11月28日、日本精蝋の大煙突を登れなかった時のプランBとして用意しておいた太華山を登ってきました。
県東部の方にはおなじみ、徳山湾と笠戸湾を遮る大島半島の根元に位置する太華山は、山口県百名山の一座で標高は362mです。
今回のハイキングは適当なコース取りで約9kmの行程。徳山総合支援学校から入ろうと考えていたのですが、粭島側から入ったので思ったより歩いちゃいました。
太華山庄ノ浦コース
大島半島の先端にある粭島から戻る途中に、庄ノ浦コースの入口を見つけちゃったんですよ。
庄ノ浦コースの入り方
県道170号線は、徳山ボート近くの交差点から粭島に向かう標識に従えばほぼ一本道。大島半島の東側を走る道です。
太華山登山口の看板はこの170号線沿い、日本精蝋の工場に差しかかる少し手前、本土側から向かうと右手にあります。
太華山登山口の看板に従って右に600mほど山を登ると太華山庄ノ浦コースの入口があります。
車を停めるなら庄ノ浦コースの入口手前、左手に待避所があります。待避所には車を4台程度、庄ノ浦コース入口にも2台程度はおけるでしょう。また少し離れますが、車道を更に進むと広い展望所もあります。
それじゃさっそく、庄ノ浦コースに入りましょう。
庄ノ浦コース
太華山は瀬戸内海国立公園第2種特別地域にあり、ハイキングコースはよく整備されています。
ご覧の様に道は良く、少し進むと畑の横を歩くようになります。
畑のあたりは景色が開けていて、振り返ると青空の向こうに先ほどの日本精蝋の大煙突が見えました。
それにしてもなんだか足が重たい。この時点ではまだ心拍が上がっていないこともありますが、太華山はたかだか362mと舐め切ってるところに、まあまあの坂が続くもんですから。
どこから続いているのか分かりませんが三叉路に出てきました。
Instagramじゃ冬山の便りが届き始めてますが、山口県のこの日の気温は0-15℃。登ってると暑いので升井君はここで上着を脱いでました。
僕も極暖のアンダーに山用のアンダーを着込んでパーカーにヤッケと着過ぎていたので、極暖とヤッケを脱いで薄着で行くことにしました。
この三叉路までの登りを終えると、しばらくはゆるゆるの横移動になります。
ゆるゆるの横移動中に獅子岩と書かれた看板を発見しました。陽が差し込んで気持ちよさそう。行ってみましょう。
2,3の岩を飛び越えて斜面に出ると眼前に笠戸湾が現れました。まるで神話に出てくるような景色。
眼下は今歩いている大島半島、正面やや遠くにかすんで見えるのは笠戸島。右にはっきり見えるのも大島半島の回り込みの部分です。
庄ノ浦コース、ここまでは整備されていながらも自然を生かした道でしたが、ここにきて階段が登場しました。
とは言え無味乾燥なコンクリートではなく、自然石で作ってありますのでまだまだ趣があります。下りはね。
当たり前ですが、今日目指す太華山はまだまだ向こう下れば登るで登りの方が長いってわけ。
段の高さまで足を上げないといけないから、登りの階段って嫌なんだよなあ。
少し見通しの良いところに出てきました。遥か向こうに電波塔が見えるのであれが太華山ですね。直線で3kmくらいあるでしょうか?
最初に書いたように今日は徳山総合支援学校から短い距離を歩こうと思っていたので、食べ物を持ってきていません。
秋なので水分はコーヒー1本で足りますが、お腹が減るかもなあ。まずいなー。
「大丈夫っす。玄米ブランがあります。」と升井君におちょくられながら先へと進みますと、岩が突出した見晴らし場に到着。
ここまでの庄ノ浦コースは徳山湾側にはほとんど景色が見られなかったのですが、ここは岩に登ると徳山の街が見えました。
この山をいったん下ります。
山を下った鞍部が四差路になっていました。
今僕らがやってきたのが庄ノ浦で、まっすぐ進めば太華山。右へ曲がれば下松側の大楠、左へ行けば徳山側の奈切にでられるようです。奈切は出光興産の石油コンビナートのどこかに出るんじゃないかな。たぶんだけど。
僕らはもちろん太華山へ。
階段を上って少し行ったところで牧ヶ岳を発見。ちゃんと石で作った四等三角点がありました。今日はこのコースを歩くつもりがなかったので家に帰ってから調べたのですが、牧ヶ岳の四等三角点の基準点名は羽釜段だそうです。なんだかご飯が美味しく炊けそうな名前です。
ちなみにここに至るコース途中にも、水谷山(281.0m)という四等三角点があったらしいのですが今回見逃しました。四等だと2km程度離れているはずですから、登り始めてすぐくらいのところにあったはずなんですがどこだったんだろう?
牧ヶ岳から先は下り基調で、舗装路へと出てきました。
太華山は車で登ることができます。升井君曰く「山頂からは徳山の夜景が綺麗」とのことです。誰と来たのかは聞きませんでしたが。
その車道が山頂付近でくねくねと巻き道を作っていまして、登山道は巻き道をショートカットするように直登するようになります。
階段です。最後の最後にこれはきついわ。
太華山山頂付近
太華山は徳山湾と笠戸湾を遮る大島半島の根元にあります。山頂からは徳山側がよく見えますし、少し奥には下松側が見える展望台があります。
下松側が見える展望台
登山道を上がってくると下松側の展望台がある広場に出てきます。広場には展望台、瀬戸内海国立公園太華山展望図、佐藤栄作先生の歌碑などがあります。
今回、太華山を登って良かったなと思うのは中国電力の白い煙突を確認できたことです。
岩国の玖珂から柳井にかけての山、例えば蓮華山、高照寺山、氷室岳、石城山、銭壺山に登って瀬戸内方向を眺めると、一箇所だけ街から海までの景色がつながって見渡せるところがあるんです。たまたま山の端が重なってるんだと思うんですけどね。
で、その街の景色の中に白い鉄塔があるんです。鉄塔の後ろには山。方向的には下松市か周南市で間違いないのですが、白い鉄塔なんてどこかに建ってたっけ?と。それが今回分かりました。
北東方向の山から見える白い鉄塔は、下松健康パークの川向こうにある中国電力の煙突。ちなみに鉄塔向こうに見えた山は、今日僕らが登っている太華山だったということになります。
ああ、スッキリしたー。
太華山山頂
下松市の景色を堪能した後、電波塔の横を通って太華山の山頂へと向かいました。
太華山の二等三角点、基準点名は大島です。大島って地区名だからね、これは納得。ちなみに冠字はお馴染みの高二さんです。
四等三角点のあった牧ヶ岳からは感覚的に2kmも離れていないと思いますが、まあ四等は1~2km間隔とあまりあてにならないようので気にしなくていいのかな。
最近、よく島に行くので周南市の島を撮ってみました。写真の右端に切れているのが蛇島で、真ん中あたりまで伸びてる山のある島が黒髪島。黒髪島は裏斜面が削られてるので、周南・防府方向の山から見ると分かりやすいです。その向こうに低山が連なるのが、回天基地で有名な大津島(馬島は地名かと思ってたのですが別の島?)。その横が洲島です。
朝一で粭島の西端から洲島・大津島を眺めたのですが、見る角度が違うとまた新しい気持ちで眺めることができますね。先の白い鉄塔もそうですが、ハイキングは位置当てゲームみたいなところがあって、地名や景色の特徴を覚えておいて後からアレはコレ、コレはソレとつなげていくのが楽しいなと思っています。
太華山大楠コース
下りは同じ道を戻ってもつまらないので、途中の四差路から大楠に降りてみました。
大島半島の下松側に降りることは明らかなので、途中、直滑降で道なき道を進んでみましたら、沢の近くで迷子になってしまいました。まあ、なんとかなるか。
沢の近くから薄い踏み跡をたどってルートらしき道に復帰。里まで降りてきたのですが、看板も出てない登り口なのでたぶん正規のルートではなかったのでしょうね。
升井君は、降りたからセーフとか言ってます。うん。セーフ、セーフ。
舗装路をしばらく歩き県道170号線まで出てきますと大楠のバス停がありました。当たらずも遠からずだったってことかな。
それじゃ、また。
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追記 大島半島西側(徳山側)の道について
Google Mapsを見ると、県道170号線以外にも徳山側から粭島に行ける道があるように見えます。
たしかにマリーナ&レストランSeahorseを越えた先から左に入っていく道があり、通り抜けもできるのですが、この道は出光興産石油コンビナートの消火設備の点検のためにあるようなもので、幅が狭いので普通車で入るとボディに傷がついて悲しい思いをします。
ただ、この道を通り抜けた先が太華山庄ノ浦コースの入口につながりますので、ボディの傷なんかへっちゃらだぜー!って方はこちらの道も是非トライしてみてください。
軽なら大丈夫です。たぶん。木が倒れていなければ。