G.W.は本州最西端!毘沙ノ鼻と吉母富士に行くべし!

G.W.は本州最西端!毘沙ノ鼻と吉母富士に行くべし!

最近西側に行ってないなあと下関近辺の地図を眺めていたら吉母海水浴場を見つけた。いつだったかTVに映ってて「小さいころに連れてってもらったことがあるよ」と女房が言ってた海岸だ。
興味を持って吉母近辺を探ってみると、本州最西端の岬「毘沙ノ鼻」があったり、本州最西端の富士山「吉母富士」があったりと、こりゃあなんとも楽しそうなところじゃないか。
日本晴れのゴールデンウィークに行ってみた。

毘沙ノ鼻

本州最西端の地「毘沙ノ鼻」は191号線を流してると看板が出てきます。新下関からオーヴィジョンに抜けると下関市街地をショートカットできるので少し楽。

毘沙ノ鼻の看板
毘沙ノ鼻の看板

191号線から吉母に入ったら山を越えて海に出る。吉母海水浴場を下に見て看板を右。あとは一本道を上がっていくと公園に着きます。

毘沙ノ鼻全景
毘沙ノ鼻全景

公園から200mほど奥へ歩けば海に開けたこの景色。ここが本州最西端。展望台があって東は角島から正面に海、九州と回って下関、竜王山までがぐるりと見渡せます。

長門なる 沖つ借島 奥まへて 吾が思ふ君は 千歳にもがも
長門なる 沖つ借島 奥まへて 吾が思ふ君は 千歳にもがも

万葉集巻6-1024番。長門守巨曽倍對馬(こそべのつしま)が時の右大臣に詠んだの歌だそうで「長門の国にある沖つ借島の名のように、心の奥に深く思っているあなた様は、千年も長生きしてほしいものです」という歌らしいですが、なんだかちょっとおべんちゃらっぽいなw

歌碑解説
歌碑解説

沖つ借島は展望台から正面に見える蓋井島との伝承があるそうでここに歌碑を建てたということが書かれています。正面に大きく見えるあの島ね。なるほど。

灯台っぽいオブジェもあります
灯台っぽいオブジェもあります
到達証明書ももらえるみたいです
到達証明書ももらえるみたいです

毘沙ノ鼻は簡単に行けるし、景色がよくて気持ちもいい。なんたって本州最西端を制覇したぜー!ってのが嬉しいじゃないですか。ゴールデンウイークのドライブにお薦めです。

吉母富士

さて吉母富士。正式名称は小倉ヶ辻というお山のようですが、毘沙ノ鼻に上っていく途中に登山者専用駐車場がありました。

吉母富士登山者専用駐車場
吉母富士登山者専用駐車場

なんとも分かりやすい。この10mくらい先に登山口の看板が出ていますが、そこにももう一つ駐車場があります。
300mくらいの山とのことなので気軽に登ってみましょう。

吉母富士 登山

吉母富士登山口
吉母富士登山口
最初は林道
最初は林道
林道終点
林道終点

吉母富士登山口からは山頂は見えません。割と広めの林道が続き緩やかな坂を登って行くようになります。林道終点には道標があり、頂上まで650mと書かれていました。
楽勝っぽいね。

思ったよりきつい階段
思ったよりきつい階段

最初は山腹をめぐる階段。このコース、坂という坂には全てトラロープが渡してあります。写真は階段の終わり頃で、ロープをつかむ程ではないのですが思いのほか階段が長くてきつかったなあ。
階段を上ると息つく間もなく見返り坂が始まります。

見返り坂ってなーに?
見返り坂ってなーに?
さして登ることなくすぐに見返り地点
さして登ることなくすぐに見返り地点
良い景色だなあ
良い景色だなあ

山頂までほとんど景色はありませんが、唯一この見返り地点からは海が見渡せます。海に向かって出っ張ってるのは下関栽培漁業センター、山に隠れてますがその手前が吉母海水浴場です。

頂上まで300m
頂上まで300m
そろそろ坂も終わりかな
そろそろ坂も終わりかな

見返り坂は見返り地点から先が長いの。傾斜も急でさすがにここはロープを使っちゃいましたが、ストックを持っていってたら軽快に歩けるはずの登りです。

頂上まで200m
頂上まで200m

登りが緩やかになりました。山頂が近いのかなあ。あと200mって言われても低山はたいていここからもう一山登って頂上ってパターンが多いよね。

頂上まで100m
頂上まで100m

吉母富士 山頂

もう一山と覚悟していましたが、残り200mからはほとんど登りもないまま山頂に到着しました。

吉母富士山頂から長門方向
吉母富士山頂から長門方向
吉母富士山頂から蓋井島方向
吉母富士山頂から蓋井島方向

吉母富士山頂からは木々の隙間から2方向の景色が楽しめます。一つは長門方向で、もう一つは先ほどまでいた毘沙ノ鼻方向です。長門守巨曽倍對馬の歌にあった借島(蓋井島)がよく見えました。

吉母富士の二等三角点
吉母富士の二等三角点

こちらが吉母富士(308.63m)の二等三角点。
基準点名は「小倉ヶ峡」で吉母富士も小倉ヶ辻も俗称になっちゃうのかな。ま、吉母富士は間違いいなく俗称だと思いますが。
冠字選点番号は呂19。呂さんてあまり聞きませんが、山口県で言うと宇部・美祢あたりの三等三角点、それから北九州から下関にかけての二等三角点を調査した方のようです。

吉母富士の看板
吉母富士の看板

吉母富士山頂の奥からは別コースで降りられるようです。
僕が登った日にはお孫さんを連れた地元の方がいらしたのでコースの状態を伺うと「昨日、雨が降ったから滑るかも」とのこと。
うーん、あまり肩の具合がよくないので迷ったのですが、同じコースを下っても面白くないので下山は別コースにトライすることにしました。

吉母富士 下山

地元の方にお礼を言って下山開始。

矢印があって分かりやすい
矢印があって分かりやすい
大岩は左へ
大岩は左へ

ピンクテープはありますとのことだったのですが、矢印があってめちゃめちゃ分かりやすい道でした。

ずっと稜線歩きで気持ちいい
ずっと稜線歩きで気持ちいい
チャレンジコースの看板が登場
チャレンジコースの看板が登場

「二股に分かれてるところがありますよ」と言われていたのはここか。チャレンジコースの看板には整備なし・道標ありと書かれていました。
うーん、ここにきてチャレンジしないで帰るわけにもいかないでしょう。チャレンジ!

整備なしって?
整備なしって?

看板の整備なしという言葉にかなりビビっていたのですが、むしろこれだけ整備された山道もなかなかないんじゃないのって感じの稜線歩き。
少し入り組んだところも踏み跡がハッキリしているので迷いようがなく先を見渡せば道標もありました。
藪漕ぎを覚悟してるとウキウキで歩けちゃいますよ。

急斜面
急斜面

写真の撮り方が下手なので急斜面に見えないかもしれませんが、稜線歩きが終わるといきなりの急斜面が現れました。
昨日雨だったから滑るよって多分ここのことね。

山腹をロープで渡る
山腹をロープで渡る

急斜面を降りたら次は山腹をロープで渡ります。チャレンジコースっていうかアスレチックみたいな感じ。楽しい。楽しい。

林道に出てきました
林道に出てきました

急斜面を渡り終わると林道っぽいところに出てきました。ここから沢のような崖のようなところを降りると登りとは別の登山道に繋がります。
畑の横の道を降りていくと舗装路に繋がりました。

舗装路への出口
舗装路への出口
舗装路への出口を振り返る
舗装路への出口を振り返る

下山に使ったコースの入口(上の写真)は、実は登りの登山口の10m先にありました。うまく伝わるかな。
吉母富士登山者専用駐車場ー(舗装路10m)ー吉母富士登山口ー(舗装路10m)ーもう一つの登山口みたいな並びです。

今日のコース
今日のコース

下山に使ったコースのほうが山歩きとしては楽しかったな。ぐるっと回ってざっと3㎞、1時間半くらいで歩けちゃうコースです。
地元にあったら毎日歩いちゃいそう。なんたって富士山だもん。

吉母地区のその他の情報

本州最西端だけじゃなく吉母地区はなかなか面白いところ。

山口県指定天然記念物 法林寺のソテツ

吉母富士を富士山っぽく撮れる所はないかなーと吉母地区を回っているときに、道をうかがったのが法林寺の奥様でした。天然記念物見てって見てってと。

山口県指定天然記念物 法林寺のソテツ
山口県指定天然記念物 法林寺のソテツ

本堂の真ん前にドーンと2本のソテツ。ソテツってあんまり枝分かれしなくて根元から数本出るイメージなんだけど、すげーなこれ。
写真撮る?車じゃまじゃない?動かそうか?ってすごく朗らかな奥様でした。

山口県指定天然記念物の看板
山口県指定天然記念物の看板

これだけ立派なソテツでしかも天然記念物指定を受けてるわけですから、台風の後とか市の職員の方から「大丈夫ですか。折れてませんか。」と確認の電話があるそうです。いや確かに見ごたえがあります。

法面に恐竜の絵

法林寺さんから戻る途中に法面に恐竜の絵を発見。そういえば毘沙ノ鼻に上がっていく途中にも小さな恐竜の看板があってなんだろうなって思ってたのね。

法面に恐竜の絵
法面に恐竜の絵

吉母はそうとう恐竜を推してたなあと思って、家に戻って「吉母 恐竜」を検索してみたら、なんと平成6年に吉母の海岸で国内最古の恐竜の足跡が発見されてるじゃないですか!
今はどうか分からないけど、貝殻を含んだ化石も近くで見ることができる(できた?)みたいで、これを事前に知ってたらきっと海岸も歩いたなあ。残念。
化石はいいなあ。海岸歩くと楽しいだろうなあ。

吉母富士をご堪能ください

それでは最後に法林寺の奥様に教えていただいた場所やフォトスポットからの吉母富士をご覧ください。富士山に見えるかな。

若宮神社から
若宮神社から
若宮神社に曲がる手前から
若宮神社に曲がる手前から
吉母海水浴場を眼下に見るカーブから
吉母海水浴場を眼下に見るカーブから

191号線の安岡あたりからも海越しにひょっこりと頭を出した吉母富士を見ることができます。カメラに収めるにはちょっと遠いんだけど、景色として眺めるには最高だよ。あれを登ったんだーって思うとね。

今日のお昼ご飯

みちしおで天ぷら定食
みちしおで天ぷら定食

帰りは下道で。やっぱ下関くんだりまで行ったらお昼はみちしおで貝汁。これだね。お腹いっぱい食うぞーと思ったけど、僕の年だと天ぷらはちょっときつかった。次は刺身定食にしよう。

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