全長1,780メートル。無料で通行できる離島架橋としては全国4位の長さを誇る山口県の観光スポット、角島大橋。
その橋がかかる海はエメラルドグリーンやコバルトブルーに輝き、多くのCMや映画のロケ地として採用されているという。九州や西日本各地からの観光客も多数訪れる山口県観光の新定番スポット。
角島大橋を歩いて渡ってみよう。
角島大橋を歩いて渡ってみる
7月21日からアマゾンプライムでシン・仮面ライダーの公開が始まりましたが、みなさんもう見られました? 僕は庵野さんと年代的に(も生まれも育ちも)近いもんで、こりゃ我々世代が幼い頃に見た仮面ライダーへのオマージュだなーなんて感じたんです。
そのシン・仮面ライダーで最後に一文字隼人が渡る橋が角島大橋。夏山で倒れると誰も助けてくれないけど、角島大橋なら人通りも多くて安心だなってわけで行ってきました。
「角島大橋を歩いて渡れるの?」という質問をよく聞きますが生活道路ですからもちろん渡れます。
看板に書いてる通り寝たり座ったり立ち止まったりしちゃダメですけどね。
普通に歩いてる分には怒られることはありません。
事実、僕が角島大橋を歩いて渡ってる時にパトカーが通り過ぎましたけど、何も言われませんでしたもん。
じゃ、さっそく渡ってみます。歩行者ですから右側を行きます。
ああ、橋の袂からもう海が美しいのよ。
「角島大橋なんか歩いて渡っても面白くないよ。お薦めしないよ。」との声も聞きますが、僕に言わせるとめっちゃ楽しいです。
例えば全国から集うライダー。歩きながら片手でピースサインを出すとみんなリアクションを返してくれるんです。
そうこうしてる内に鳩島に到着しました。鳩島ってのは角島大橋を渡ってるときに左手に見える島です。
こんな良い地盤があるんだからここに架橋すれば良いと思うんだけど、鳩島は自然豊かな島で敢えて外したらしいですよ。
鳩島にどんな自然があるかというと例えば柱状節理。右下に柱状の岩がかたまって立ってるのが見えますかね。あれが柱状節理です。
柱状節理ってのは溶岩流が冷えて固まって縮んでいくときにできる五角形とか六角形の柱状の割れ目のこと。萩の奥にも畳ヶ淵とか龍鱗郷がありますが、ここ鳩島にもいいのがありました。
歩いてないとこれは見られないのでお薦めです。
鳩島をよけて建てたことで、橋は巻いていき(おそらく船を通すために)一段高くなっていきます。この辺りは風が鳴いているというかずっとゴオゥゴオゥという音が響いています。音の出所を探したのですが結局何が鳴いているのかは分かりませんでした。
でも歩いてないと聞けない風の音。これもお薦めの一つじゃないかな。
何が鳴いているのかを探して橋げたを覗き込んだ写真が残っていたので載せておきますね。なんの記録になるか分からないし。このあたりの海もコバルトブルー(よく言われてる表現に合わせたけどこれユニバーサルブルーだよな)で奇麗でしょ。
再びライダーさんの写真。僕の写真の撮り方がヘボいんだけどリアクションをくれたライダーさんたちを全て残しておきます。
みんな良いやつだよなー。一期一会だけどこのリアクションの嬉しさがたまんないよ。
ライダーさんたちと遊んでるうちに角島までもうすぐのところまで来ました。
瀬崎陽の公園
角島大橋を渡り終わるとすぐ左に広い駐車場があります。ここは瀬崎陽の公園。
瀬崎陽の公園には高台があるんですが残念ながら木が生い茂っていて角島大橋を振り返ることはできません。
その代わりと言ってはあれですが角島に関わる様々な石碑がありました。
平城宮若海藻上進之地の碑には、ざっくりと「奈良の平城宮から木簡が出てきて、ここらの豪族は朝廷にワカメを贈ってたことが分かったよ」と書いてあります。
これは今でも変わってないよね。国近のシソ入りワカメは美味いもん。白米にちょいとかければ2杯はいける。僕は井上派だけど。
ここから少し政治色が入りますので、そういうの嫌いな人は「角島大橋を戻る」に進んでね。
しま心は二井関成(にいせきなり)知事の書。
二井関成氏は美祢生まれで山高卒。東京大学法学部卒業後、自治省に入省。中小企業庁出向後、山口県入り。財政課長を経て出馬し当時の県知事平井龍氏を破って当選。
県知事就任後は「住み良さ日本一の県づくり」を掲げ、山口きらら博、国民文化祭、おいでませ!山口国体、第23回世界スカウトジャンボリーなどを成功させた。
僕個人的の二井さんのイメージはまさにイベントに強い人って感じです。角島大橋の始まりは安部さんの肝いりで二井さんはまだ県職だった気がする。詳しくは年表を追いかけてください。
角島大橋の碑。ここもざっくりとまとめておきます。
角島はかつて定期船で結ばれていたが島の産業・文化・教育・医療は難渋することが多かった。そこで諸島という障害を解消するため区民集会を重ね、推進運動を進め、請願書を出し、以て角島大橋の建設と相成った。
ことが書かれています。
角島大橋の完成は角島の方々の行動と県内政治が合致した結果だなーなんて思ったりして。大きな公共工事には少なからず政治が絡むからね。でもその結果が島民ひいては県民さらに国民のためになっていれば問題ないです。
角島大橋は大成功した公共工事の一つじゃないかと思いますよ。僕は。
角島大橋を戻る
さて瀬崎陽の公園でいろいろ感じた後に、僕は角島を巡ってきたのですがそれはまた別記事にまとめるとして、角島大橋を戻るところを先に書いておきます。今回は「角島大橋を歩いて渡る」がメインテーマですから。
それじゃ帰りまーす。帰りも真面目に右通行です。
「右見て左見てもう一度右見て」と小さいころから教えられ、教習所でも刷り込まれている日本では歩行者は右を歩いたほうが安全なのです。リスクは最小限にいきましょう。
角島を歩いてる最中にネタを仕入れたので、帰りの鳩島にはまた別の思いがあったりします。
実は、鳩島は鬼が投げた岩でできたという伝説がありましてね。昔の人もあの柱状節理には人智を超えたものを感じたということなんでしょう。やっぱ昔の人ってのは地形をじっくり見てて賢いなあと思うのです。
あ、伝説については次の記事でじっくり書きますので。お楽しみに。
鳩島を越えてさらに先に進みます。本土に近づくほどマリンレジャーが増えていくんですねー。
防空壕はよく分かんないんですが、バナナボートや橋の下のカップルさんに声を掛けたら手を振り返してくれました。いいね!楽しそうだね!
歩かないと橋の下なんか見ないもんね。そういう意味でいい経験できたなーって思いました。
角島大橋は往復で3㎞以上ありますし、車の往来は多いので確かに危ないといえば危ない。誰彼にお薦めできるコースではありませんが「つまらない」と一蹴するには惜しいくらいに楽しみに溢れています。
角島大橋を歩くのは誰かれなく薦めることはできませんが、むしろ面白いということをお伝えしてとりあえず角島第一部を終了します。
後半戦はこちらです。