3年ぶりに外出自粛要請なしのこのGW、「三倉岳行きたいっすね。岩山登りたいっす。」という升井君のリクエストを受けて久しぶりに広島県に越境してきました。
越境って言ってもね、がんね栗の里美和町の弥栄湖を渡れば広島県大竹市。そこから20分も走れば登山口のある三倉岳県立自然公園に到着するんです。
久々の広島じゃけぇ、わしゃあ全部行っちゃるけぇのぅ。(仁義なき戦い風)
三倉岳県立自然公園
車は三倉岳県立自然公園の駐車場に停めさせてもらいました。ここは広々ゆったりでめっちゃ綺麗なトイレもあります。
駐車場の奥に見えるのはマロンウォールという名前のクライミングウォール。三倉岳は三本槍の花崗岩の岩峰で、ロッククライミングも盛んみたいですね。
三倉岳の場所は分かるけれども歩くのは初めてです。登山開始前にYAMAPのルート図をじっくり読み込みました。
駐車場からまっすぐに上っていくのがBコース。Bコースからは朝日岳と中岳に登れます。
その隣に夕陽岳があるのですが『平成30年7月豪雨の影響により、夕陽岳と中岳の間のルートは、当面、通行止めとなっています。』とのこと。
しゃーない、いったん降りてAコースを登りなおして夕陽岳を見たのち、三倉岳、瓦小屋山へと行くことにしよう。たいした距離じゃないし。
三倉岳登山道Bコース
駐車場から山に向かって舗装路を登っていく間に山容が見えてきました。なるほどこれが三本槍か。
それにしても山がとても近く見えます。朝日岳山頂までのルートは1.3km程度しかないわけで、それであの尖峰ということならまあ急登なんだろうと覚悟を決めるほかありません。
舗装路のカーブの途中にBコースの入口がありました。三倉岳登山道Bコース案内図を再度確認しておきます。
三倉岳県立自然公園のキャンプサイトを左に見ながら最初はゆるゆるの公園コースを上がっていきます。このあたりの登山道、とてもよく整備されています。
後から降りてきて、二つ目の分岐の4合目小屋入口を行くことにします。
道標やルート図を見るとやたら”小屋”という文字が出てきますが、最後まで1つも小屋は見ませんでした。なんだろ朽ちちゃったのかな。
Aコース二つ目の分岐を過ぎたあたりから急登が始まります。標高に連れて石段の段差も上がり、だんだん膝高になっていきます。
ボルトが打たれたりロープが下げられたりした岩壁もこのあたりから登場します。凄いなあ。僕なんかこんなん恐ろしくてよう登らんわ。
距離を歩いてないのでまだ足は上がりますが、息が切れ始めたので7合目あたりの大岩で休憩を取りました。ミルク餡饅1個とコーヒーで糖分補給。元気が出ます。
その先もひーひー言いながら膝高の階段を登っていき、中岳・朝日岳の分岐に到着しました。
左の中岳へは0.09㎞、右の朝日岳へは0.03㎞だそうで、まずは端っこの朝日岳へと向かいます。
朝日岳
朝日岳にはすぐ到着。山頂の大岩にも立ちましたがまだ先に展望所があるとのことで奥に進みます。
展望所からの景色はまあまあっていうか、僕ら広島方向の山はほとんど分からないので、ふーんて感じで。まあ、ここは前哨戦。次行きましょ次。
中岳
左肩に不具合を抱える今の僕にとって中岳はなかなか難儀なところでした。
今、左肩があんまり回らないもんでね。右腕と足の踏ん張りだけで上がります。たまに力のかけ方を間違えると「うぅ…」ってうずくまりたくなります。
そんな状態で山行くなって話ですけど。
ちなみにこの岩の向こうは絶壁なんです。升井君、よくそんなところに立つよなあ。
中岳山頂にはカップルさんがいらしたので早々に撤収。
Bコースを降りる
夕陽岳と中岳の間は通行止めとの情報なので、Aコースへの二つ目の分岐まで戻ります。
段差の大きい石段をほいほいと勢いよく降りてくると膝への負担がなかなか大きい。
立石:このままBコースを降りても良いけど?
升井:三倉岳の三角点撮らなくていいんすか?
立石:そ、そうやね。
うちの後輩はスパルタン。ではAコースへと参りましょう。
BコースからAコースへの二つ目の分岐はルート図にも破線で描いてある程度の道。踏み跡もリボンもあるけど合ってんのかとちょいと不安になるところもあります。
沢を2つ越えると四合目小屋の分岐に出てきました。ここを四合目小屋に行こうとする升井君。
おーい。帰っても良いけどAコースは右だよwww
三倉岳登山道Aコース
中岳で会ったおっちゃんがAコースは緩いよって言ってたんですけどね…
緩いよって言うほど道は緩くなく、僕は五号目あたりで撃沈。升井君はまだまだ元気で五号目の岩に登って「おおお!」とか言ってました。
一山なら少々距離があっても歩く自信はあるけれども、登って降りて登ってというのはなかなか辛い。
7.9合目くらいで「俺帰るわ」とか言ってみたけど「登っても帰ってもあんま変わんないっすよ」と言われ、それもそうかと登ることにしました。
無駄に元気を出して膝高の段差が出てくるたびに「壁、かべー」とか叫んでたのですが、あれAコースを降りてきたあんちゃんたちに聞かれたよなあ。すれ違いざまに「頑張ってください」とか言われちゃいました。サンキュ。
ま、そんなこんなでAコースの稜線に到着です。
この分岐で地図を見ながら休憩を取っていると、中岳で出会ったカップルさんが夕陽岳から降りてこられました。あれー?Aコースで抜かれたはずはないし、、、
立石:もしかして中岳・夕陽岳通れました?
カプ:自己責任な感じで行けましたよ。
だったかー。
夕陽岳
カップルさんをAコースに見送って僕らは夕陽岳へ。先の分岐から夕陽岳はすぐです。
夕陽岳には別のカップルさんがいらしたので、これまたさほど写真も撮らずに撤収。
早々に三倉岳の三角点に向かうことにしました。
三倉岳へ
国土地理院地図を見ても朝日岳(605m)・中岳(635m)・夕陽岳(680m)の上に三倉岳と描いてあるのだけれども、三倉岳は三倉岳で三角点があるらしいんです。これは見に行かないとね。
三倉岳は標高701mで夕陽岳とさほどの標高差はありません。なので緩い登りかと思っていたらこれが意外にしつこいの。
三倉岳山頂
三倉岳に到着しました。
三倉岳(701.55m)は二等三角点。基準点名は「三倉山」で、冠字選点番号は横21。横さんって聞いたことないや。ま、見たかった三角点もゲットできたし後は下るだけよね。ね!?
瓦小屋山へ
三倉岳に登る前は「距離も短いしそんなにきつくないだろう」と高をくくっていたので瓦小屋山を回る計画を立てていましたが、今となっては少々きつい。
さてどうするかと思いましたが、まあ今日のルートで一番高い山は三倉岳だし大丈夫だろうと大遠回りして降りることにしました。
これが間違い。
三倉岳から急傾斜を下るとしばらくは横移動。道沿いに現れた大岩に登ってみると、今日初めて三倉岳の裏の景色を見ることが出来ました。写真だと分かりませんが、肉眼では山頂の気象台レーダーが特徴的な羅漢山が見えます。
大岩からはいったん大きく下り再び横移動。次に嘘みたいな傾斜を登るようになりました。
この傾斜を登りきったところでさすがにこれが瓦小屋山だろうと地図を確認しますが、瓦小屋山はもう少し先。ここは瓦小屋山手前の名もなき山でした。
まあ振り返って、ここまで歩いてきた山が見えたのは良い感じかな。
瓦小屋山山頂
瓦小屋山手前の名もなき山をわずかに降りてロープを登ればそこが瓦小屋山山頂です。
瓦小屋山(663.61m)は四等三角点。基準点名は「三倉嶽」で、この辺りには一体いくつの「みくらだけ」があるのって感じ(笑)
それにしても三倉岳山頂から瓦小屋山まで結構遠かった。三倉岳がここいら一帯で一番高い山だからあとは下るだけだろうと思ってたら大間違い。結構ハードな上げ下げがあってきつい道のりでした。
ここから先も長そうなのでしっかりと休憩を取っておきます。
下山開始
瓦小屋山からの下山は奥の岩を降りていきます。
この先は急激な下り。花崗岩が砕けた真砂の上に針葉樹の葉が乗ってて滑ります。バランスを崩すこと数度、升井君は2度こけてました。
で、この下山、一方的に下っていくだけでなく瓦小屋山眼下に見えた小山を2つ程度はこなします。
そして結構降りてきたかなというところに「栗谷へ1時間」の道標が現れます。あと1時間かかんのかい!そんな馬鹿な!と思ったら本当に1時間弱かかりました。
足元が滑るので慎重に歩くからでしょうね。たまに木々の隙間から栗谷の町が見えるのですが一向に近づいてる感じがしません。滑る真砂土といい近づかない町といい、竜ヶ岳に似た感じだなあ。
植生が広葉樹に変わって町の近くの森感が出てきてからも15分は歩いたもんね。なので、このいのししゲートを見たときは本当に安堵したよ。
ルート図を眺める限り短い距離だと舐めていたのですが、今回は結構しごかれました。いやーまいった。
今日のルート
三倉岳県立自然公園からBコースで朝日岳・中岳を取っていったん下り、Aコースを登りなおして夕陽岳・三倉岳。三倉岳からは瓦小屋山を回って帰ってきました。わずか8.2kmのコースで獲得標高1,065mだって。なるほどクタクタになるわけだわ。