連休2日目。山口県山口市阿東の十種ヶ峰(とくさがみね)をぶらりハイキングしてきました。
どうして今日は十種ヶ峰なんだろう。自分でも不思議だったのですが、その理由は下山してから分かりました。
8月9日朝
前日、琴石山(545.0m)をさ迷い歩いたので、連休の中日は龍護峰でクールダウンをと考えていたのですが、なぜか朝起きると無性に十種ヶ峰に行きたくなっていました。
十種ヶ峰は地元の山でして、アウトドアアミューズメントもたくさんありますから確かに気になる山ではあります。
でも、標高が988.6mもありますから、僕の足からすると2日連続ハイクの2日目に選ぶ様な山ではあり得ません。
それがなんだか十種ヶ峰を検索しているうちに「山頂付近の駐車場からだと簡単に登れるよ」的な記事を見つけてしまって、だったら大丈夫かと山行を決めました。
十種ヶ峰ウッドパーク
十種ヶ峰への登山道はいくつかあるようですが、8合目あたりの山ろく駐車場へは、十種ヶ峰ウッドパークを経由すればよいようです。
山口市内から9号線で長門峡へ向かい、県道311号線を曲がって344,310と生雲経由で十種ヶ峰ウッドパークにやってきました。
十種ヶ峰ウッドパークには十種ヶ峰オートキャンプ場があります。ついでにオートキャンプ場の写真を上げておきましょう。
ものすごく綺麗な管理棟があります。ちょっとした食べ物やお土産も売っています。
オートキャンプに限らず、ケビンやパオなんかもあります。
炊飯棟ももちろんあります。写真には残していませんがケビンもパオもお客さんが埋まってたんじゃないかな。オートキャンプは少し余裕があったかも。
十種ヶ峰ウッドパークにはスキー場もあります。今年の冬は雪が少なすぎて営業できなかったんじゃなかったかな。たしか。
ところで夏のスキー場って初めて見たかも。ここ自転車のダウンヒルに使わせてくれるんだよね?
SL山口号にひっかけているのか、子供向けのミニSLも走っています。そういえばこの日、帰りに見た山口線でもSLが走ってました。マニアにはたまらないんでしょうね。線路沿いに多くのカメラマンがいらっしゃいましたよ。
さて、ウッドパークの話はこれくらいにしておきましょう。
十種ヶ峰山ろく駐車場へ
十種ヶ峰オートキャンプ場管理棟のお姉さまに地図をいただきまして、説明もいただきました。なんてことはないのですがただ一本道を上がっていけば山ろく駐車場に着くみたいです。
山ろく駐車場に上る舗装路の途中に嘉年ルートの入口を発見しました。十種ヶ峰ウッドパークの駐車場をお借りすればここから登っていけますね。
登山道に続く舗装路ってたいてい車一台分の幅しかないことが多いのですが、ここは広いですね。普通車2台が行き違いできるくらいの広さがあります。
車道の左手の森の中にSHIMANOのテープを発見。たぶんMTBのコースだな、これ。木にぶつかったら死んじゃいそうな気がするけど、昔はこれに似た遊びしてたんだなあ。
今じゃ無理だなあなんてもうろく爺みたいなことを思いました。
一本道を走っているとそのうち峠を越えます。あれ、駐車場を見逃したかなと心配になりますが、大丈夫。
峠を越えてほどなくすると左手に登山口の看板が見えてきます。その右側が十種ヶ峰山ろく駐車場です。
余裕で8台くらい停められます。今日は先行が3台。この駐車場にはトイレなんかはないのでウッドパークで借りておくとよいと思います。
十種ヶ峰 ハイキング開始
頂上まで840mですって。もう楽勝すぎるわ。
左右はやぶですが道が踏み込まれてますので半袖でも大丈夫な感じ。
やぶが開けると見たこともないようなササの群生に出会えます。畑かと見まがうような広がり。ちょっと感動的。
神角から上ってくる登山道との分岐がありました。帰りに見つけたのですが、神角は鹿野方面から十種ヶ峰に向かう道(国道315号線)の途中にあります。
熊野権現様の鳥居をくぐります。この鳥居は平成二十年、埼玉県の伊藤五郎さんとそのお兄さんの寄進によるもののようです。
鳥居をくぐると気持ちの良い緩い登りが始まります。
そしてまたすぐにササの群生に出会います。山ろく広場の看板をしっかり読み込むと、これはチマキザサというようですね。
家に戻ってから調べましたがチマキザサはクマザサの近似の種とのこと。「チマキザサ 山口」で検索すると十種ヶ峰が関連するキーワードとして現れるくらいこのチマキザサの群生は有名なようです。
ついでに言うと「21世紀に残したい日本の自然」にも十種ヶ峰は選ばれていまして「長門富士ともいわれる秀峰。大規模なササ群落がある。」とやはりチマキザサの群生がピックアップされています。
これを見に来ない手はないですよ。
昨日、地図を見ずにえらいことになったので、今日はしっかり読みます。
嘉年ルートはスキー場方向、神角ルートは全く逆、これは既に理解済みです。頂上からヤマシャクルート、福谷ルートに下りない限りは現在地に帰ってこれます。
OK、把握した。
山ろく広場からすぐのところに「直登ルート」と「熊野神社」の分岐がありました。
先ほどの図に熊野神社が書いてあったので、熊野神社方向へ進みましょう。
山腹沿いの階段と階段に並行して走る小さな沢を足元の良いほうを選んで上がっていきます。
木はなくずっと右手の景色が開けています。見上げれば山頂に立つ人の姿も。
それにしても絶え間なく風が吹き上げてきて気持ちがいい。立ち止まり、帽子を押さえながら、風景に見入るのも良いです。
十種ヶ峰 山頂
十種ヶ峰の名前の由来は、神様が10個の宝をこの山に埋めたという伝説からきているようです。
防長風土注進案(ぼうちょうふうどちゅうしんあん)によると、十種ケ峰に眠る十種神寶(とくさのかんだから)は天大神(あまのおおみかみ)の子、御食主命(みけぬしのみこと)によって、十種ケ峰に埋められたとされています。そのお宝が下記の①~⑩の10種類なんです!
あとう観光情報
①八握剣 ②蜂比礼 ③蛇比礼 ④足玉 ⑤生玉 ⑥沖津鏡 ⑦品物之比礼 ⑧辺津鏡 ⑨死返玉 ⑩道返玉
ちなみに阿東には徳佐(とくさ)という地名がありますが、これもきっと十種の当て字なんでしょうね。
標高988.6mの十種ヶ峰は周囲を見下ろすその形から別名「長門富士」とも言われているそうです。
さすがの一等三角点。景色抜群です。
今日のおやつは風味豊かなひとくちチーズタルトを冷え冷えのコーヒーでいただきます。
ちなみに登る時間が短すぎて、氷が溶けてもいませんでした。
うまーい
十種ヶ峰 下山
さて、昨日のこともあるので下山は慎重にと思っているのですが、頂上って下山ルートの看板が出てないこと多いですね。
ヤマシャクルートは「下山をお控えください」の看板がありました。
その他にこちらから降りてね的な看板もあったのですが、それさっき登ってきた熊野神社ルートだから降りる気しないし。
さて、登りで見かけた直登ルートはいったいどこから降りるのでしょうか。頂上から降りられる道って結構あったよなあ。
とりあえず稜線が綺麗なのでそっち方向に少し歩いてGPSで位置を確かめることにしました。
昨日の今日なので少し賢くなってるんです(笑)
さっき見た稜線に旗が立っているのですが藪漕ぎしないと行けない模様。ただGPSで見ると直登ルートには乗っかってるので、この道をこのまま降りればよいようです。
頂上から5分も歩かずに森の中へ。結構滑ります。ぬかるんだ傾斜を、靴を横にして降りていきました。
傾斜が緩やかになるとなんだか見覚えのある風景に。
振り返ると最初の分岐点でした。
あの木の向こうから降りてきたんだなあ。
十種ヶ峰のハイキング完了です。
【真夏の怪談】十種ヶ峰からの帰り道
ところで、真夏の怪談。
十種ヶ峰からの帰り道、山ろく駐車場から車を出して舗装路を降り、ウッドパークを通り過ぎて、広い道まで出てきたところで気が付きました。
あ、これ国道315号だ。
国道315号線は、大学時代にお世話になった先輩が眠る徳佐のお寺さんに繋がる道です。
ああ、そういうことか。
毎年こうやって友人と先輩のご学友が集まって先輩を偲ぶ会をやってるわけですが、今年はコロナのせいで偲ぶ会も中止。
その偲ぶ会、今年は本当なら8月9日、今日やるはずでした。
朝急に十種ヶ峰に登ろうなんて思い立ったのは、先輩が寂しくて僕を徳佐まで呼んだってことなんだな。
なんだか合点がいって笑ってしまいました。
徳佐の交差点のセブンで天然水を買ってお寺に向かい、お墓に水をかけて線香代わりに煙草を置いておきました。
手を合わせてから、僕もお墓の前で一服。
そういや先輩も山好きだったよなあとか思いながら、家路につきました。
そんな寂しがらなくてもみんな覚えてるしさ。
またくるよ、先輩。
十種ヶ峰にもね。
今から7年前、山口・島根両県では「これまでに経験のないような大雨」が降って、徳佐も阿武川が氾濫したんです。川のそばの田んぼなんかえぐられたりしてね。
あそこから良く復旧したよなあ。米を出荷できるようになったんだなあと、ボランティアに行った僕としては感無量なのです。
で、お米を推薦してみたってわけ。
http://roadbeginner.blog6.fc2.com/blog-entry-328.html
ボランティアの様子はこちら。