鬼伝説と鬼小屋の2つのロマンを持つ山、下関市の鬼ヶ城(おにがじょう)を登ってきました。
ついでに鬼も一匹、二匹捕まえてきました。
鬼ヶ城までの道のり
ナビに従っていけば鬼ヶ城の登山道入口に到着するのですが、イメージがわくようにざっと簡単な行程を記しておきます。
オービジョンスタジアム下関(下関球場)を約100m過ぎたローソンのある交差点を深坂自然の森方面に曲がります。
まがった先が244号線(下関川棚線)で、これをひた走ることになります。
途中、深坂自然の森に繋がるT字路がありますが無視して直進。これを曲がると竜王山に行ってしまいますからね。
大きな坂の上り下りが続いた後、下りのカーブの手前右手に上記の「鬼ヶ城 登山道入口」の看板が見つかります。
先ほどの看板から入ると、車一台分の一本道が続き、突き当りが駐車場になっていました。
駐車場には15台程度駐車可能な感じ。僕はこの日、9時30分頃に到着したのですが、駐車場には既に6台の車が停めてありました。
鬼ヶ城は駐車場にも山道にもトイレがなかったので、オービジョンスタジアム近くのセブンかローソンでお借りしておくとよいと思います。
鬼ヶ城、鬼伝説と鬼小屋の2つのロマン
さて、鬼ヶ城には2つのロマンがありまして、登ってみたいなあと思っていたのです。
そのロマンとは!駐車場の看板に記してあった内容をそのまま転載させていただきます。
鬼ヶ城(619.6m)鬼伝説と長門の城360°のパノラマ
その昔、絶世の美女をのぞき見して、目を弓で射られてしまい、鬼ヶ城山中にて絶命したという鬼の伝説が黒い地区には残っています。
また山の標高300m付近に石塁が発見され、日本書紀に記されている「長門の城」ではなかろうかといわれているロマンの山です。
お城もまあまあ好きなのですが、石垣だけだと見てもあまりピンッとこない。それよりも鬼ですよ、鬼。鬼の伝説がある山なんてワクワクするじゃないですか。
のぞき見とはちょっと情けない鬼ですが(笑)
鬼小屋 平成2年(1990年)4月25日落成(平成17年建て替え)
「鬼ヶ城に山小屋をつくる会」が計画し、山小屋の材料を地元小中高校生をはじめ、山を愛する一般の方々の手により運び上げ、延べ1500人の協力により、約1年半をかけて完成させたものです。
そして鬼小屋。中島さんの山口百名山で、地元の子が遊びで小屋を作ったのがきっかけと読んだ記憶があって、そこにロマンを感じていたのですが、建て替えちゃったのかあ。
でも小中高校生を含む一般の方々で材料を運び上げたってところに地元愛を感じます。これもロマン。
楽しみに登ることにしましょう。
鬼ヶ城 登山
9:35 駐車場の看板横から入山。
早速二股に分かれているのですが左側へ。右の登りは民家かなにかに続く道のようです。
鬼ヶ城登山口の看板です。豊浦町鬼小屋の会の皆さんが、登山道や道標を整備していらっしゃるようで、このようにたくさんの可愛い鬼の絵に出会えます。まずは1匹目。
鬼ヶ城の取りつきはこぶし大の石がゴロゴロころがりガレていました。
この道の左下には沢が流れているのですが、全体に谷あいの地形のため、大雨のときには登山道にも斜面から水が落ちてくるのだと思われます。がれの原因は多分それです。
取りつきはかなり緩やかな登りで、その間に沢を越え、左にあった沢は右へ。そしてこのあたりで沢と別れていよいよ山道に入っていきました。
鬼小屋につくまでに唯一の鬼付き看板。2匹目ゲット。
写真は撮ったものの、この時、看板の文字をしっかりと見てなかったもので「へー。あと870mしかないんだ。近いなあ。」とか思っちゃいました。
書いてある文字の正解は1,870m。そりゃそうです。登山口から頂上まで2kmでまだほとんど歩いてなかったんですもん。
でもこういう勘違いって後々効いてくるんですよね。おい、いつになったら着くんだよって(笑)
鬼ヶ城の尾根の写真です。
こちらに限らず鬼ヶ城の登山道はよくよく踏み固められていて、狭いところで1.5人分の幅、ここなんかは二人分の幅がありました。これだけ道がはっきりしていると迷いようがありません。
それにしても不思議な山で、下草が生えていません。横から張り出した木もない。草も木もまとわりつかないので、蛇を気にしないで済みます。これは快適。
また道の周りには木が生えているにも関わらず、陽の入りが良いのも不思議です。枝を掃っていらっしゃるのでしょうか。足元には落ち葉がありますが、湿っていないので蚊も少ないのです。これも快適。
鬼小屋の会の皆さんの整備のたまものでしょうか。また歩きたくなる気持ちの良い山です。
山腹を回るところでキノコを発見。この場所にはたくさんのキノコがあったので、明るいコースの中で唯一、日陰が続くところなのでしょう。
おや、これまで以上に陽の光が入り始めました。稜線に出たかな?
稜線には鬼ヶ城縦走路の看板がありました。現在地は黄色い丸。今日はとにかく鬼狙いですので、右に向かって鬼小屋、鬼ヶ城へと進みます。鬼ヶ城までは25分とのこと。
分岐点から鬼ヶ城への稜線を撮影。なんて美しい、なんて整備された道なんでしょう。
この日の風は登山道の反対側から来ていたようで、稜線に出ると涼しい風が下から吹き上げてきました。
こういう稜線を歩くために山に来てるようなものです。快適、快適。
鬼ヶ城の鬼小屋
分岐点から7分、風に吹かれながら散歩気分で歩いておりましたら鬼小屋を発見しました。
めちゃめちゃ立派な小屋です。この小屋の材料を地元の方々の人力で持ち上げたんだって!? すんごいね。
鍵がかかっていないようなので、閂をぬいて中を拝見しました。
壁にかかっている鬼の面。鬼小屋という名前に相応しいです。
そして、鬼小屋の建設に協力された方々のお名前も記してありました。
記録にも記憶にも残る事業であったことでしょう。
山の中に小屋を建てるってのはロマンがあるよねえ。参加された方がうらやましい。
現鬼小屋の扉から外を見てみると、目の前に四角形に木の朽ちた跡がありました。
もしかして、以前の鬼小屋の跡なのかもしれませんね。
鬼小屋の外に出て外観を見回すと、鬼の道標が掛かっていました。
頂上まで360mだそうです。今度は数字を見間違えませんよ。
鬼ヶ城の頂上へ
鬼小屋に別れを告げ、鬼ヶ城の頂上へ最後の登りと参りましょう。
多くのブログなどで書かれている通り、鬼ヶ城の頂上へはちょっときつい直登があります。
でもロープが張ってあるから大丈夫。足元を確認しつつ、ロープと木で体を支えて登っていけば問題ありません。
ロープ場が終わるとちょっとした岩場を越えて
おや?傾斜が緩やかで空が開けてきました。これ、僕の好きな風景です。
森の向こうに空だ!
鬼ヶ城の頂上
鬼ヶ城(619.6m)の山頂は草っぱらでした。
周りの木が邪魔をして完全な360度の眺望とはまいりませんが、近くに竜王山が見えたり、眼下に川棚温泉が見えたり、はるか向こうには満珠島・干珠島がチラリと見えたりします。
あ、あとお墓かなーと思ってなんだか怖くて写真には残しませんでしたが、大竜王の石碑もあります。
あー風が気持ちいい。
薄曇りからたまに陽の覗く草原でおやつをいただくことにしましょう。今日も安定のマカダミアクッキーです。
スポーツドリンクとは別に、氷で冷やしたブラックコーヒーを持って上がりましたので、そいつでクッキーの甘味を胃に流し込みます。
冷たいコーヒーが喉を通り過ぎる幸せ。
あー。たまらん。
鬼ヶ城 下山
今回はシンプルにピストンで。稜線伝いに狩音山への縦走というのも考えていたんですが、スポドリの採りすぎでちょっとお腹が緩かったもんで諦めたんです。テヘヘ
登り口近くの沢の水の音を聞くとなんだか安心。体が熱せられていたので、沢で頭から水をかぶりました。
生き返るなあ。
無事に帰ってきたなあ。
幸せだなあ。
あ、そうそう。下りで鬼ヶ城の鬼を一匹捕まえておきました。最後にご笑納ください。
というわけで今日のルートです。
おやおや、ルートにも一本角の鬼が一匹(笑)
使ってよかった今日のお薦め
夏登山には日本手拭いがお薦めです。持っても軽いし肌触りもさらっとしてて気持ちがいい。普通にハンケチ代わりに使うのも洒落てるかもしれません。ランニングなんかにも良いんじゃないですかね?
えーっと皆さんアフィリエイト広告はお嫌いだと思いますが、この時期に日本手拭いがちょうどいいと思ったことを残しておきたいので、このままにいたします。ご了承ください。
夏の登山はひたすら汗が流れ出ます。腕なんかまさに玉のような汗でね、ピッピッと反対の手で汗を弾きながら登っていくような感じになります。でも山頂に立てば、すべて忘れる爽快感!やっぱ山は最高です。
実は今回、タオルをやめて手ぬぐいを持って行ったのですがこれがなかなか良かったです。
まず軽い。そして首に巻いても暑苦しくない。汗を拭いた後もべとつかない。沢で洗ってもあっという間に乾いてくれる。農家さんなんかも使ってるわけで、これは本物だなということで皆さんにもおすすめした次第です。
ちなみに日本手ぬぐいは端を切りっぱなしなのが普通です。僕は昔、剣道で手ぬぐいを使っていましたが、端が切りっぱなしでも特にほつれることはありませんでした。こういうの検索のときに気にする人がいるかもしれないので、豆知識として置いておきますね。
そんじゃまた。
なぜか今、下関の鬼ヶ城が大人気。ランキングに上がってきたので記事を見直してたら、山頂に羅針盤!なんて書いてたので修正しました。ちゃんと校正しないとダメですね。
✖羅針盤→〇方位盤
それにしてもどうして鬼ヶ城だけ大人気になってるんだろう?