所用で宇部へ。午前中に用件を済ませ、せっかくなら宇部近辺の簡単な山をと観音岳に行ってきました。
この日は15時くらいから雨予報でして、観音岳なら2時間で帰ってこれるでしょというお気楽ハイキング。
そんな山行でイノシシに出逢ってしまうとは…
観音岳ルート
今日歩いたルートです。
[下のS]馬の背池から入って左のルートを遊歩道と林道を進みます。観音岳は左上の外れたところ。
観音岳を降りた後に再び林道を進み、沢沿いの古びた舗装路へ(ここで猪に遭遇)。
左にぐいと折れて管理道に戻ればあとは道なりです。
馬の背池へ
観音岳は霜降山の馬の背池コースの途中にある山です。
馬の背池は検索すれば出てくるので簡単に。東小羽山近くのモッチモパスタの交差点を山側に入りトタン壁を鋭角に曲がれば駐車スペースまで行けます。車は5~6台置けます。トイレはありません。トタン壁から先は舗装されていませんが普通車でぜんぜん行けちゃう道です。
駐車スペースの真ん前が馬の背池コースの入口になります。馬の背池・馬の背遊歩道入口の看板も見えます。
遊歩道の名前に違わぬ気持ちよさで林道を過ぎると馬の背上池が見えてきます。池の横をぐるっと回ると広場に出てきました。
右が馬の背上池、左が馬の背下池。この真ん中を突っ切って進みます。ここは気持ちいいですよ。この広場でピクニックしたいくらい。
遊歩道と林道
池を突っ切ると岩、庭園のような生垣、林、遊歩道の名にふさわしい道が続きます。
本当に気持ちのいい道。皆が霜降山に入るときに馬の背池コースを使う理由がわかります。
遊歩道はここまで。広場のような突き当りに出るとそこから先は車が通れそうな林道になります。
この林道がまた良いです。登ってるような下ってるようななだらかな道が続きます。
まるで森林公園を歩いているような感じです。山を歩いたことのない婦女子とお弁当を抱えてピクニックなんていうのにも適してるんじゃないかな。
このあたりで4人組のパーティとご挨拶をかわしました。同じ駐車スペースに車を置かれていた方かと思われます。となるとこの先、同じルートには人が居ないわけです。一人か。まあお気楽コースだし大丈夫か。
観音岳へ
森林浴気分で林道を上がっているうちに分岐が現れます。
末信1.5kmのちょいと向こうを見ると「展望岩5分・観音岳」の看板が見えます。これですね。
展望岩
この展望岩からは、藤山(中山)から厚東川を越えて厚南が見えます。霞んでますが正面には小野田の竜王山も見えます。
風も上がってくるし日陰もある岩です。この岩はあまりにも気持ちがいいのでしばらく休憩しました。
観音岳
ヤマレコで見た地図では観音岩まで5分程度くらいだろうと思っていたのですが…こちらの道は誰も歩いてないようで
道が荒れ倒木があったり、大きなクモが巣を張っていたり、岩越えがあったり、シダシダまたシダだったりなかなか大変でした。
その先に観音岳がありました。まじで途中で帰ろうかと思ったのは秘密です。
いやシンプル。これシンプルすぎるっしょ。
観音岳の山頂にも大岩がありましていくつか乗っかってみたのですがさしたる景色もなく。
そんな中、唯一目を引いたのがこの貯水タンクです。観音岳からめっちゃ近いところに貯水タンクが見えるんです。あれだけでかい貯水タンクがあるなら車で登れる裏道があるに違いありません。
道迷い
観音岳の山頂からは厚東川方面に降りる道もあったのですが、明らかに車を停めた場所から離れていくように思えるので、展望岩を経由して元の林道まで戻りました。
そのまま降りてしまっては味気ないので霜降山の方向に向かいます。
すると舗装された道に出てきました。
ははーん、これを左に降りれば貯水タンクにつながるってわけだ。ちなみにここは三叉路になってまして、左に降りれば貯水タンク。もう一つは直進で「管理道」と書かれた山に入っていく道。そして残る一つは舗装路です。
狙っていた観音岳はすでに登り終えました。今日は霜降山まで行くつもりはありません。
さてあなたならどの道を選びますか。
舗装路ですよね。
方向的にも駐車場に向いているので僕も舗装路をチョイスしました。
でもこれが間違いだったのです。
猪に脅された!
入口は良い舗装路でしたが途中から舗装も割れ隙間から雑草が伸び放題になっていました。左からは森が押し寄せ、むき出しの土のところどころに掘り返しの跡もあります。右下には沢が流れ、道のわきには括り罠の注意看板も。
この壊れた舗装路がとにかく長くて、僕の中ではずっとアラートが鳴り響いているのですが、一方で今さら引き返してもなあという気もします。
とにかく舗装路であることは間違いなのでいずれどこかにつながるはず。今はここを抜けるしかないのだと鈴を勢いよくリンリンと鳴らしながら足早に進んでいたのですが、ケモノ臭…いや猛烈なウンコの香りが…
これはやばい。完全にやばいパターンです。
いっそう足を早めてそこを通り抜けようとしたその時、背後からガサッ!と何かが藪をかき分ける音が!
その瞬間、僕は首をすくめヴワーッ!と腹の底から叫び声が出ました。威嚇しようなんて思ったわけじゃなく、とにかく驚いてビビりまくって大声が出たんです。
叫びながら一歩飛びのき正体を見るために振り返ってみますが、森の方にはすでに何もおらず、もう片足を引いて反転すると、下の沢を上流に向けて駆けていくイノシシが見えました。
山から飛び出たイノシシはすでに沢まで駆け降りていたのです。
それほど大きな個体ではなかったと思いますが、あんなスピードであんな近距離から突進されていたら僕なんか2mくらい吹っ飛ばされてたんじゃないか。
とにかくその後は大声を出しながら気味の悪い道を足早に駆け抜けました。
管理道へ
しばし進むと再び綺麗な舗装が戻ってきました。一安心かと思いきやそこがまた分かれ道だったんです。
直進は竹やぶに入っていく道。左は登りですが舗装路です。駐車場に向かうなら直進ですが、先ほどのイノシシで参っていたのでさすがに携帯で地図を開きました。
どうやら左に上がっていけば本道に通じるようです。
左に上る道も倒木があったりとあまり良い道ではなかったのですが、とにもかくにも本道につながったことで安心しました。この本道がいわゆる管理道で、最初の入りが良いからと沢沿いに進んだのが失敗だったわけです。
管理道は本当に良い道で、途中に柳平広場があったりちょいと遠回りではあるものの明るい稜線を歩いていくだけの道でした。
この道どこに出るのかなと思ったら、モッチモから入ってトタンの壁を馬の背池に曲がらずに進んだ突き当りの車両進入禁止の林道なのでした。
以前、霜降山を歩いたときも魔の五叉路に騙されてずいぶんと迷いました。宇部の霜降山界隈は道が入り組んでいるので、ちゃんと地図を見ながら歩いたほうが良いみたいです。なんか当たり前の落ちですみません。
なんにせよ今回も怪我がなくて良かった。生きてるって素晴らしいね。