島根県の秘境、大神ヶ岳に登ってきました

島根県の秘境、大神ヶ岳に登ってきました

山口・広島・島根、3県の県境に近い島根県の秘境、大神ヶ岳に登ってきました。この日一日だけで320㎞くらい走っちゃったので勝手に秘境扱いしていますが、僕が無茶苦茶な行き方をしたせいなんです。

  • 中国縦貫道から行けば良いものを山陽自動車道でバディの升井君を迎えに行った。
  • 山陽自動車道を岩国で降りれば良いものを「あの道は飽きた」との理由で大竹まで進んだ。
  • 大竹から北上すれば良いものを「セブンイレブンで買い物したい」との理由で大野まで進んだ。
  • 大竹まで戻れば良いものを「適当に北上しても行けるだろ」と狭い山道で佐伯へ向かった。
  • 吉和から大神ヶ嶽神社に抜ける国道488号線は通行止め。これまた適当な山道を走り、ようやく三坂八郎林道につながって、なんとか大神ヶ嶽神社に到着した。

といった感じで。いやー遠かったっす。中国縦貫道の吉和で降りるか益田から国道488を行くのが普通ですよね。はっはっは。最初っから大冒険ですわ。

大神ヶ岳登山口(大神ヶ嶽神社)
大神ヶ岳登山口(大神ヶ嶽神社)

帰りも山口県道12号線なんて秘境路線を通って長野山から鹿野に出たのですが、なんと島根県も同じ路線番号(島根県道12号線)なのでした。
え、県道ってそれぞれの県が勝手に番号付けるんじゃないの?それぞれの番号がたまたま重なることってすごくない?なんて疑問を持ちまして。
そのおかげで複数の都府県にわたる路線の整理番号の歴史を知ることができました。
そんな感じで往復320㎞楽しかったので良しです。

さ、山の話に行きましょ。

大神ヶ岳

大神ヶ岳は”おおがみがたけ”ではなく”だいじんがたき”と読みます。先にも述べましたが大神ヶ岳は山口・広島・島根、3県の県境にほど近い島根県益田市匹見町、通称裏匹見にあり、登山口からちょっと進めば広島県廿日市市に入ります。
登山口は大神ヶ嶽神社として地図に登録されています。駐車場は道を挟んで鳥居の真ん前です。

大神ヶ岳・立岩山(赤谷山)登山口
大神ヶ岳・立岩山(赤谷山)登山口

大神ヶ岳と赤谷山は益田市20名山にも登録されているようです。

市指定史跡名勝 大神ヶ嶽
標高約1,177mの大神ヶ嶽は、岩頭でそびえ、頂上には匹見天然杉などの古木、またヤブウツギ・イワカガミなどが自生するなど風光豊かな山地です。
この大神ヶ嶽の岩場には今も三坂大明神が祀られ、古くから女人禁制として、また天狗伝説などが語られるなど、修験道の聖地として信仰の対象にされてきたといわれています。

益田市教育委員会

ほほー女人禁制ですか。バディが升井君なんで大丈夫ですね。

天狗の真似をする升井君
天狗の真似をする升井君

登山口はこの鳥居。鳥居の扁額には大神ヶ嶽・三坂大明神・山葵天狗社とあります。
天狗と聞くとすぐに天狗の真似をする升井君。バディは本当に升井君で大丈夫なんだろうか…

ま、なにはともあれここからスタートです。

大神ヶ岳 登山

大神ヶ岳登山開始
大神ヶ岳登山開始

台風が近づいているのになぜか晴れたこの日曜、前日までの雨で足元は湿り気味ですが、滑ることもなく快適なスタートが切れました。

木橋を渡る
木橋を渡る

つづら折りが終わって木橋を渡り、山腹の細い道を巡っていくと再び沢が現れます。この2つ目の沢を離れてやや急な坂を上ると最初のイベント平岩が現れます。

平岩
平岩

層状に重なった大岩、これが平岩です。こういうときに「うむ、これは○○岩だね」なんて言えると格好いいのですが、まだまだ岩石の道は険しく、僕にはわかりません。
平岩は平岩という名前以外に特段説明の看板もありませんでした。修験関係かしら。

山葵天狗社
山葵天狗社

平岩からすぐに山葵天狗社。お社の扉には天狗のトレードマークである羽団扇(はうちわ)が記してありました。洒落てますねえ。

それにしてもなんで天狗様に山葵(わさび)の名が冠してあるんでしょう。このあたりも昔から山葵が名産だったのかなあ。

立石注.島根県益田市を流れる高津川は国交省の一級河川水質調査で1位を獲得しており、日本一の清流としてその名をはせています。裏匹見あたりにもその源流がありますが、高津川沿いの道の駅日原などでは山葵を売っていたりします。そのせいかな。なんで天狗様の頭についたのか知らんけど。

山葵天狗社様については後日調べましたので追記しておきます。

くぐり岩
くぐり岩

少し上ってくぐり岩。2つの大岩がもたれかかるように立っており、その隙間を山道が続いています。
僕は、YAMAPでこのくぐり岩の写真を見て大神ヶ岳に行ってみたいなって思ったんです。
記念写真を一枚。

きゃー助けてー
きゃー助けてー

すみません。くぐり岩から少しだけ登ると次は三坂大明神様がいらっしゃいます。

三坂大明神様
三坂大明神様

くにびき国体採火の地、三坂大明神に到着です。最初にお社にご挨拶。祠をよくよく拝見すると台座が傾いてるじゃないですか。手直しをしたいけれども、余計に壊したら洒落になりません。そもそもお社に手をかけるなんてのは余所者がやることではありませんし、お気づきになった地の方に是非お直しをお願いできればと思います。

ところで、後から調べたのですがこの三坂大明神は女神様なんだそうです(言われてみれば岩の割れ目がホトに見えなくもないような…)。修験の山で女神を奉じるのは珍しい気もしますが、少なくとも女人禁制の理由はわかりました。女性が山に立ち入ると神様が嫉妬するからですね。

さて、僕のバディの升井君はよほど女神さまに気に入られたと見え、写真にオーブが写り込みました。はたして彼は無事に山を降りることができるのでしょうか。

そろそろ山頂かなーとのんきな升井君
そろそろ山頂かなーとのんきな升井君

大神ヶ岳 山頂

木の間に空が開け始め、赤谷山との分岐を見つけたら、大神ヶ岳山頂まではあと少しです。

大神ヶ岳山頂まで最後の登り
大神ヶ岳山頂まで最後の登り

岩をよいしょよいしょと登れば急に景色が開けます。僕はこの最後の登りで足元に気を取られ、木にしこたま肩をぶつけてしまいました。うう…痛てぇ。

一方、升井君。

何やってんすか。景色最高っすよ。
何やってんすか。景色最高っすよ。

立石:いやお前( 一一)危ないよそれ。

升井君が座ってる向こうは断崖絶壁。この日は台風の余波か帽子も飛んじゃうような大風。
彼はこの後、岩の上に立ってました。

升井:あ、そう言えば山頂の印がないっすね。

そうそう。この三角に突き出した岩は大神ヶ岳の山頂ではないのでした。もう少し奥に進むと「大神ヶ岳」の看板のある岩があります。

大神ヶ岳山頂
大神ヶ岳山頂

悔しいけどめっちゃ格好いい「風に立ち向かう男」みたいな写真が撮れたのでこちらを大神ヶ岳山頂としておきます。

大神ヶ岳山頂2
大神ヶ岳山頂2

同じ大神ヶ岳山頂の写真です。カメラマンの腕のせいか被写体の問題か。。。

この後、大神ヶ岳の奥を下り始めるまで歩いてみました。あまり足元は良くなく木の根っこの上に土が被さったような頼りない感触のフワフワした道で危険な香りがします。下りが何処に続くかもわからないので、取って返して赤谷山へと行くことにしました。

赤谷山

事前の情報を調べていなったのですが、升井君曰く赤谷山の岩のほうが有名らしいです。

赤谷山への分岐でおむすび山のポーズ
赤谷山への分岐でおむすび山のポーズ

実は大神ヶ岳への最後の登りで打ちつけた肩が痛くて、もう降りてもいいかなと思っていたのですが、「あかたに~あかたに~、あかたに~いぃぃぃ~、あかたに~」とおむすび山のポーズをとる升井君に抗えず「それ高杉開発だから!」と赤谷山へ行くことにしました。自分でも何言ってるのかわかりませんが。肩は痛いけど指も動くし、単に打ち身かなって判断で行っちゃおうと。
でも赤谷山への道のりはなかなかハードなんです。

笹藪
笹藪

まずは笹藪。この笹藪は漕ぐ必要がないので大したこっちゃないのですが、気持ち的にクマちゃんが出そうな感じはずっとあります

と言うのが(記事が長くて忘れているかもしれませんが)ここは山口県と広島県と島根県の県境に近い島根の秘境ですから。おそらく1㎞四方に人間は僕と升井君だけ。なんなら1:3くらいでクマのほうが比率が高いかもしれない。実際、吉和からこっち誰にも会ってませんしね。

赤谷山へは道があまりよくない
赤谷山へは道があまりよくない

大神ヶ岳に登る道に比べると赤谷山に向かう道はあまり良いとは言えません。踏み跡はあるので迷うほどではないのですが、それほど人が通っていないと思われ、左右から雑草が顔を覗かせます。
濡れそぼった草陰にはカナヘビがちょろちょろして驚かせます。「おっとー!」と足を止めることもしばしば。

赤谷山かなと思ったら
赤谷山かなと思ったら
途中の展望台でした
途中の展望台でした

この展望台からは見渡す限り山また山で人工物の一つも見えません。さすが三県の県境。それはそれで凄いなと思うのですが、一方で見知った山がないことには方向もつかめずいまいち景色を楽しめないのでした。
砂地もない草ぼうぼうの展望台だったので、休憩もせずに先に進むことします。

赤谷山の立岩
赤谷山の立岩

展望台からわずかに進むと大神ヶ岳・赤谷山ルートでよく皆さんが写真を載せていらっしゃる立岩が見えてきました。

このあたりから道に岩が混じってくるのですが、湿った道・岩・草陰と三拍子そろうとマムシちゃんの登場です。

先頭を歩いていた升井君が「うおっ!」と退きました。

立石:どした?
升井:道の真ん中で日向ぼっこしてました。
立石:どこいった。
升井:あれっす。
立石:おお!太いねえ。

ずんぐりむっくりな丸斑点が笹藪の陰に逃げていくのが見えました。この日は3匹マムシを見たのですが、これが一番大きかった。
岩場の近くはこれが怖いんだよなあ。

今度は逃げません
今度は逃げません

またも立ち止まる升井君。

升井:石か木はないっすか?
立石:どした?
升井:今度は逃げません

道の真ん中にマムシが居座ってるみたいです。少し戻って木の枝を折り升井君に渡しました。

升井:えいっ!
立石:どう?
升井:どこ行ったか分かりません

どうしようもないのでマムシに咬まれないことを祈って駆け抜けました。

その先にはロープが張られた急登がありいよいよ赤谷山の山頂かなと思わせます。

この上が赤谷山と思うじゃん
この上が赤谷山と思うじゃん

こんなロープの急登があったらそろそろ山頂かと思うじゃん。違うんですよね。これは立岩を越えているだけで、赤谷山はまだ先なんです。

立岩を上から見る
立岩を上から見る

登りの際はマムシのことが強く頭にあったのでスルーしたのですが、実はあの突き出した岩は上からのぞき込むことができます。

落ちると怖いので藪の中をズリズリと腹ばいになって進むんですけどね、そんな恰好、マムシのこと覚えてたら絶対にできんわ!

なんですが、3歩歩いたら忘れる鶏頭なので帰りに腹ばいになってみました。

立岩を上からのぞき込む
こりゃなかなか怖いね

赤谷山 山頂

藪にもマムシにも負けず赤谷山山頂に到着。

赤谷山 山頂
赤谷山 山頂

赤谷山の山頂は片面だけ開けていて、たぶん左手に寂地山が見えてるんじゃないかと思うのですが、山また山でどれだか分かりませんでした。

赤谷山の二等三角点
赤谷山の二等三角点

赤谷山には二等三角点がありましたが、島根県だし三角点の情報はまいっかw

今日のルート

島根の秘境、大神ヶ岳から赤谷山
島根の秘境、大神ヶ岳から赤谷山

三坂八郎林道にある大神ヶ嶽神社からスタート。大神ヶ岳山頂までは足元もよく平岩、山葵天狗社、くぐり岩、三坂大明神と見どころの多い神秘を感じさせる道をテンポよく登れる。大神ヶ岳山頂では絶壁の大岩上に立てるのも良い。
大神ヶ岳から赤谷山に縦走すると道は一転、季節によってはやぶ漕ぎ、岩場にはマムシも多数生息し、よっぽど数寄者じゃなければ大神ヶ岳で満足して帰っても良い気がします。
地図はなんとなく三県の県境を入れておきました。帰りも遠いよー。

おまけ

大神ヶ岳・赤谷山に満足して降りてきたら、車のフロントガラスにナナフシが張り付いていました。

ナナフシがフロントガラスに
ナナフシがフロントガラスに

お尻がちょっと膨らんで見えるんだけどもしかしてオス? オスだったら大発見!なんて思ったんだけど

基本的に両性生殖だが、ナナフシモドキなどは単為生殖を行い、オスが非常に稀である。

ナナフシWiki

ちっ!モドキの話だったか。国内十数例目で有名人になれるかと思ったのにさ。

そんじゃまた来週。

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