熊毛の烏帽子岳で通行禁止の憂き目にあったので、急遽、周南アルプスを歩くことにしました。
周南アルプスは光市三井の虎ヶ岳から下松市の茶臼山までに連なる山々(虎ヶ岳-烏帽子岳-新山-葉山-茶臼山)の俗称で、連れの升井君は茶臼山はよく登るとのこと。
「縦走したことないんで虎ヶ岳から行っちゃいましょうよ」の言葉に乗っかり、車を端端に置いての縦走にチャレンジしたのですが、これが失敗の元。
もう、死ぬかと思ったよ。
周南アルプスの縦走準備
周南アルプスの端端に車を置くために2台で移動を開始しました。
茶臼山からの降り口は分かるとのことだったので、先ずは188号線沿いの東豊井登山口駐車場に車を1台置き、僕の車で光市に向かいます。
光駅近くから島田に向かう途中で「あの山全部歩くんすよ」と升井君が嬉しそうに言います。
そう。周南アルプスは一部では光アルプスとも呼ばれていまして、光市市街から下松方向を眺めるとちょうど街のバックボーンのように連山が見えるんです。こちらから見ると明らかに光市の山なので心情的には光アルプスの名を推してあげたいのですが、周南アルプスの名称の方が有名です。
更に可哀そうなのが下松市で、周南アルプスは烏帽子岳以降、ほとんど下松市と光市の境界歩きなんです。あれだけ下松市を歩くのに下松のくの字も出てこないなんてどうしたことでしょう。このあたりほのかに周南市の闇を感じさせますね。
島田から三井に入り山裾を走っているといくつか虎ヶ岳登山口の看板を見かけますが、なかなか車を停められそうな場所がありません。
そんな中、三井・定光寺ルートの看板を見つけました。
ルート名にもなっている定光寺さんにお邪魔して「虎ヶ岳から茶臼山を歩こうと思うのですが、駐車場をお借りできませんか」と伺ったところ、「墓の下の駐車場にどうぞ」と大変快いお返事をいただきました。定光寺さん、ありがとうございます。
周南アルプス縦走
定光寺の仏様へのご挨拶も終わり、いよいよ周南アルプスの縦走開始です。
虎ヶ岳へ
定光寺さんの駐車場から100mくらい舗装路を登って行くとキノコの栽培地があり、舗装路はそこで行き止まり。ここから左の山道に入っていきます。
山道はガレてて蜘蛛の巣がひどい。立ち枯れの木が行く手を阻むところがあります。ここ最近の雨で小石が流されたのか道が沢側に傾いてるところもあります。しょっぱなからなかなかハードです。
三井・定光寺ルートには一か所だけ分かりにくいところがありました。このルート、そもそもあまりリボンがないのですが、踏み跡を追いかけると沢から左に登って行くのが正しいように見えるところがありまして、そちらに進んで10分くらいロストしました。
正しい道を探しながら沢まで戻ってくると、なんと沢の向こうにリボンがポツンとあるじゃないですか。上の写真は沢を渡ってから振り返って撮ったので、こんなとこ間違えるわけないじゃんと言われそうですが、初めて行ったら10人中9人は間違えるはずです。
三井・定光寺ルートに入ってしばらくして沢から離れそうになったら、注意して沢の向こうを見ましょう。
沢を渡ると岩清水がありました。手拭いを濡らして顔を拭き再出発!なのですが、岩場を登った後の道がまたひどい。リボンが向こうに見えるんだけども、草で覆われて道が見えないよ。このルートはあまり人が通ってないのかもしれませんねえ。
ここまではガレ、沢、道なき道といった山際を歩いてきましたが、この先からいよいよ傾斜が上がり山登りといった感じになります。
空に光が差して来て尾根に到着しました。三井・定光寺ルートとの分岐に取り付けられた看板には「周防の森ロッジまで2,600m/定光寺まで1,000m」とありました。そう、後から知ったのですが、周南アルプスの縦走路で虎ヶ岳側の最端は周防の森ロッジだったんです。もうちょい走れば良かったのか。
で、尾根に出たんだからすぐに虎ヶ岳に着くだろうなんて軽く考えているとここから結構しごかれるんです。結構ヘトヘトになりながら、それでもそろそろ着くんだろうなんて甘く考えてると更に「山頂まであと10分」の看板が出てきて追い打ちをかけられます。チクショー!
そんなささくれ立った僕の心を癒してくれるのは極彩色のキノコです。登山口からここまでまったく景色のない虎ヶ岳ですが、沢山のキノコが目を楽しませてくれます。これなら少々遭難しても食べ物には困りそうにありませんね。笑って死んじゃうかもしれないけど。
そうこうしてる内に空が開けまして、なにやらポールが見えますので、きっとあれが虎ヶ岳山頂でしょう。ああ、思ったより遠かったな。
虎ヶ岳の山頂からは光市を流れる島田川の河口が正面に見えます。日本製鉄の煙突も見えるので、下松方向に流れた際に、この角度を覚えておくとどのくらい歩いたかが分かりそうです。
虎ヶ岳の山頂には周南アルプスのコース図の大看板がありました。僕らは今日、この図の真ん中の太線の9割を歩くようになります。だって一番左端に車停めちゃったからさ。もう行くしかないのよ。
このコース図には各登山口からのルート評価も載ってまして、大抵○か◎の高評価なのですが、僕らの登った三井・定光寺ルートは△だって。がちょーん。あまり良くない道をチョイスしちゃったのね。
でも大丈夫。俺は虎だ。虎になるのだ。
このあたりまではきついだのなんのと言いながら楽しく登って来たのですが、問題はこの先なんです。
なんですが、ちょっと長くなったので今日はここまで。
周南アルプス後半戦の記事はこちら