前記事では、家から修禅寺本堂までの記事を書いた。山門では仁王様の鋭い眼光に心を射抜かれ、本堂では見事な彫刻に圧倒された。山深い寺への参拝は実に凛とした気分にさせてくれる。
その真言宗醍醐派別格本山 狗留孫山修禅寺さんには奥の院があるという。
行ってみるしかあるまい。
本堂手前から奥の院へ
本堂でお参りを済ませ、山門を降りて、六地蔵様まで戻ってくると、左手に奥の院への看板が出ている。
お地蔵さんの前を通りこの道を入っていく。
先ほどの分岐は、お寺の下を回り込んで本堂の裏手に出るような道で、最初にこの大岩を眺めることになる。
空海が筑前箱崎から霊光を見たという岩は山門右手奥にあったので、この岩ではないと思うが、この岩もなかなかどうして信仰の対象になりそうな奇岩だ。
本堂の裏から進むと、狗留孫山と奥の院の分岐点へはすぐに到着する。
「頂上からの下山は通常の登山道をご利用ください」とある。これについては別記事にて後述する。
奥に見えるのが三社様(秋葉大権現・妙見大菩薩・金毘羅大権現)で、道標通りに進めば三社様をお参りした後にこの場所に降りてくる。
この先、奥の院へと続く一本道には88体のお地蔵さまが置かれている。
第1番 霊山寺となっているので四国八十八か所と同じ並びになっているのだろう。
今年歩いたところでは、周南市の観音岳にも四国八十八か所が勧請されていた。
観音岳では一体一体にお参りさせていただいたが、今日はあまり時間もなく、奥の院を見た後は狗留孫山にも登りたいため、失礼ながら帽子を取って頭を下げるだけで前を歩かせていただいた。
八十八か所が終わると奥の院への道標が出てきた。
上下とも/どちらからでもと書かれているとおり、上の道を通っても下の道を通っても奥の院にたどり着く。
距離も傾斜もさほど差はない。今回は上の道から行ってみた。
狗留孫山修禅寺 奥の院が見えてきた。
え、こんな山奥になんて立派なものが!というのが第一印象だ。
看板を書き写しておこう。
奥の院 聖観音堂
別格本山 狗留孫山修禅寺
奥の院は当山の修行場として様々な故事来歴を残している。
中でも「摩訶不思議霊石」(後の奇岩)下部より湧出した霊水によって、後醍醐天皇の御病悩が平癒されたことは広く知られている。
御本尊は行基菩薩の御作と伝えられる聖観世観音菩薩(立像)である。
古来より秘仏で二十五年に一度御開帳されてきた。
ところが、明治の末盗難に遭われるが、霊験によって昭和6年10月17日、無事この地にお帰りになられた。
以来、毎年この日に御開扉法会を厳修している。
また、豊北町に注ぐ清流栗野川はここ奥の院を源流としている。
御真言 おん・あろりきゃ・そわか
御開扉法会 十月十七日
奥の院の裏に回ってみると、看板に書かれている奇岩があった。
お堂の屋根くらいまであるだろうか。でかい。どうやって直立してるのかよくわからない岩だ。確かに奇岩と感じる。
帰りは下の道を通ろうと、奥の院の下に降りると滝(お滝場)があった。その滝の奥にはお不動さんが控えていた。
お不動さん怖いんだよ。
「煩悩から抜け出せない人を縛り吊り上げてでも救い出す」という、本来、僕のような俗物は近づいてはいけない方だ。
手を合わせ、重々失礼を詫びてから写真を取らせていただいた。
今のところ縛り上げられていないので、お許しいただけてるんだと思う。
滝の手前、奥の院の下からの写真を撮ってみた。
これ、山口県の清水の舞台と言っても良いのではないかと思う。
ほんと、こんな山奥によく作ったもんだ。
よし、狗留孫山修禅寺本堂、奥の院と回ったので、次は狗留孫山に登ろう。