島根と山口の県境に、平家が隠れ住んだという平家ヶ岳があります。
平家ヶ岳は山口県百名山の一座なので前から行ってみたかったのですが、今回トライしてとにかく登山口にたどり着くまでの道が酷いことが分かりました。
なのでお気楽ハイクを楽しむ方には平家ヶ岳をお薦めしません。今回の記事は、山口県百名山の制覇を目指す変人向けですw
平家ヶ岳への行き方
平家ヶ岳を目指す時は、ナビに「平家屋敷跡」を入力してください。これでなんとなく行けちゃいそうな道が表示されます。
ナビはたぶん、鹿野ICから長野山を越えて木谷川沿いを登る道を示すはずです。
長野山から木谷川までは舗装路なので全然行けちゃいますが、木谷川を登る林道はRV車でなければ走れません。普通車で行くと泣きます。
ちなみに僕は別道で錦町から361号線に入り、香椎神社を経由して林道に入りました。こっちの方がひどいんですけどね。
轍の深いガタガタ道を恐々と進み、なんとか平家屋敷跡までたどり着きましたが、太い枝を踏んでフロントアンダーカバーの端を割っちゃいました。ま、ジムニーなんで多少の傷は気にしません。
平家屋敷跡の駐車場までは車を停められそうなところもないので、林道好きのあんちゃんが友達にいなければ平家ヶ岳はあきらめたほうが良いんじゃないかなあ。
まずは平家ヶ岳を迷ってみる
駐車場の話ですが、平家屋敷跡と呼ばれるところには車が6~7台置けるスペースがありました。
ここから轍の跡がまだ奥へと誘いますので、僕らは何も考えずに歩き始めましたが、これは間違いです。
まずは間違い部分を書いておきます。
平家屋敷跡
駐車スペースに平家屋敷跡の看板がありました。
この周辺が平家屋敷跡と呼ばれるところです。壇ノ浦の合戦に敗れた平家一門の松前隼人守は一時馬糞ヶ岳に移り住みました。しかしここも源氏の知るところとなり、松前一族はさらに源氏の追手から逃れ、この山峡に移り住み農耕や木地師をして暮らしたということです。
平家屋敷跡の看板
あたり一帯を歩きまくったのですが、残念ながら平家に関係してそうな史跡は一つも見つかりませんでした。「平家屋敷跡と呼ばれるところ」ということなので看板に偽りありとも言えない感じですね。
ただ木谷川に連なる小さな沢をいくつも見たので、昔の人も住みやすい場所ではあったろうなというのは感じました。農耕にも生活にも水は大事ですもんね。
平家屋敷跡の奥へ
しつこいのですが平家ヶ岳を目指すのであれば平家屋敷跡の駐車場から轍にそって奥へと進むのは間違いです。
でもこれだけ立派な轍があると、こっちで良いだろ?って思っちゃうじゃん。
しばらく進むと舗装された沢が出てきました。なかなか面白い景色です。
どうも、ずいぶん前に平家屋敷跡の整備事業としてお金がついたみたいですね。バブルの遺産的な。
日当たりが良いせいかこの辺りだけ雑草の伸びが良く、左右からも木が張り出していました。
なんか方向を間違っているような気がずっとしてるのですが、道があるのでしようがない。
ここら辺の岩、滑りますから気を付けてくださいよ。と言ったか言わないかのタイミングで、升井君が滑ってこけました。なかなか愉快。
ガチで痛そう。あの岩でこけて肘を打ったそうです。確かに不用意に足をかけると滑りそうな岩だわ。
ちなみにこの辺りは携帯の電波が届いていないので、大事にいたらなくて本当に良かったと思います。
万が一升井君が倒れたら放って帰るところだったぞ。
この先は舗装が崩れ落ちていたので、車で入ってこられるとしてもここまでですね。ま、車と言っても軽トラとかそんな感じですが。
で、その先が藪です。道はあるけど藪。
実はこの日の山行も升井君まかせでして、僕はYAMAPすら見ていないのでした。
立石:平家ヶ岳って藪漕ぎあった?
升井:軽い藪漕ぎはYAMAPで見ましたよ。
なるほど軽い藪こぎね。
立石:平家ヶ岳って藪漕ぎあった?
升井:軽い藪漕ぎはYAMAPで見ましたよ。
立石:これ軽くなくなくない?
升井:っすね。
道もなくなったので、さすがにGPSで確認をしてみました。
立石:平家ヶ岳、逆だね。
升井:っすね。
ま、全然いいんすよ。体力に余裕はあるし、冒険しにきてるんだから。バカ話をしながら平家屋敷跡まで戻りました。戻る道すがらだいたいの平家ヶ岳の位置も同定できました。
戻り路の途中に平家ヶ岳方向に入れそうなわき道を発見。あくまで方向がそっち向いてるってだけですが「平家ヶ岳はこちらでございます」のポーズを決める升井君です。
んじゃ行ってみるかと進むと行き止まり。
あれは砂防ダムか何かかな。たぶん工事の時の道が残ってたんじゃね。
おかしい。こうなると平家屋敷跡の看板まで戻っちゃうなあ。
平家ヶ岳登山
そんなこんなで3㎞くらい歩き、平家屋敷跡の駐車場まで戻ってきました。
立石:俺ら駐車場入ったけど直進じゃね?
升井:鎖あったし、あれ私有地でしょ?
立石:あっ!
平家ヶ岳登山口
立石:看板倒れとるやんけ!
そうなんです。発泡スチロールにベニヤを張っただけの登山口の道標が風に倒されて転がっていたのでした。
これに気が付くまで3㎞。まあ、面白かったからいっか。
ここで平家ヶ岳の入り方をまとめておきますね。
平家ヶ岳に登るなら、木谷川沿いの林道を鎖に突き当るまで進み、左手にある平家屋敷跡の駐車場に車を置いたら、人間は鎖をまたいで直進する。
これが正解です。
平家ヶ岳登山
ここまで冒険感たっぷりだったのですが、平家ヶ岳の登山はいたって普通です。
平家屋敷跡までの林道はひどいのに、鎖を跨いでからの道は結構よくて、なんなら舗装してあるところすらあります。
綺麗な舗装と言っても法面は崩落していたりするので、まあこんな山奥まで管理できなから鎖で通行止めにしてあるんだろうなあと思いました。
鎖を越えてからは本当に歩きやすい林道なので、お喋りに夢中になっていると山頂への道を見過ごします。
なのでここにも注意を入れておきます。
峠の頂上付近を回り込んで保安林の看板を見つけたら左を注視。
笹の隙間に登山口の看板が現れます。これを見過ごして進むと下りに入りますからさすがに気が付くとは思いますが一応、注意です。
ここまで緩い林道を歩いてきましたが、笹から先は急登開始。先ほどの看板に山頂まで500mとありましたが、結構長く感じられるので心を削られます。
というのが偽ピークが一回あるんです。もう登り切ったろうと思った頃に下りが入って、その先にワンモア急登。
こいつはいよいよ山頂に向けての本物なのですが、藪がひどくて、ちっと獣が怖い。
藪に獣はいないかなと恐々進むうちに空が開け、小さな山頂が姿を現します。
平家ヶ岳山頂
狭い山頂ですが平家ヶ岳には二等三角点がありました。
標高1066.31m、平家ヶ岳の二等三角点は冠字選点番号「以7」、基準点名「平家岳」で、三角点的には特段変わったところはありません。
以さんってどこかで見たっけ。覚えてないや。
さて今日も山頂一芸の時間です。平家ヶ岳、平家ヶ岳。うーんなにも思いつかないや。
とりあえずVOGUEで!
ここからノセテくるんですよ。
乗せるだけ乗せて落としてくるんです。
ま、お馬鹿なネタは置いといて、どこか見知った山はないかなーと見まわしてみましたら、升井君の肩越しに長野山が見えました。
てことはその左手が馬糞ヶ岳かな。
さらに視線を左に移していくと…
山頂から南南東の方向にやたらと高い鉄塔が見えたんです。方向的には水の尾だけどもっと手前かな?この写真に写ってるのって何なんすかね。
薄曇りの雲の中に消えそうに見えたんで、最初は竜巻でも起きてんのかなと思いましたが、やっぱ鉄塔ですよねえ。ずいぶん高いなあ。
だれかあの鉄塔の正体を知ってたら教えてください。よろしくお願いします。
平家ヶ岳 今日のお馬鹿ルート
というわけで平家ヶ岳、今日のお馬鹿ルートがこちらです。ちなみに升井君はこちらのルートを「勝利のビクトリーロード」と呼んでいました。それほどVでもないけどな。
S・Gは平家屋敷跡の駐車場です。
a.左上に伸びているのが平家屋敷奥の轍にそった間違いルートで、これが往復3㎞。
b.y字の右部分は林道をそのまま進んだら不思議な鉄塔にたどり着くんじゃね?と試してみた道です。最終的に下りに入っていったので多分たどり着かないだろうなあ。
今回も無駄に6㎞くらい歩いてますが、abを差し引くと駐車場と平家ヶ岳のピストンは2㎞くらいですね。
ま、地図を読まないで行くと冒険感は2倍増しだし、体力が続く限りは楽しく歩けるからいいんだよ。あきらかにやばそうなときは引き返すしね。
V!ヴイ!