年末ということで過去ログをいくつか。秋口から続いた一連の島歩きですが、それは升井君の一言から始まったのでした。
升井「島行きましょうよ、島」
立石「島どこ?」
升井「大津島」
立石「長嶋さんのサインがあったね」
升井「うーん、どうでしょうw」
11月7日、大津島に行ってきました。
09:30 徳山港を出航
大津島縦走は升井君Presentsなので計画は全てお任せ。9:30の船で徳山港を出航しました。
大津島巡行乗船場は徳山駅の海側。9:15頃に有料駐車場に車を停めて切符を購入。往復1,440円也。
一番メジャーな馬島港に到着しましたが「ここは降りませんよ」と升井君。え、どういうこと?
説明のために「みつけて周南」の大津島マップをお借りします。
今日は大津島の北にある瀬戸浜港から南の馬島港に向けて歩く計画。なので馬島港→刈尾港→瀬戸浜港と回る9:30の船をチョイスしたとのこと。
升井「帰りは14:00の馬島港出発です」
立石「ふむふむ」
升井「4時間あるんで楽勝っす」
さすが升井君、ちゃんとしてるねえ。
馬島港に着くと2階デッキは全員下船してガラガラに。残ったのは僕らと1階の釣り親父さん達だけになりました。
そういや徳山港で切符を買う時に、升井君が瀬戸浜港までというと「地元の人?」と聞き返されてました。
観光の方は回天記念館のある馬島港でほとんど降りるってことのようです。
刈尾港、瀬戸浜港ときて、10:00に大津島に上陸しました。
徳山港から30分。黒髪島を間近に見たり、粭島に大煙突を見つけたり楽しい航海でした。
大津島 瀬戸浜あたり
船を降りると大津島案内マップがありました。
このマップ、周南市側を下にして横向きになってますが、立ち位置と同じ関係(ヘディングアップ)なので位置関係は分かりやすいのです。
瀬戸浜が右で馬島港が左。この間、車道を歩くと5.4㎞なので1時間ちょいで行けちゃいそう。
立石「瀬戸浜の端の鉄塔見に行こうよ」
升井「余裕っす」
船から見えた謎の赤白鉄塔が気になったので右に進みました。
海岸沿いを歩いているときに謎の構造物を見つけました。
升井「なんすかね、あれ」
立石「あれはもともと目のマークがついててさ」
升井「はい」
立石「俺たち友愛されるんじゃない?」
升井「ともだち…」
立石「しっ!」
これは航路標識の一つ、接岸のために陸上に設けられたもので導標(リーディングマーク)というようです。
失礼、NTTの設置で陸票と書いてあったので海底ケーブル陸揚標識ですね。たぶん。
別のルート案内図を発見しました。鉄塔の方向から外れますが、ガマの群生地および厳島神社参道って面白そうじゃないですか。
これ行きましょう。時間はたっぷりあるので迷い道くねくねです。
「大阪城築城にあたり重たい石を切り出していたが名工三太郎は扇で仰ぐだけでその石をイカダに乗せた」という云われのある三太郎祠。
すげーな三太郎!いやそれよりも大阪城の築城に大津島から石を持って行ってた事実のほうが驚くわ。
なんでもない道の途中に彫刻が置いてありました。とりあえず一緒に笑っとこ。
ガマの群生地っぽいところを歩いていると「めだかの学校」の看板を発見しました。ありゃなんだ。
あ、ビュースポットの看板もある。行ってみましょう。
ビュースポットは厳島神社参道でした。小川の真ん中に石畳が続いてて素敵じゃん。
参拝しよ、参拝しよと、一時的に鉄塔のことは忘れてます。
参道は森へと続き、石畳の階段を上ったところに厳島神社様がおられました。
拝殿は近年造られたものと思いますが超綺麗。
「大津島にお邪魔しております。道中怪我のないよにお見守りください。」とお願いしておきました。
参道を戻りながら見上げると、青い空に赤白の鉄塔が見えました。そうだ!鉄塔だった。
いったん海に出て鉄塔近くまで行くと七人墓というのがありました。そういやこれもマップで見ました。
島原藩の一行が新潟から江戸に米を搬送中、大津島沖で遭難し死没した霊を祀るもののようです。えらい遠回りしてたんですね。
手を合わせておきましたがお墓の写真は割愛します。
鉄塔を遠くから見て、防府にあるラジオ中継所に似てるなあと思っていたのですが、ラジオ送信所でした。
鉄塔がなんだったか分かったので満足です。
ちなみに、このラジオ送信所は島の端の端に建っていまして、道が回り込んでいません。この堤防がどん詰まりです。
元の道を戻るしかありませんね。
めだかの学校あたりまで戻ってくると、メインの道路の横に小道を発見。上に何か見えます。
軒先で洗濯物を干してらしたおじさんに「ここの上は何かありますか?」と聞くと「向こうの部落に出られるよ」と教えて下さいました。
どうやら大津島ラジオ送信所の裏側、途切れた堤防の反対側に出られるようです。
いいじゃん。これ行こうよ。
思った通りの場所に出てきました。この道、生活感も雰囲気もある道でした。港町のこういう道も好きだなあ。
黒髪島を正面に見ながら堤防沿いを歩き、10:56、最初の大島案内マップまで戻ってきました。
ここまで1時間歩きましたが、まだ最初の瀬戸浜から一歩も出ていません。
乗船予定は馬島港14:00、大丈夫なのか?これw
大津島 刈尾あたり
刈尾港方向に歩きますが、普通に戻ると馬島港まですぐについてしまいます。
本浦というのは島の裏側です。大島案内マップを見たときに、本浦まで行って、その後、砲台跡に登って馬島に出ればいいんじゃないかと計画しましたので、ここを右に入っていきます。
大津島 本浦あたり
刈尾から本浦までは結構な距離がありました。
車道で山を越えると、港町が見えてきましたよ。
綺麗な港です。遮るものがないので距離感が狂いますが、正面に見える高い山は防府の大平山です。
升井君が指さしているのがここ本浦港。地図がひっくり返っているので分かりづらいかもしれませんが、ヘディングアップなので現地ではふむふむと頭に入ってきます。
この看板にも本浦港から砲台跡へと続く細い道が描いてあります。行けるはずだよな。
砲台跡へと続く山越えの道はこの御旧跡から始まることになっているのですが、港町の路地はどれも山に続いてそうであり、どれも行き止まりになってそうでもあり、明確な入口が分かりません。
焚火をしてた爺ちゃんは耳が遠いのか話を聞いてくれないし、洗濯してた爺ちゃんは「そんな道はない」と言うし、さて困ったなというところに現れたお婆ちゃん。
「教えちゃろう」とマップのところまで一緒に歩く道すがら、昔話をしてくれました。
あの山のてっぺんには探照灯があってね。砲撃でアメリカ軍の飛行機を1機落としてここも大騒ぎになったよ。
戦争が終わって港に白い箱抱えた人が戻ってきてねえ。私も子供じゃったけど終わったーって思ったねえ。
しばらく経ってからオーストラリア兵が来て、探照灯を爆破して、後から見に行ったらコンクリとガラスの破片がいっぱいでジャリジャリしちょった。
だそうです。お年をうかがうと昭和16年生まれとのこと。終戦が20年でこのあたりに兵隊が来たのは1~2年後でしょうから小学校に上がるかどうかのころの記憶となります。
この記憶が結構正確だなと思うのが「オーストラリア兵」というところです。
中四国はGHQから委託を受けたイギリス連邦占領軍(イギリス軍、オーストラリア軍、ニュージーランド軍、イギリス領インド軍からなる)が統治していたのでした。
大津島 砲台跡へ
で、肝心の道。「地元のもんなら這って登って分かるじゃろうけど、道が崩れて分らんと思うけどねえ。薦めんけどねえ。」とお婆ちゃんに心配されながら教えてもらったのがこの道です。
ありがとうございます。自己責任で行ってきまーす。
いやーどこかで間違ったか、本当にもう誰も歩いてないのか、もともと畑があったであろうところをよじ登り、藪をこいで、石垣を越え、そうこうしている内に竹藪の中に人道らしきものを見つけました。
出だしは間違っていましたが、車道に看板が出ていましたので、最後に通った竹藪は本道だったようです。ここを右に曲がれば砲台跡へと続きます。
あまり車も通ってないのでしょう、竹が横倒しになっていたり木がせり出したりと車道も難コースでした。
車道から野道へと変わり、一番奥まったところに大津島砲台跡がありました。
現地だと一部コンクリの塹壕っぽいものも見えたのですが、写真だとむつかしいですね。
まあ、無事到着したということで英霊に敬礼しておきました。
ちなみにですが、大津島砲台跡から馬島方面に降りてきましたら、車道は通行止めになっていました。
なるほど。僕らみたいに山をよじ登る人も少ないだろうし、割と貴重な写真になったかもしれませんねえ。
大津島 馬島あたり
あちこち徘徊した結果、13:30分に馬島港に近い回天記念館付近にやってきました。
馬島港出航は14:00ですが大津島に来て回天関連施設を見ないとかありえません。
あと30分か。よし。走ろう。
回天記念館は中に入る時間もなく外回りだけ。長嶋監督の碑は平成8年3月、負けドラマのシーズンオフ、メークミラクルのシーズンのものでした。
走った走った。間に合いました。
14:00 馬島港を出港
この船を逃すと次が16:30の便でした。最後は駆け足でしたがなんとか乗り切りました。
北の瀬戸浜港あたりを歩いて、刈尾港から島の裏の本浦に行き、砲台跡に登って、馬島港に到着。馬島港付近では駆け足で回天関連施設を見て回りました。
高低差を見ると砲台山のルートがいかに無茶だったかがよくわかりますね。ほとんどよじ登ったもんね。
もともと升井君がばっちりスケジュールを組んでくれていたのですが、あれを見に行こう、これを見に行こうという僕の提案で無茶苦茶になりました。
でもこれをきっかけに島めぐりが始まったんです。
15時ぎりぎりでラーメン太陽に間に合いました。ここのラーメン美味しいんだ。暖まるぅ。