11月21日に旧桂ヶ谷貯水池と旧羽根越貯水池という2つの廃ダムを巡ってきたのですが、まずはなぜ山じゃなくダム巡りなのかという話から始めましょう。
それは1つの動画がきっかけなのです。
ナンブエリアRAPの話
山口市定住促進課が11月1日にリリースした山口市南部地域のPR動画「ナンブエリアRAP」をご存じでしょうか。
ご存じでない方のために山口市のホームページから記事を拝借します。
瀬戸内に面した南部地域(陶・鋳銭司・名田島・秋穂二島・嘉川・佐山・小郡・秋穂・阿知須)の魅力をお伝えするプロモーション動画が完成しました。
山口市定住促進課 2020/11/01
みなみぃ♪ってキーフレーズが頭に残ります。
僕的には見知った場所がたくさん出てくるのが嬉しく、楽しく拝見したのですが、0分40秒あたりに出てくる旧桂ヶ谷貯水池堰堤ってなに!? 見たことないよ。
こんな洒落た場所が地元にあるなんて僕は知りませんでした。
こりゃ行くしかないでしょ。
旧桂ヶ谷貯水池への行き方
地図で調べてみたら旧桂ヶ谷貯水池はさして遠くありません。まあ山口市南部ですから、僕にとっては庭みたいなもんです。
それじゃ早速行きましょう。
山口市街から小郡に向けて9号線を下り、長ちゃんの交差点を美東に曲がって県道28号に入ります。
昔の宇部有料道路の高架をくぐったら左手に注目。
最初に見つけた白い橋を渡ります。
四十八瀬川と秋吉台自転車道を越えたところに、上記の林道市原線の道標と、旧桂ヶ谷貯水池(100m先左へ)と旧羽根越貯水池(1000m先)が記された看板があります。
先の看板から100m進むと道が二股に分かれています。右が林道市原線。車はいったん林道の脇に停めさせてもらいましょう。
二股のところの看板に寄ってみました。国指定登録有形文化財なんですね。すげー。今まで知らなかったのが不思議なくらいです。
先ほどの看板から5m先左手に鉄柱が立っています。ここが旧桂ヶ谷貯水池への入口です。銀杏の絨毯も気持ちいい。
ここから軽い山道です。
山道と言っても十分踏まれている野道で、めちゃめちゃ歩きやすいです。
下の写真の稜線まで5分程度、息切れしない程度の勾配しかありません。
向こうが見渡せる稜線に出ました。
稜線から左に非常に良い道がありますが、これは鉄塔に登って行き止まりです。実際に登った僕が言うのですから間違いありません(笑)
写真の稜線まで出たらさらに前進。そうすると右斜め前方向に下に降りていく道が見えます。これを降ります。
旧桂ヶ谷貯水池堰堤
先ほどの道を降りると左手に旧桂ヶ谷貯水池堰堤が見え始めます。いったん、右に進んで全景を写してみました。
旧桂ヶ谷貯水池堰堤は大正期のものだそうですよ。
文化遺産オンラインから。
山口県
文化遺産オンライン
大正/1923/2015改修
重力式コンクリート造堰堤、堤長24m、堤高13m
1基
山口県山口市小郡上郷2915
登録年月日:20160801
山口市
登録有形文化財(建造物)
椹野川水系四十八瀬川右支桂ヶ谷川に築かれた旧水道堰堤。堤長二四メートル、堤高一三メートル規模、表面石積の重力式コンクリート造堰堤。緩やかなアーチ平面と、煉瓦積で丁寧に築いた取水塔及び高欄が特徴的。中国地方につくられた初期の水道堰堤の一つ。
詳細については、(財)山口県建設技術センターさんの資料も良いです。
https://www.yama-ctc.or.jp/johoshi/johoshi.img/42.pdf
なんだか遠目にもロマンあふれる感じですね。
では徐々に近づいていきましょう。
残念ながら堰堤の上は立入禁止の鎖がかかっていました。
足元がズボッと抜けるなんてことはないと思いますが、高いところは怖いのでここはルールを守っておきましょう。
その代わりに、出水側に下る道がありましたのでこれを行ってみることにします。
降りられそうな崖がありましたので、下まで降りてみました。
池側に水が溜まっている風ではなかったのですが、横の溝からチョロチョロと水が流れています。
撮影の腕がないのでこの程度ですが、自分の目で見るとなんとも風情のある廃ダムでした。
旧羽根越貯水池へ
旧桂ヶ谷貯水池堰堤を見終わり、林道市原線の二股まで戻ってきました。
林道市原線の900m先に、元小郡上水道貯水池 旧羽根越貯水池があるようです。
行って帰って1.8kmですか。
旧桂ヶ谷貯水池堰堤までがあまりにもあっけなかったので散歩がてら行ってみることにします。
二股のところが狭かったので車を置いてきたのですが、林道市原線は轍も綺麗に出ており脇も広いので普通車で問題なく奥に行けます。
狩猟の注意看板を発見。看板には箱罠1、くくり罠5と記入されていました。
箱罠は間違えて入ることはないので問題ありませんが、くくり罠は怖いですね。足をぎゅっとやられちゃう。
まあ、でもね、こういう罠が設置されてるってことは、かかった獣を運び出すための道路が整備されてるってことですよ。
なので獣道に入らなければ安心ってこと。
まさか県道ってことはないと思うのですが、林道市原線の一部に黄色のガードレールが設置されていました。一部っていうのは橋のところです。
それ以外は川側にガードレールなしです。が、道路わきに十分なスペースがとられているので夜でなければ普通車でも問題ありません。
林道市原線は地図で見る限り行き止まりなのですが、これだけ轍があるってことは小野湖方面に抜けてるのかな?
だれか奥まで行ってみてください。
林道沿いに歩いていると四十八瀬川の支流が山側へ入っていってました。
距離的にもそろそろかなというところなので、多分、木立の向こうに見えるのが旧羽根越貯水池の堰堤なのでしょう。残念ながら水道局の立入禁止の看板があるのでこの奥には進めません。
羽根越貯水池堰堤は昭和3年3月に完成。堰堤のど真ん中にレトロ感漂う取水塔があったようですが、残念ながら2015年から2016年にかけての工事で取り払われ水が溜まらないように近代化されたようです。
過去の雄姿は(財)山口県建設技術センターさんの資料からどうぞ。
https://www.yama-ctc.or.jp/johoshi/johoshi.img/43.pdf
一番楽しみな堤体を見せてくれないので、旧羽根越貯水池は車でちょちょっと行って帰ってきたほうが良いですね。
最後にナンブエリアRAPをもう一度
実は知人が出てます^^
ナンブエリアRAPの話に戻りますが、実は2分33秒あたりに出てくる自転車のお兄ちゃんは僕が自転車やってた頃のお知り合い(お友達というには恐れ多い)です。
ジュンちゃんかっちょ良いので、是非見てあげて。
山口県秋穂産『活き車海老』
同RAPに出ていますが、山口市南部の秋穂はクルマエビ商業養殖発祥の地です。
秋穂では毎年、抽選で1600人が参加するえび狩り世界選手権も行われています。
美味しそうでしょ。
コロナ禍で困ってると思うのでぜひ買ってあげてください。
みなみぃ♪