山口県最高峰の寂地山(1,337m)にハイキングに行ってきました。前記事に登場した升井君が「今週も山に行きましょうよ!」って誘ってくるもんでね。
寂地山登山口
寂地山の登山口は寂地峡にあります。カーナビに入れるなら寂地峡案内所でOK。こちらキャンプ場の管理棟です。
この案内所の前が駐車場になっていまして、ざっと20台程度の車が停められます。入口から左手に第2駐車場の案内も見えました。
案内所の横に寂地山歩道ルート図の看板がありました。升井君の腕でルートが見えませんがw
彼の肘あたりから上に伸びているのが寂地峡ルートで、みのこし峠にぶつかって右に進めば寂地山(彼の指の先)です。帰りは指から下に降りて犬戻の滝ルートで帰ってこようと思います。
天候は上々、本日の気温16度。そんじゃ出発しまーす。
寂地峡ルート
寂地峡ルートへは管理棟の右でも左でも構わないので山に向かって歩き始めます。
僕らは管理棟の右の車道を上がっていきました。寂地峡入口の看板を見つけて左へと降りていきます。
ちなみにこの車道を直進すると、下りで使った犬戻の滝ルートになりますが、あまり楽しい道ではないので、寂地峡ルートを進むことをお薦めします。
寂地峡五龍の滝
車道を降りてすぐに滝が見え、その手前に石碑がありました。
升井君から「俺、家族でけっこう寂地峡は来てるんで任せてください」との頼もしい言葉。
「お!それじゃこの先はどんな感じなの?」と聞くと
「いや、行ったことないっす!」ときっぱり。
役にたたねえw
寂地峡五龍の滝は先ほどの龍尾の滝に始まり、登龍の滝、白龍の滝、龍門の滝と続いて最上段には龍頭の滝があります。尻尾から始まって頭へ。登り龍やね。縁起がいい。
どれがどの滝か正確には思い出せませんが、しばらく滝見道をお楽しみください。
どの滝も良かったのですが、僕的には最後の龍頭の滝の大きな岩に挟まれ水が勢いよく落ちていく感じが気に入りました。
縦に大きく伸びる岩を見て、ああここは全体が岩山なんだなって理解できるのと、見上げた時に青い空が抜けていくのが良いんです。
この景色はあまりに素敵なのでビデオに残しておきました。人間の目で見ないと感動は伝わらないかもしれませんが、記事の最後に追加しておきます。
分かれ道
寂地峡五龍の滝を登りきると分かれ道があります。
看板を見るとなんか元の位置に戻っちゃいそうですね。おいおいもしかしてルート間違えちゃった?寂地山に入るのってもうちょい歩道を進むんだったかな?と不安になります。
まいっか。立ち止まってもしようがないし、取り合えず寂地山方向のCコースに進もうぜとトンネルをくぐることにします。
トンネルをくぐって3分も歩くと橋があり、その向こうに何やら看板が見えてきました。
おお!この看板を左に行けば190分で寂地山に到着と看板が出てます。「俺のコース選択間違ってなかったでしょ!」と得意満面の升井君。いや、君、さっきまでめっちゃ不安な顔しとったやん。
ちなみに周回ルートのCコースは、看板ではここから右に回っていくことになっていましたが、コースが崩れてるのか立入禁止になっていました。なので近々に滝を楽しまれる方は、Aコースをチョイスされたほうが良いでしょう。
寂地峡ルート 取りつき
登り190分とはなかなかのコースですが、取りつきの1時間は緩く沢を登っていく感じです。
大体1時間歩いたあたり。道と沢が近接しているところがあったので僕の煙草のために小休止です。
もちろん携帯灰皿は持っているのですが、万が一にも落ち葉の上で煙草をポロっと落とすと嫌なので、沢に移って水の上で一服させてもらいました。
さて、再スタートじゃ。
寂地峡ルート 中盤
この橋を渡ってからは斜度が上がり、ありがた迷惑な木止めの階段も現れます。
沢は徐々に小さくなっていきます。これは沢登りの山にありがちな光景ですね。
この間、升井君は元気そのものでしたが、僕は正直息も切れ切れな感じで、階段を3段上がっては立ち止まり「靴の紐を結びなおそう」とか「コーヒー休憩しよう」とか言い訳ばかりしていました。
弱気になると弄られるんです。
僕「1,300mは俺には無理やったんや」
升「いつなら大丈夫なんすかw」
僕「5年後w」
升「じじいじゃないっすかw」
いや、お前と歩くとずっと話し続けるから息が切れるんよ。マジで。たんびに笑うし。息吸う暇ないし。休憩にならんのよ。
このあたりになると、山頂方向の林の向こうに空が見え始めました。こりゃ尾根か稜線が近いね。
みのこし峠から寂地山へ
予想通りに尾根につきました。ここがミノコシ峠です。
ミノコシ峠に上がったところから左が右谷山(標高1,234m、山口県2位)まで0.8km・30分、右が寂地山(標高1,337m、山口県1位)に2.3km・80分だったかな。
80分!?
このズタボロの体で80分って、俺死ぬんじゃね?と思ったのですが、おじちゃんおばちゃん方がミノコシ峠で休んでらしたので、休憩を取らずにそのまま寂地山方向へ。
どうせ稜線だろとは思うのですが、地図読みだと少なくとも1つは山を越えそうに思えます。だって2.3kmで80分っておかしくね?
そんな僕の心のささくれを癒してくれるのはみのこし峠のカタクリしかありません。
寂地山はカタクリの群生で有名だそうで。カタクリについては寂地峡案内所の横の看板の一部を書き写しておきますね。
カタクリ
山口県自然観察指導員協議会
カタクリは、早春に地上に現れ、その後、葉や茎は枯れてしまう。地上に姿を表す期間は4~5週間程度で、群落での開花期間は2週間程度と短い。このためニリンソウなどとともに「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれている。
見つけたー!と思って写真に撮ったのですが、その先に歩いていくといっぱい咲いていました。タイミングが合うと珍しいとも思わないねw
みのこし峠から稜線歩きなんて甘いことを考えていると、まだまだ階段が続きます。あと2.8kmあるので空が見えてもどうせ偽ピークでしょとしか思えません。
あ、思い出した。そう言えば升井君、残り1.2kmの看板を見たところで「1.2kmって言えば、あと1mが120個ですよ!」とか言ってたよ。即座に修正してたけど、多分、空気が薄くて高山病にかかってたんだと思う。大事がなければ良いのだけど(うひひw)
この先、寂地山0.2kmの道標ところにベンチがあるので少し休憩(ここから林道への分岐が犬戻の滝ルートです)。
でもこの休憩が失敗で体が急に冷えてしまいました。平地の気温16度でしたが山頂近くは思いのほか寒い。上着を着てラストスパートです。
寂地山山頂
寂地山山頂に到着です。
山頂に到着して最初にお出迎えしてくれるのは、山口国体の炬火採火ノ地(たいまつさいかのち)の碑。第18回は宇部の100m道路ができた時だったかな。昭和38年だとさすがに生まれてないわ。
その右横には平成23年(2011年)の第66回大会「おいでませ!山口国体」の時の採火の碑もあったよ。これはほんこの前のことやね。
寂地山は山口県の最高峰。この写真を撮った後に寂地山山頂を歩き回り三角点を探したのですが、なんと!見つかりませんでした。
まあねえ、広島第2位の標高を誇る冠山が近くにあるし、右谷山とか小五郎山もあるから40kmメッシュに引っかからなかったと言われればそれはまあしようがない。
でもさー、せめて2等とか、いやさこの際3等でも4等でも構わないから三角点は置いて欲しいなあ。山口県民の誇り的に。
今日のお昼ご飯は「道の駅 ピュアラインにしき」で買った「にしきの天然水」でお湯を沸かしてカップヌードルです。山を降りるまでお腹が持たないかもしれないのでセブンのおにぎりも。
ミニカップヌードルに必要なお湯の量が一個当たり170ml。DAISOメスティンで340mlのお湯を沸かすのに45mlのメチルアルコールを持ってきました。エバニューチタンでこの量、沸騰に問題なしでした。
食後のデザートには升井君が持ってきたクリーム玄米ブラン。デザートまでいただけるなんて素敵なことよね。
犬戻の滝ルート
僕らは下りに犬戻の滝のルートを選択しましたが、正直、以下の理由からこのルートはお薦めしません。
- 最初は階段だらけで急
- 犬戻の滝は立ち入り禁止
- 結果、見るべきところが少ない
- 延々、林道(車道)を歩くはめになる
寂地峡ルートのピストンが正解かもしれません。でも同じ道を歩いても面白くないって人はこっちもありかなって程度で。面白くなかったので写真も少なめです。
寂地山の山頂手前0.2kmのベンチに分岐があり、それを降りていくのが犬戻の滝ルートです。
最初、急な階段があってその後緩みます。「まあ、山頂付近は階段よね」と納得して下っているとその後延々階段を降りるという酷い目に合います。
でも悪いことばかりじゃなくてね。
寂地山って水溪が多く凄く水が豊かな山だと思うんですよね。
それでそうした水がどこから来てるかというと、こうした山肌から滲みだした岩清水が集まって、最終的に溪を作っていってるんです。
なんかこういう水量の豊かな岩清水とかずっと見ていられます。癒される感じね。これもビデオを撮っておきました。最後にどうぞ。
寂地林道まで0.5kmの看板を過ぎたあたりから急な階段が収まって、間伐された杉林に移り、傾斜も緩やかになりました。ここからはしばらく沢沿いを降ります。
道の端にゼンマイ。「お!すげーゼンマイ!」と写真を撮りながら升井君に声をかけると「またまた。わらびでしょー!」と。
´-`).。oO(いやゼンマイだよ)と思いながら「そっかーwww」と僕は争いません。長いものには巻かれろってスタイル。ゼンマイだけに。
ゼンマイ結構、ありましたよ。持って帰れないけど。
眼下にコンクリの橋を発見しました!その向こうに車の旋回できそうな広場があって、この広場から林道が始まります。
お前ホント元気やなあ。
この後、広場の向こうの林道に出てから「林道リンドー!リンド、リンド、リンドー、オォオ」と歌うと、升井君めっちゃジャンプしてました(写真は割愛します)
飛び降りたタイミングの写真しか残ってなかったので割愛しようと思ったのですが、せっかくなので林道リンド(笑)
その先、林道を歩いていましたら「犬戻遊歩道」への道標がありました。右に少し降りてみると犬戻遊歩道は橋が壊れてるとかなんとかで通行止の看板ありでした。
この位置からでも轟轟と音の聞こえる大きな滝が下にあるようなのですが、立入禁止とあれば諦めるしかありません。
ここまでの道は林道と言いながら、崖側から結構ゴロタが落ちてまして、ガレた道だったんですよ。
で、犬戻遊歩道の向こうで、なんか白いなーコンクリの道に代わるのかなーと思ったら、舗装前の均された道でした。このあたりはまだ崖側からゴロタが落ちてきてます。
そこからしばらくしてコンクリに変わり、犬戻の滝からの支道との合流点でアスファルトに変わり、里に下りてきたかなと思ったら寂地峡のキャンプサイトを右に見て、案内所に到着です。下り2時間はこんな感じです。
今日のルートとまとめ
寂地峡案内所から寂地峡ルート(左)で上がって、犬戻の滝ルート(右)で降り、距離は12.8km。獲得標高が1,130m弱。初心者の僕で登山時間は登りに3時間、下りが2時間、休憩1時間ってところです。
朝7時に家を出て19時に帰着。今日は12時間ぶっ通しで遊んじゃったよ。楽しかったー。山降りたらきつかったこと忘れちゃうんだよね。今度は右谷山に行こう。5年後じゃなくて近いうちにね。
龍頭の滝の映像
岩清水の映像