山口市から美祢を抜けて特牛に至る国道435号線を走っていると、豊田町の手前あたりからやたらと石柱渓推しの看板が出てきます。
このあたりは山口県でも奥深くなかなか行く機会がありませんでしたが、今回、縁あって近くまで行ったのでついでに渓谷の紅葉でも眺めるかと観光気分で行ってみることにしました。
名称天然記念物 石柱渓
前記事の石屋形羅漢山摩崖仏を小一時間で見終えたので、ちょっと紅葉でも見ようかと名勝天然記念物「石柱渓」にやってきました。
今回、石屋形羅漢山近くの道をそのまま山に入り県道267号(中ノ川於福線)経由で石柱渓にやってきましたが、県道267号線は昼なお暗く行き違いも難しい道のため、普通車の皆さんにはお薦めしません。
僕が思うに石柱渓へのベストルートは、国道435号線をひた走り、豊田湖方向へ県道34号(風波のクロスロード)を進み、「石柱渓3㎞」の小看板を見て38号(美祢油谷線)へ曲がり、そのまま268号(豊田三隅線)に直進です。これであれば明るく広い道のまま写真の看板の看板にたどり着けると思います。
なお、石柱渓の駐車場は写真の看板から10m奥の右手にちゃんと用意されています。僕が訪れた日も結構な車が268沿いに停まっていましたが、くそ邪魔なのでちゃんと駐車場に停めるようにしましょうね。
僕が訪れたのは11月15日ですが、まだ紅葉には早かったのか石柱渓に入る手前の沢にかかる紅葉が最も赤く映えていました。
ところで、先ほどの看板から右下に降りていく道があります。
道を降りてすぐには、水洗トイレも用意されています。石柱渓は行って帰ってそこそこの距離を歩くのでここで体調を整えると良いですね。
県内の方向けには、石柱渓ってのはハードな長門峡というイメージを持ってもらえれば大体近いのではないかと思います。渓谷の横に道はありますが、アップダウンがあるのと、歩道も良くはありません。
入渓してすぐに看板が2・3枚ありましたが、ネットのWikipediaの説明が最もわかりやすかったので、県外の方向けにはこれを掲載しておきます。
石柱渓は山口県下関市豊田町に位置する渓谷である。木屋川水系白根川支流の大州田川にある渓谷で、全長2キロメートル。白亜紀末期の石英斑岩を浸食し、不等辺の四角形 – 六角形の柱状節理が見られ、奇観を見せることから国の名勝及び天然記念物に指定されている。また、この節理が名の由来に基づく。また、小規模の瀑布が多い。
石柱渓のWikipedia
へー、石柱渓って国の名勝に選ばれてるんですね。
調べてみると、山口県における国指定の名勝はこの他に、錦帯橋(岩国市)、須佐湾(萩市)、毛利氏庭園(防府市)、常栄寺庭園・常徳寺庭園・長門峡(山口市)、宗隣寺庭園(宇部市)、俵島・青海島・龍宮の潮吹(長門市)、狗留孫山(下関市)がありました。
なるほど、やっぱり石柱渓以外はほぼ行った記憶があります。
石柱渓 入渓
ここから先は言葉よりも絵の綺麗さだと思いますので、簡単な解説のみで。
右下に沢があるのですがしばらくは森の中を歩きました。
初地の滝、想思の滝は最初の2つです。
どの滝か分かんないと書いたように、15~16の小規模の瀑布が続きますので、後から写真を見ても判別が付きませんでした。
石英斑岩を浸食した不等辺の四角形-六角形の柱状節理は、渓谷だけでなく道の脇にもありました。
昔は谷全体に水が流れていたのかもしれません。でなければこんなクリプトナイトはできないですよね。
【要約】 武士と町娘がトラブるがあまりにも美人過ぎて切り捨てることができず、結果的に恋に落ちる。身分の違いから互いに添うことは許されず、娘は滝に身を投げ、男もそれを知って滝に身を投げるという、古今東西間違いのない王道パターンです。
おしどり観音から奥はアップダウンが始まります。見下ろす渓谷には紅葉らしき紅い葉っぱがありました。
おしどり観音を越えてから先、1か所だけ階段が鳴いているところがありました。手すりの鉄でコンクリがギリ支えられている感じだったので、早めの補修を期待します。
さて、登っていると滝が見えますので上流ばかり気になりますが、渓谷は下流方向が美しい。
渓谷沿いはまだまだ緑でしたが、上流から流れてきた紅い葉っぱが溜まっていました。
不等辺の四角形-六角形の柱状節理が最も分かりやすかったのがここでした。
自然の力はすごいですね。
閑山の滝は全面開けていて良い感じ。ここには休憩所も用意されているので椅子に座ってタバコを一服しました。
( ´Д`)y━~~ ぷはー
そう言えば、おしどりの滝より先に行くとスズメバチの巣があるとか書いてあったような気がするなあ。あと、閑山の滝の手前は、獣のうんこ臭いところが2か所あったなあ。
( ´Д`)y━~~ んー、このあたりにしとくか
上まで行かずに戻ることにしました。
名勝天然記念物「石柱渓」で地元のおじちゃんに助けられた話
石柱渓は名勝の名の通り素晴らしいところでしたが、それよりも今回、僕から皆さんにお伝えしたいことがあるんです。
僕、最初に書いたように、昼なお暗い県道267号線を通って石柱渓に来たもんで、ライトを消し忘れてたんですね。
で、駐車場に戻る途中に電気柵を設置してたおじちゃんたちに「こんちわー」とか声かけたんですが、僕が車に近づいてると
「おい、それ、お前のか?」
「それライト着いちょったぞ」
「かかるか?」
「わしのバッテリーコード取ってきちゃろか」
と先ほどの電柵のおじちゃんたちが寄ってきてくださいました。
僕の車は完全にバッテリー上がりで、ドアも予備キーでないと開かない始末。当然、エンジンなんかかかるはずもありません。
割と山の中でホント途方に暮れるところでしたが、おじちゃんたちのバッテリーと好意にお世話になり、無事に家に帰ることが出来ました。
なにかお礼をと思ったのですが、「気にせんでええ」とお名前を教えていただけなかったので、代わりにここに記し、全国に山口県下関市の豊田人の気質を広め、感謝の意に代えさせていただきたいと思います。
2020年11月15日に石柱渓の駐車場の前で電気柵を設置されていた豊田のおじちゃんたち、本当にありがとうございました。