12月初旬、珍しく女房が散歩に行こうというので、長門峡を歩いてきました。
今年は12月に入ってもそれほど寒くなく、もしかしたらまだ紅葉が見られるかもと期待しての散歩だったのですが、残念ながら入口付近に数本の紅葉が残っているだけでした。
まあ、二人でいれば世界は赤い。いや、うん。少し嘘をついたかな。
さあ、長門峡散歩の始まりです。
遊歩道入口
長門峡を歩くなら、道の駅「長門峡」の駐車場に車を停めて、後は渓谷沿いを下って行けばOKです。
遊歩道マップを眺めて、女房がそれほど歩けないというのでNo.8の鈴ヶ茶屋まで行ってお茶して帰ってくることにしました。
片道3km程度ですが起伏は殆どなかった記憶なので、女房の足でも楽勝なはずです。
長門峡 鈴ヶ茶屋まで
長門峡に入ってすぐ、丁字川出会淵で紅葉を見つけました。
意外に残ってるねえ、これは期待できるかもと夫婦で話したのですが、この奥に紅葉はなく、全て葉を落としていました。
まあ、季節を選ばず、思い立って長門峡に来ただけですから贅沢は言えないでしょう。
わずかながらも紅葉を拝めたので、ここは良しとしましょう。
長門峡は国指定の名勝で、奇岩や滝、深淵など変化を織りなす奇勝として知られています。
一方、徳佐-地福断層の一部でもあり、極たまに起きる山口県の地震の震源でもあります。
雨に削られたわけじゃない渓谷の成り立ちは、多かれ少なかれ断層でそんなもんでしょう。
渓に降りる道があったので、川辺まで行ってみました。
川辺に立ってみると断層というよりも、山が左右にパッカンと割れた地溝という風に思えます。
そう言えば、遊歩道マップの傍には高島北海(日本最初の地域地質図を作成した人)の碑がありました。
高島北海ってのは長門峡の名付け親で「今回實地視察をなせしが此奇異なる地形をなせるは東北より西南に迎える石英粗面岩の大斷層に沿い手兩方より流下せる水が御堂原に至りて長門峽なる大裂溝中に入れるに因るもの」という記録を残しています。
大裂溝ってのは、僕と同じ感覚だなーと思いました。
閑話休題
そうそう。地溝で思い出しました。
皆さんご存じの通り、九州から関東へと日本を横断する大地溝帯を中央構造線と呼びます。
山口宇部空港から東京に飛ぶ空の便からは右手窓の下に四国から紀伊半島を見渡せるんです。四国徳島の吉野川から紀伊水道を挟んで和歌山の紀ノ川には大地溝帯がはっきりと見えます。
大地溝帯はGoogle Mapsで見ても明らかなのですが、上空から人間の目で生で見ると圧巻なのです。感覚的に知っているのと、体感することにはこれだけ差があるのだなあと、何度見ても思います。
脱線しました。長門峡の遊歩道に戻って、景色を楽しみつつ、鈴ヶ茶屋までゆくことにしましょう。
長門峡 鈴ヶ茶屋
道の駅から入る長門峡の反対側は竜宮淵になりますが、ここ鈴ヶ茶屋はそのコースのだいたい中間地点になります。
この時期はすっかり葉を落としてしまっていますが、お店の後ろの木はモミジで、季節が良ければ風情のある絵になるはずです。
鈴ヶ茶屋は簡単な食べ物やアユ料理そしてお酒もちょっといけるお店で、一杯500円だったか温かい(とも言えない)コーヒーをいただきました。
鈴ヶ茶屋から少し上ったところにはトイレがあり、先に進むにしても戻るにしても、この鈴ヶ茶屋は体調を整えるのに良い位置にあると言えます。
さて、休憩も終わり。戻ることにしましょう。
20210202追記 純米吟醸 長門峡
ひょんなことから長門峡の名前を冠したお酒にありつきましたので、ここでご紹介しておきます。
旅先で半分くらい飲んでしまったのですが、翌朝も酔い覚めさわやかでした。切れもあってすっきりとした味わいの良いお酒です。
長門峡 鈴ヶ茶屋からの帰り
渓を歩くと行きと帰りで風景が違って見えるのはよくある話ですが、道を覚えている分だけ、帰りのほうが良い写真を撮れるような気がします。
水が溜まるところ流れるところ、浅いところ深いところ、狭いところに広いところ。水は様々な表情を見せてくれますが、それに加えて渓は岩の表情がまた面白いですね。
僕は最近、岩にめちゃめちゃ興味があるのですが、どうやって系統立てて学べば良いのかが分かりません。フィールドワークの際に、当たってるかどうかも判断できないしね。
何か良い手はないかなあ。
長門峡入口付近まで戻って、紅葉を撮り、今日の散歩を終了しました。
入口付近には旅館や食堂、土産物屋があったと思うのですが、このコロナ禍で全て休業の様子。この長門峡を歩いた日は日曜の稼ぎ時のはずですが、、、寂しい限りです。
追記で、女房が撮ってくれた写真を載せておきます。
僕は一人で山を歩いているので、自分が写ってる写真はほとんどありません。
たまにはこういうのが嬉しいね。
ありがとう。
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