美祢市の鯨ヶ岳を縦走してきました。秋吉台の山焼きの日に山中峠の登山口を確認しておいたのですが、車を停めるところがなかったので今回は裏の二反田から入って山中峠に降り、山麓をぐるっと回って帰ってきました。一人だと歩け歩けになっちゃいます。嫌いじゃないから。
鯨ヶ岳二反田コースの入り方
鯨ヶ岳二反田コースですが、二反田という地名だけでは探しにくいので「二反田溜池のカキツバタ群落」で検索すると良いようです。
この群落を目指して国道490号線を進んでいると左手に鯨ヶ岳登山口の看板が見つかります。
まずは小郡萩道路の絵堂ICを右に出て萩方面へと向かいます。途中ところどころに「カキツバタ群落〇km左」の看板が出てますから安心してください。
実際に左折する交差点がこちら。左折した先が国道490号線で、直進の立派な道は県道(32号線)です。お間違えなく。
国道490号線は酷道です。僕は以前、カキツバタ群落の看板を見て「この道はどこにつながるのかなあ」と検索したことがあるので特に驚きませんが、国道のくせに道がめっちゃ狭くなるのでこの道で萩に抜けようとか考えないようにしましょう。
左折してからは2kmもなかったと思いますが、酷道490号線を進み、小郡萩道路の延伸工事(僕が行ったときは橋げたとトンネル工事をやってました)を過ぎて少し進むと左手に鯨ヶ岳登山口の看板があります。
奥の林道がどうなってるのかが分からないので、取り合えず曲がり角の広くなってるところに駐車させてもらいハイキングスタートです。
鯨ヶ岳二反田コース
看板から700mほど林道を歩くと鯨ヶ岳二反田コースの登山口に着きます。途中右手に沢があります。水の流れも綺麗です。この間、車が停められそうなところは、うーんちょっとないかなあ。一番奥はギリギリUターンできそうですけどやめておいた方が無難です。
看板があって、右は美東大滝、左は鯨ヶ岳・小滝と書いてありました。後から出てきますが、美東大滝は二反田コースを歩いていると上から見えます。
鯨ヶ岳は潮吹きまくり
最初は沢沿いを上がっていく道です。傾斜は激ゆるです。
鯨ヶ岳二反田コース登山口から岩がむき出しの小滝を上がっていきます。あまり新しくはありませんがピンテが巻いてあるので迷いそうな感じはありません。
沢を登り切ったら右へ。山腹を回り込んで小山の反対に出ればシダの細道。右下が谷で、水音を聞きながら小道を進むとやがて美東大滝が見えてきます。
鯨ヶ岳へはさらにこの山腹を回り込んで、美東大滝のほぼ上に出てから上流の沢沿いを上がって行くようになります。
鯨ヶ岳二反田コースは植林帯に出るまでひたすら沢沿いを上がって行きます。水が豊富なためにぬかんるんだ場所も多く、大岩を越える際には苔や靴に着いた泥で足を滑らさないよう注意が必要かも。
あとイノシシの泥浴びの穴をいくつか見かけました。僕が歩いている最中は獣には出くわさなかったのですが、これも注意が必要ですね。まあ、注意しても出くわしちゃったらどうしようもないんですが。
沢の横の道を登っているときに円形の石積みを見つけました。少し離れた上流にも同じようなものがあり、都合3ヶ所こうした石積みを見かけたのですが、最初の石積みは結構形が残っていて一部祠のように穴も開いていました。
鯨ヶ岳の南斜面には末原窯跡群があったり長州藩の銭屋跡があったりするのですが、この石積みはそれほど古いものにも見えません。
炭焼き窯跡ですかね?
二反田コースでは美東大滝上流の沢を何度か渡河しますが、つかず離れずずっとずっと沢沿いを歩きます。水量も多く水音がついて回るので最初は「癒されるなあ」と思うのですが、その内「ウザッ!」ってなります。いやこれマジで。
先ほどの沢から右に離れて、よく枝打ちされた植林帯に出てきました。これでやっと沢から離れるかなーと思ったら、植林帯の中にある枯れ沢を登って行くという。
さすが鯨ヶ岳。潮吹きっぱなしです。
植林帯から左へ曲がり山腹を巡ると再び先ほどの沢と合流します。ここは道が狭くてなかなか怖い。
付かず離れずの沢はやがて谷になり小滝になり、そこから少し上ると、あれ?もう稜線?
稜線歩き
やっと沢から離れたと思ったらもう稜線でした。すごくあっけないの。
稜線に出ると右にも左にも道が開けています。右のほうが道が良いのですが、感覚的には左が鯨ヶ岳。さて、どっちかなと振り返ってみると「鯨ヶ岳」と書かれた道標を発見しました。ありがたい。
ありがたいのですが、この看板は立ち止まって振り返らないと見つけられないので、二反田コース向けにも道標を掲げてくれると親切かなあ。いやもしかしたら山中峠から歩くのが推奨ルートなのかもしれませんが…
ま、道も分かったし稜線歩きを楽しみましょう。
稜線を歩き始めるとすぐに山頂っぽい景色に出くわします。
鯨ヶ岳は標高615mなので感覚的には歩いてもせいぜい2-3km。山頂は景色がないと聞いているので、あれが山頂なのかなと思わせます?もちろん偽ピークなんですけどね。
ピークの手前には「娘さんよく聞けよ、山男にゃ惚れるなよ」なんてパウチがぶら下げてあって、なに気に山頂感を醸し出してるじゃないですか。
で、赤さびの看板をよーく見ると鯨ヶ岳山頂 ⇒20分って書いてあるのwww
もう少し錆びたら、だまされて帰る奴いるぞ、おいwww
稜線は分水嶺になってることが多く、その結果、市境になってることも多いです。ここ鯨ヶ岳の稜線もご多分に漏れず萩市と美祢市の市境・行政界の道となっていました。
市境はよく管理されるのでピンテ不要なくらい道が良いんです。3つくらい小山を越えて見上げると綺麗に整地された山頂が見えました。
鯨ヶ岳山頂
どなたが設置されたか分かりませんが、鯨ヶ岳山頂では可愛らしい鯨の描かれた看板がお出迎えしてくれました。ワロックに物申す方ってのはこういう看板もお嫌いなんですかね。僕はこういうウイットが効いたやつめっちゃ好き派です。
その看板には山口県百名山/三等三角点/615.9m/鯨ヶ岳/おおくじら/美祢市・萩市と書かれていました。
おおくじら? はい。萩市には鯨ヶ岳が2つありまして、今日登ってる615.93mの鯨ヶ岳(三等三角点/鯨岳/辺7)がおおくじら、川上村にある433.95mの鯨ヶ岳(三等三角点/蔵屋/辺11)がこくじらと呼ばれているようです。
鯨ヶ岳(通称:おおくじら)は三等三角点、基準点名は「鯨岳」、冠字選点番号は「辺7」。「辺」さんってあまり聞いたことないなあと思って家に戻ってから国土地理院を調べたのですが、美祢・長門・萩の三等三角点を中心に測量された方のようです。
聞いたことないってのは失礼な話で、僕が美祢・長門・萩あたりをあまり歩いていないせいでした。もう少し精進が必要なようです。
下馬評通りおおくじらからの景色はあまりありませんでした。大岩に座ってコーヒーを一杯。くつろぎます。
-y( ̄Д ̄)。oO○ 同じ道を戻っても面白くないなあ。
この前、山中峠の登山口確認しといたし逆に降りればきっとあそこに出るよなあ。でもあれかー。山中峠に降りたら28号と490号をぐるーっと回らなきゃ戻れないのか。んー。まあ歩けない距離じゃないな。今、12時18分だし、1時間で降りたとしてぐるっと回っても15時に車、16時には家に戻れるな。
よっしゃ行くかー。
というわけで山中峠に降りることにしました。
鯨ヶ岳山中峠コース
鯨ヶ岳山中峠コースは、可愛らしい鯨の看板横の道を降りていきますが、、、うわああ!写真を撮った時にデジカメのバッテリーが赤点滅に変わっちゃった。そう言えば昨夜デジカメ充電してなかった。
しゃーない、下山側はポイントを絞って写真を撮ることにしよう。
下山に使った山中峠コースは、沢や林道が続く二反田コースに比べると明らかに道が良いです。道は良いのですが傾斜がきつい。しかも降りたと思ったらまた登りで2つか3つの小山を越えながら道路まで降りて行くようになります。
鯨ヶ岳山頂から急傾斜を降りた鞍部は広場になっていました。この広場から見回すと横道もあるのですが、そっちは方向的に間違ってるよなあと思い直進することに。
1つ小山を登るとすぐに鉄塔がありました。道が良いのはこの鉄塔のせいかもしれません。
というのが、鉄塔1の下にも人的に伐採されたはげ山がありまして。そこも鞍部が広場になってるもんですから、もしかして重機が入れるような道があるんじゃないのかなーと思ったんですよね。
ところが、辺りを見回すと道がないんです。
この広場だけピンテもない。
まいったねえ、どっぴーかんの山の広場で迷子だよ。
戻っても仕方がないのではげ山を登ってみましたらその先に道を見つけました。
はげ山の上から振り返るとわかりやすい道で、どうやら鯨ヶ岳は山中峠側から歩く想定になってるようですね。
はげ山を越えて林を抜けると綺麗な稜線に出てきました。右も左も谷に落ちててOh! this is the 稜線って感じ。左右に林があるから怖くはないけどね。
そしてその向こうに鉄塔2が見えます。
鉄塔2の向こうにも稜線が続いていまして、こっちは木が伐採されてて乾いた土がズルズルと滑ります。山口の低山だとなかなかこんなルートはなく、一人だとちと怖い。
一方、目の前の木立が無くなったことで、県道28号線と大正洞に曲がる交差点の八幡池(これ二段池になってるので分かりやすいんです)が確認できました。
そもそも地図も見ずに「多分、山中峠に降りるんだろ」という推測と方向感覚だけで歩いてきてましたから、これでやっと安心できました。
稜線が終わると針葉樹の山道。これを下り林を抜けると赤白鉄塔に出てきました。山中峠ルートを下山に使うと、ここも道が分かりずらいのですが左側に降りる道を見つけたので無事クリアです。
赤白鉄塔からは竹林を下り、どなたかのお墓の横を通り過ぎると道路が見えてきます。県道28号線です。
先週も見た鯨ヶ岳山中峠登山口に無事辿り着きました。下山にかかった時間も予想通り1時間。なかなか冴えてます。
今日のルート
鯨ヶ岳の二反田登山口入口は国道490号線沿い。登山口からは美東大滝の上流を沢沿いに緩やかに登って行く。市境の稜線に出て小山を2~3越えれば鯨ヶ岳山頂。
鯨ヶ岳山頂は看板が可愛くて癒されるが、景色はない。
山中峠への下りは足元良好も急傾斜。鉄塔を3つ過ぎれば県道28号線に到着できる。
それぞれの登山口に車を置けば4.7kmの行程なので、休憩を入れても2時間半くらいで走破可能。
お薦めするわけじゃないけど、県道28号線から国道490号線と山麓を回って二反田登山口入口まで戻ると距離は13.7km。赤郷公民館を左に折れて歩いたことのない市道に入り、お寺さんを見たり鋳銭所跡を見たりというのも悪くない。悪くないというか、時間があるときに知らない道を歩くのは常に楽しい。そういう人にはいいと思う。
長文多謝。鯨ヶ岳おすすめです。