美祢市於福の雁飛山を歩いた後に、岩石を見ようと美祢市化石館にやってきました。ここ、めちゃめちゃ楽しいの。
実際のところ山口県で岩石おもしれー!化石サイコー!なんて言ってる人間は人口の2%にも満たないと思う*1のですが、美祢市化石館はとにかく楽しいから絶対に行くべきだとも思っています。
美祢市化石館がどんなに素晴らしいところか、サクッとご紹介します。
*1 山口県人口移動統計調査(令和3年12月1日現在) 美祢市22,597人/山口県全体1,325,240人から算出
美祢市化石館の入口には巨大なアンモナイトのレプリカが設置されてます。美祢市民の皆さんがどれだけ化石を愛しているか。これだけでもう期待に胸が膨らむじゃないですか。
ちなみに美祢市の夏祭りの名前はアンモナイト。盆踊りの輪だって延々巻いてるに違いありません。すごいぞ美祢市!
茶化してるけどマジリスペクトですから。
美祢市化石館 入館
入場料100円を払って入館します。100円で1時間は遊べちゃいます。コスパ最高なんです。
化石といえば最近は福井県が恐竜を推しまくってますが、山口県いやさ美祢市だって負けちゃーいません。
実際、カルスト台地(石灰岩)のおかげで骨が保護されて化石として残りやすいという特徴がありまして「世界的にも有名」と書いてあるのは嘘ではないのです。
近々で言うと平成30年に美祢市化石採集場から東アジア上部三畳系初のディキノドン類化石が産出しましてね。美祢市化石採集場は今も閉まったままなんですよ。
立石:どうすか。採集場はそろそろ開きそうですか。
職員:なんか調査が遅れてるみたいでねえ。
そっかー。化石採集してみたいんだけどなー。
立石:館内は写真OKっすか。
職員:どうぞどうぞ。2階から回ってください。
写真撮り放題なのが嬉しいです。
お薦めのルートは2階から。せきつい動物・アンモナイト・昆虫と巡って、1階に降りて大型化石・岩石コーナーへと行くのが定石なのですが、僕の場合はまず岩石から。さっき見てきた石が気になりますもん。
1階 岩石コーナー
ま、それだけじゃなくね、化石を最初に見ると圧倒されて岩石への興味が薄れるので、最初に岩石コーナーを見て回るのが良いんです。
壁一面に大きな絵が描かれていて造山や堆積などどういった現象からどんな岩ができてくるのか、実際の岩石をその場所に置いて一目で分かるようになっています。好き。
雁飛山で見た白い石はやっぱり大理石なのかなあとか興味津々で見ちゃいます。
美祢市の地図の上に現地で採取された岩石が張られています。面白い見せ方です。もっともっと大きくても良いのになあ。
地図から雁飛山を探してその近くの石を見るのですが、割れ目の青白い鉱物は見当たりません。あれはなんなん?
ここでは曲がる石とか光る石を見ることができます。光る石は最高ですよ。自然光だと普通の石にしか見えないのに、ブラックライトを当てると青や黄色、緑の中にピンクの粒が見えたりする石もあったりして。
ブラックライトが立ち上がるのに7秒くらいかかるんですが、切り替え切り替えで5回くらい箱を覗き込んじゃいました。
石を見て、おおー!とか叫んじゃう五十代です。傍目にはちょっとやばいっす。
2階 せきつい動物コーナー
2階に上がってせきつい動物コーナーへ。階段を上ってまず目につくのはナウマンゾウの化石。
ナウマンゾウは日本で最も多く発見されている化石で、美祢地域の石灰岩台地にある洞窟や割れ目の堆積土からもたくさん見つかっています。残念ながらこいつはレプリカですが、歯などの化石は展示されています。
虎だったかな。こいつもレプリカです。本物の骨はケースに入ってるので触ることはできませんが、小さい骨を見るくらいならレプリカのほうがそそります。
秋吉台で迷子になるなんての記事で「ドリーネに落ちたら、ナウマンゾウの横に僕の化石。秋吉台の大秘宝展とかに展示されちゃうの。やばいね。」と書いたのは、つまりこういうことです。
秋吉台を歩くならドリーネだけは気を付けましょう。
2階 アンモナイトコーナー
アンモナイトコーナーにはたくさんのアンモナイトがあったのですが、なぜかあまり写真を撮っていませんでした。
説明が付いていなかったので分かりませんが、このサイズを触らせてくれるということはないでしょうからたぶんレプリカですね。レプリカならいくら触っても良いだろうということで、めっちゃサスサスしました。
アンモナイトの化石が地史代別に分けてケースに収めらていました。時代を追って展示するために、美祢市や秋吉台で産出されたものばかりではなく世界各地からアンモナイトが集められています。
その他、変わったところでは巻き異常のアンモナイトの化石なども展示されています。
2階 昆虫コーナー
昆虫の化石は小さいので備え付けの虫眼鏡で覗き込みます。ここはもちろん触れませんよ。
機械の前の赤いボタンを押すと箱の中のランプが点く仕組みになっています。写真と同じような画が得られるまでずっと見てしまう。
そして一番興奮するのがこれ。
虫入りコハクって意外に安いのですが、なかなか生で見る機会はありませんね。これも虫眼鏡越しにのぞき込むことが出来るんです。虫入り琥珀なんて博物館にでも出かけない限りほとんどの人は一生生で見る機会はないでしょう。それが100円で見られるなんて、美祢市化石館すごくない?
説明をしっかり読まなかったのですが、多分、美祢産ではなくバルト海あたりのものだと思います。ちなみにアンバーだけなら山口県の海辺でも拾えます。いや拾えるらしいです。頑張ればですけど。
虫コーナーにはシダの化石もありました。さして珍しいものではないのでしょう。特に触っちゃダメと書いてなかったので、触りまくりんぐ。化石だよ!化石!中生代のシダに触れるなんて。
1階 大型化石コーナー
つぎは1階に降りて大型化石コーナーです。なんかでっかい化石が良いのかって感じでポーンと置いてあるんです。
「この石灰岩の中のアンモナイトは、約3億年前のものです。どこにアンモナイトがあるか探してみてください。」だって。いっぱいあるよ。
例えばこれ。
めっけたMyアンモナイト。すげえ。これ3億年前の化石なんだぜ。しかも触っちゃダメって書いてないし、周りに誰もいないし、指先でそーっと触っちゃったよ。3億年前のアンモナイトとリンケージ。E.T.Go home…ってか超感動。
これは触っちゃダメって書いてるんで触りません。少しでも触るとボロボロに崩れそうだしね。
シダ、イチョウ、ナギ、トクサなんかが一枚に見られる大型植物化石です。岩がでかすぎて遠いとこが見られないのがちょい残念。叶うことなら近くで見たいし、触りたい。
その他、フズリナの化石など、本当に手に届く範囲に置いてあるんだもん。
石の表面に米粒から小豆ぐらいの丸い形をしたものがたくさん見られます。これがフズリナの化石です。フズリナは、単細胞動物の有孔虫の仲間(以下略)
いや岩の表面見ただけじゃどれがフズリナか分からんよ。と思ったら
おお、この豆粒の一個一個がフズリナなのかー。
秋吉台の帰り水あたりを歩いてると、看板に「フズリナの化石が見られるよ」的なことが書いてあるのですが、写真も何も付いてないので、どれがそれやら分からなかったんですよね。この豆粒なら別に外で見んでもええわ。てか展示されてる原石見ても分からん位やし、自然環境下で見ても僕みたいな素人には絶対分らんもん。
ま、だからこそ博物館ってのは必要なんだよね。
美祢市化石館 まとめ
今回、雁飛山で見た岩が何なのかが気になって美祢市化石館に行ってきました。
美祢市化石館は、写真撮り放題、禁止されていない化石は触り放題、ここで見なきゃ一生見られないものだってあります。こんなにサービス満点で入場料が100円というとんでもないコスパ。これ2022年現在で考えられます?
僕は一人で一時間遊べたもんね。その間ずっとワクワクドキドキが止まらないの。マジでこんな良い博物館はないと思うよ。山口県に住んでて美祢市化石館に行ったことがないだなんて、人生の半分を捨ててるようなもん。
来週はみんな美祢市化石館にGO!だよー。