危機に陥った。生産性を上げるために墾田永年私財法がなされたけれども、この施策が後の地方豪族の勢力増大につながっていく。信心深いけれども政策に疎かった人なのかなあ。
話を鹿嶋神社さんに戻すと、鹿嶋神社の御祭神は武甕槌命(たけみかつちのみこと)と経津主命(ふつぬしのみこと)とのこと。このお二人は大国主命(おおくにぬしのみこと)に出雲国譲りを迫った神様だ。このお話、後から効いてくるので覚えておいてもらえると嬉しい。
鹿嶋神社は「一人一願心を定めてお詣りすればその願いは必ずかなえられる」とのことで一願よくよくお願いしておきました。
さて行こう。
本殿横の戎社(えびすしゃ)・出雲社にも詣り、三宝荒神社横の鳥居をくぐって登っていく。お稲荷さん、太郎坊権現、富勝大神・鹿島大神・福成大神の社を越えて、イノシシゲートをくぐれば登山開始。
少しだけ階段を登る。
階段が途切れるといきなり岩道か山道かの選択を迫られた。もちろん岩道を行った。ここはたいして大きな分岐でもなく結果的にどちらに進んでも合流するのだけれども、播磨アルプスにはこうした分岐にピンテがひとつもない。
※ 一部訂正、僕が見た限りでは一つもありませんでした。
まあ、登山道は明らかだし人も常に前後にいらっしゃるのでここ以外で迷うところは”ほとんど”ないけれども、初めての人間にはあまり優しくない道と言える。
百間岩
岩道を上がるとすぐに百間岩が見えてくる。
いかにも岩稜。写真だと緩く見えるがなかなかの傾斜。青い柵の展望台で靴ひもを締めなおして再出発した。
山全体が岩でできていて木の生えるところも少ない、僕が生まれ育った地方ではあまり見ないタイプの山だ。
岩の質は凝灰岩。割と白っぽいのは二酸化ケイ素が多いサラサラの溶岩だったのだろう(まあ、粘っこかったらモッコリの山になったり火山弾になるからな)。凝灰岩は花崗岩と違って粒状に砕けないので足のかかりがよく、登っていても滑る感じはない。
ほぼ直登の百間岩。前を行く人を追いこすのも面倒なので途中休憩して高御位山の方向を眺めてみる。向こうに見える一番高い山。あれが高御位山。今日はあそこまで行く。
この時は知る由もないが、手前に見える峰は後ほど出てくる最初の馬の背だ。
百間岩を登り終わって、下に見える白い建物が鹿嶋神社入口。その右の青い柵が登り初めの展望所。
振り返るとなかなかの登りじゃないか?
別所奥山
百間岩からもう少し上がると鉄塔があった。
反射板のある別所奥山。”別所奥山”に自信がなかったのだけれども、別の写真を見返すと反射板に取り付けられた看板に「別所奥山反射板」とあった。きっとあそこが別所奥山でいいんだろう。
春先だというのに百間岩を登っただけですでに暑い。上着とアンダーを脱ぎ半袖一枚になる。播磨アルプスは日陰もなければ藪もないような道なので半袖で十分だろう。
鷹の巣山
鷹の巣山には鷹の巣山と鹿島山西峰があるらしいが、どれがどれだったか分からず。とりあえず三角点があったほうだけ記録しておく。
鷹ノ巣山を越えたあたりから海方向に向けてすごく良さそうな馬の背が下っている。だが地図を見ると神社の向こうに降りてしまうっぽい。
うーん、どうするかなあ。
地図を見る限り海方向に下る馬の背は他にもう一本あるようで「馬の背なんかそのうち本ルートにも出てくるだろう」と期待してスルーすることにした。
※ 本コースには馬の背はありませんでした。
桶居山分岐
桶居山はコースを外れて北側に上がっていく山で分岐も記録に残さずじまい。たしか鷹ノ巣山からはすぐだったと記憶しているので、とりあえずの区切りとして「桶居山分岐」を置き高御位山までの写真を掲載しておく。
高御位山
ここからは高御座に向けの最後の登り。
どうやったらこんな層状の地形ができるだろう。岩を見るのは面白い。この段を登って緩くなったところで隣り合ったおばちゃんと馬鹿話しをしながら高御位山に到着。
ん?到着?
山頂に神社があるとのことだったのでこれで到着かなと思ったらまだもう少し奥があった。
人が沢山いる一際高い岩が高御位山の山頂。もちろん行く。
小さな祠の裏側に「高御位山」の看板があった。ここが山頂でいいだろう。
ちなみに高御座の「座」にバッテンが付いて「位」に変えてある看板もあった(笑)
どうせなら先の先まで行ってみたい。行ったなら覗き込みたい。こわっ!
ちなみにこの岩の裏側をクライミングしてる人もいた。
クライミングやるやつは命知らずだなと思う。
さて、岩の上から振り返ると神社があった。なんか普通に建ってる。
岩を通らなくても行けちゃう道もあるみたいだし。。。
高御位神社は高御位山頂(標高304.2m 播磨富士とよばれる)にあり欽明天皇10年(548年)に創建された。祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)。
あれ、播磨って意外と出雲に寄った文化なの?
神社南側の岩場は、今から約千二百年前の大同二年三月二十一日に大国主命が国造りのためにこの岩場に降りてこられたという言い伝えがある。
俺、えらいところに立っちゃったな。
高御位神社の社殿は東南方向の伊勢神宮に向いています。パワースポットの聖地、伊勢神宮と出雲大社のちょうど真ん中にあります。また地磁気水平分力は30900nTで伊勢神宮と出雲大社と同じです。
なんだか段々と眉唾になってきたが、まああれだ、もともと山頂に大国主命が祀ってあったので麓に国譲りの神様を祀って封じ込めた感じだな。奈良でも出雲の呪いを恐れて三輪山に大物主大神(大国主命の御魂)を祀ってたりするし、それと同じ流れだろう。
自分なりに納得したので山頂で桜餅を食らう。甘いあんこがウマい。
山頂には簡易トイレがあり食後にちょっと小用と思ったけれども、小便器がどうみても山頂の皆さんに丸見えなのでここは我慢と下山に移った。
そのせいで高御位山の三等三角点見逃した。そういえば山頂からの景色も撮ってないや。
まいっか。
長尾登山口
下山は岩場を降りていく。簡単に記録だけ。
植林帯に入るまではほぼ岩場で危ないと言えば危ないが、高御位山単体でいえば304mの低山だし距離もない。岩場だけ集中して降りれば問題ないだろう。
あとは車道を西に歩けばスタート・ゴールの鹿嶋神社に戻ってくることができる。
鹿嶋神社-高御位山周回コース
とりあえず播磨アルプスを歩いてみたかったので、ヤマレコお薦めの鹿嶋神社-高御位山周回コースを回ってきた。このコースだと距離が短いので、曽根駅からもう3つくらい山を巡る9.2kmの周回コースでも良いかもしれない。
一番興味を持った高御位山(たかみくらやま)は今回押さえたので問題なし。同じコース入りで馬の背を楽しむだけなら1時間くらいで回れそうだし、逆回りして馬の背から降りてくるのも良いかもしれない。なにせ登山口はたくさんある。
田舎者の僕にはちょいと人が多いと感じたが、いいお山だった。
きっとまた行くと思う。