国道262号線で山口市から防府市へ向かっていると、勝坂から市街地の向こうに大きな山が見える。
実際のところそれほど大きくも高くもない山なんだけど、空と海の間にポツンとあるので大きく見えるんだろう。
皆が見知っているその山は向島の錦山といいます。9月23日秋分の日、錦山を歩いてきました。
防府市向島 錦山の入り方
向島(むこうしま)は、山口県防府市南部の瀬戸内海上に浮かぶ島で、中関水道を航行する船舶の妨げにならないよう可動橋の錦橋で本土とつながっています。
上は錦橋の手前から撮った写真だけど、この先には踏切のような警告灯とバーがあるんだよ。
錦橋を越えて向島に渡ったら直進。すぐに右手に「越苦難講和条約」と刻まれた石碑が見えてくる。近所のおばちゃんに聞いたところ錦山に登るのなら、この石碑の裏の駐車場に車を停めると良いよとのことでした。
ちなみに石碑に名の刻まれた御手洗鷹一氏は、昭和22年の第1回山口県議会議員で、向島小学校の設立に尽力された地元の名士であることが分かったけど、越苦難講和条約についてはよく分からず。
車を停めたら山のほうに歩いていきます。角を曲がると大きな鳥居が見えて、その分かれ道に「錦山頂上2.5km/立岩稲荷3.0km」の看板があります。
そうそう。そう言えばこんな感じだったなー。実は2012年に自転車で錦山を途中まで登ったことがあって、その時のことがなんとなーく思い出されました。
お狐さんがいるんだなということだけ頭において登山を開始します。
防府市向島の錦山ハイキング
向島は狸で有名な島なんだけど、今日はお狐さんに化かされたよ(笑) ちゃんと道を調べてから歩けって話なんだけど、キツネのせいにしちゃう。
鴨ヶ峠ため池まで
まずは中腹の鴨ヶ峠ため池までの道程。
前の写真にあった大きな鳥居をくぐって錦山ハイキングの開始です。
立岩稲荷さんがこの先にあるんだなってのが分かりますね。立石に山とか覚えやすい名前ですね。
以前に自転車で登ったことがあると書きましたが、向島はほぼ山頂まで舗装路が続いています。
斜度もそれほどなくホント散歩感覚で歩けます。
ん? さっそくお稲荷さんか?と思うと三岩稲荷神社様でした。立岩稲荷神社様との関係は分かりませんが、山にお邪魔するのでご挨拶はしておきました。
錦山はほとんど景色のない山ですが、ここから振り返ると木々の隙間から矢筈ヶ岳あたりが見えます。
三岩稲荷神社様から少し上ると石垣に階段がついていました。中宮があるのかな?とも思いましたが上がっても何もありません。
この階段はなんでしょう?
先に書きました通り、錦山はほとんど景色のない山なのですが、唯一ここだけ景色が開けています。
手前の川は中関水道、その向こうに倉庫群、手前の山はなんだろう、向こうにかすかに見えるのは火の山連峰ですね。
ずっとこのくらい開けてる道だと楽しいんだけどなあ。
いったん登りを終えて微妙な下りに入りました。左に高い石垣がありますが、道を作るときに整備したんですかねえ。すごいですねえ。
錦山の中腹には割と大きなため池(鴨ヶ峠ため池)がありまして、ここに「向島のタヌキの紹介」の看板がありましたので、書き写しておきます。
向島といえば狸です。山口市に住む僕でも知っています。
向島のタヌキの紹介
「狸にもすみよいところ蓬莱島」と川柳にもよまれた向島(一名蓬莱島)は、標高354mの錦山を中心に頂き、その大部分が常緑広葉樹林におおわれた周囲16㎞の島である。
大正15年自然環境の良さなどにより、当時減少の一途にあったタヌキの生息保護地として全国でただ一か所の指定地に選ばれている。
ま、今回タヌキとか一匹も見かけませんでしたけども。
お狐さんに化かされる
鴨ヶ峠ため池の看板の横には鳥居がありまして、これが曲者なんです。
これが立岩稲荷神社二ノ鳥居。正直、この先の道はあまり良くなさそうだけど、ため池の向こうに遊歩道らしきものも見えるんです。
ちょっと寄り道しちゃおうかなと思って入ってみました。
するとすぐに三ノ鳥居が現れました。道はよくないけど意外にお社は近いのかもって思うじゃないですか。
草をかき分けかき分け進んで、ため池から段々と離れていくと大層立派な道に出てきました。
あれ、これ、神社が出てこないってことはちょっと寄り道って感じじゃないなあ。
この舗装路は鴨ヶ峠ため池に繋がってそうだし、そのまま進むと島の裏側まで降りていきそうだぞ。
引き返すかーと舗装路をえっちらおっちら戻ってると分岐の立て札を発見しました。
YAMAPで今歩いた軌跡を見ると、鴨ヶ峠ため池を大きく一周していました。更にGoogle Mapsを見直すと、立岩稲荷神社を向島の裏側に見つけました。
あー俺、化かされてるわ。
二の鳥居、三の鳥居がすぐに現れたので、このため池近くに神社があるだろうとの錯覚。
一の鳥居の手前には「錦山頂上2.5km/立岩稲荷3.0km」との看板があったのでそれぞれが近いのかなという錯覚。
しかもこの分岐点から2㎞って歩く距離増えてるしwww 一の鳥居の前の3.0kmの看板はなんなんwww
ちなみにですが、入口から山頂までの距離も迷わず歩いて3.5kmくらいだったので、最初から化かされてますwww
旧NTT錦無線中継所まで
ちょっと寄り道しようと思った立岩稲荷神社様を諦めて、先の分岐を右へとり錦山の山頂を目指しました。
ずっと舗装路で景色もないので、ここいらあたりあまり感慨もなく、傾斜も緩やかなのでただただ歩いてきました。
そして角を曲がるとぱっと前が開け、なにやら大きな施設が現れます。
錦山は遠くからでも山の上に電波塔が見えますので何かの送信設備があるだろうなとは思っていました。
ここで舗装路が終わりますので、一般には錦山の山頂は何かの送信局/中継局となります。
NTT錦無線中継所の上にぷらざFMのシールが貼ってあって、悪戯かなと思ったら、旧NTT錦無線中継所、現ぷらざFM送信所でした。
錦山山頂へ
実は旧NTT錦無線中継所は錦山の山頂じゃないんだよね。
送信所の門の前に三六八○米の石碑を見つけまして、三角点っぽいんですがちょいと細すぎる。
いやーこれが三角点だったら俺明日でも富士山登れちゃうわーとか思いながらお茶休憩に入りました。
クルミ餅を食べながら錦山に三角点はないのかを調べてみると、どうやら錦山の山頂はここから少し離れたところにあるみたいです。
地図で方向を調べると山頂は登ってきた道の隣の林の奥みたい。よく見るとピンクのリボンもヒラヒラしてますね。
餅食って落ち着いたし今日は一人だしなあ。また化かされると面倒だし、あんまり山道にも入りたくないなあと思ったのですが、大した距離でもなさそうなので行ってみることにしました。
そこら辺の小枝を拾って、魔法の杖を作って、クモ対策も万全。
よっしゃレッツラゴー。
思った通り蜘蛛の巣はバリバリでしたが足元はよく、あっという間に錦山山頂に到着しました。
中継局の周りは林だったので、山頂には景色を期待したのですが、やっぱ何も見えません。
結構、寂しいです。咳をしても一人。あと狸と狐。
えーっと三角点の横に見える白いやつに宗教的な何かを感じてビビりますが、多分ガイシです。
向島は島だけに見通しが良かったんでしょうね。ご立派の二等三角点を頂いていました。瀬戸内の二等三角点の一つですね。
基準点名は向島。分かりやすっ!
下りの道からおまけ
海側から防府の山を一気に見る機会ってなかなかないですよねー。
右から矢筈が見えそうで見えない感じ。尖がってるのが右田ならその隣は西目、ちょいとおいて楞厳寺かな。
動いてるところは見たことないけど、中央が支点となって回転する旋回橋だそうです。かなり珍しいんじゃないの?
それじゃ、また来週。
【追記】大平山登山時の駐車場について教えてください
本当はこの日、大平山を登ろうと思って防府に来たんです。
琴音の滝(富海)側からあがろうと思ったんだけど車を止めるところがなくてさあ。山口県お薦めの散歩コースを見ると富海公民館にPマークが付いてるんだけど、土日祝日は閉まってるみたいなんだよね。
近所のおばちゃんに聞いたら「山の方の道路脇に適当に停めれば良いよ」って言われたんだけど、いやいやそういうわけにもいかないでしょ。それで諦めて、今日は向島探検にしたんだけどね。
誰か琴音の滝側の駐車場を知ってたら教えて下さい。よろしくお願いします。