冬になる前に山口県百名山をこなしておきたいけど、今週末は一人だしなあ。簡単な山はないかなあとYAMAPで人の山行を眺めていたら国立山口徳地青少年自然の家から入れる日暮ヶ岳をみつけました。
行ってみよー。
日暮ヶ岳入山準備
日暮ヶ岳は標高693mの低山です。まずは国立山口徳地青少年自然の家を目指します。
やってきました国立山口徳地青少年自然の家。他の方の山行記を見ていると青少年自然の家で登山届を出すことになってるようなので(駐車場の入口に宿泊予定者および関係者以外立入禁止の看板が出ていましたが)取り合えず事務所近くに車を置いて話を聞きに行ってみました。
話を聞きに行っただけなのですが一も二もなく登山届を出すことになりました(笑)
僕の場合、隠すことなんか何もないので全然かまいません。登山届も大事ですが、自然の家の利用者数の把握も大事ですもんね。
というのが、財政上の理由で県立の青少年自然の家は市町に移管されるみたいですし、国立とは言え徳地の自然の家も運営状況が厳しいのかも。なんてちょっと心配しちゃったりして。
登山届なんて面倒と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、面倒なことだけじゃありません。国立徳地青少年自然の家はサービス抜群で、まず日暮ヶ岳登山マップが出てきまして、歩きやすい道、歩きにくい道を教えてもらえました。さすが全国に14しかない国立施設です。
職員:赤ルートは最近綺麗にしたので歩きやすいです。
立石:他のルートはどうですか?
職員:ちょっと最近見に行ってないんです。行かれます?
どうもご心配をおかけてしてる様子。「えーっと、下りで道を見てみて行けそうなら」と弱気に答えておきました。僕は国立って言葉に弱いんです。
職員:トランシーバーを持って行ってください。
立石:いやーそんな。
職員:持って行ってください。
立石:はい。
ええ、僕は国立って言葉に弱いんです。使い方も教えてもらえました。トークボタンを押すだけなんですけどね。電源は入れっぱなしでOKだそうです。
宿泊予定者以外利用禁止となっていた駐車場が気になっていたので聞いてみると、駐車場許可証を貸してもらえました。ミラーのところにぶら下げておけばOKだそうです。
さて、これで後顧の憂いはありません。張り切って日暮ヶ岳にまいりましょう。
日暮ヶ岳登山
日暮ヶ岳の登山口は青少年自然の家の道路を挟んだ反対側を登っていきます。
自然の家を降りたところの道路沿いのマップをチェックして登山口を探します。ふむふむ。水色の道を登っていって山小屋を見つければOKなのね。そう言えばショートカットの道もあるって言ってたな。
道路沿いのマップからさほど離れていないところに分岐がありました。これがショートカットの道か。なかなかいい感じじゃないですか。舗装路じゃ面白くないのでこちらの道を進んでみたら、蜘蛛の巣だらけwww なるほど今日はこんな感じか。
短いショートカットを越えると再び舗装路にあたります。その舗装のどんつきが山小屋です。
この山小屋の近くに登山口があることになってるのですが見当たりません。ランニングコースの看板に沿って先に進むと東屋があり、その先が登山口でした。
日暮ヶ岳登山(赤ルート)
日暮ヶ岳ハイキングコース、山頂まで1,750mだそうです。ハイキングコースと銘打ってありますし、今日は楽勝でしょう。
日暮ヶ岳のとりつき、最初は緩い階段があり、その先は景色の開けた山腹を回ります。やがて山頂まで1,100mと書かれた道標が出てきます。
道標から先は階段が続くと言われてました。たしかに目線の先に階段が見えます。
この階段はつづら折りに続いていきます。僕、階段は苦手なんす。
階段の上に新たな道標が見えてきました。道の分岐点が広場になっていると事前に聞いていました。あれがそうかな。
分岐点にある「山頂まで750m」の道標を見てここでちょっと一息。家から持ってきたコーヒーを飲んで休憩しました。この日はちょっとボケてまして、飲物は家から持ってきたサーモス一本しかなかったんです。日暮ヶ岳は距離もありませんし、ここ最近暑さもかなり弱まってきてるので、最終的には飲み物は余るくらいでしたが予備を持たないで上がったのは久しぶりのことです。
もう一つボケてたことがあります。
朝、髭を剃ってるときにシェーバーの充電が切れたんですね。それでシェーバーを充電器に刺して、歯を磨いて、服を着替えて、荷物を準備して出かけたんです。あれ?俺、髭を半分剃ってないわ。それに気が付いたのは自然の家に着いてからでした。
マスクしてたからいっか。
先ほどの分岐からは尾根筋に入って、緩い登りが始まりました。
一旦下ってまた登り、いつもなら「偽ピークかあー!」と騒ぐところですが、先ほど山頂まで750mの道標を見ているので今回は騙されません(笑)
このあたりから左手に少し高めの山が見えます。残り750mということですから、きっとあれが日暮ヶ岳だろうなーと分かります。
また下って左に折れました。日暮ヶ岳は左で正解だったということですね。
残り300mの道標を過ぎてロープが出てきました。ロープなしでも上がっていけそうな坂なんですが、これがハイキングコースの優しさということでしょう。
たいして登ってもいないところで山頂っぽい景色が出てきました。まだ300mは歩いてないと思うけどなあ。騙されないぞ!
日暮ヶ岳山頂
山頂でしたw
日暮ヶ岳の名は山の麓にあった「日暮」という集落の名前に由来するそうです。この集落は、山の谷間にあって昼間でも陽が差さず薄暗かったためにこの名が付いたと伝えられているそうです。
また山頂には大穴があります。これは太平洋戦争中に飛んでくる敵の飛行機を探すために作られた監視所の跡だそうです。
日暮ヶ岳の山頂には標柱が2つありまして、三角点と書かれた棒の側にあるのはおそらく図根点ですのでお間違えのないよう。こちらの写真が日暮ヶ岳の二等三角点です。まあ、文字を見ればわかりますよね。
日暮ヶ岳の三角点、等級種別は二等三角点、冠字選点番号は以11、基準点名は日暮岳で標高は693.00mになっています。冠字の以さんは県内で何度か聞いたことがありますね。標高は俗に言われている高さよりも若干低いようです。10.2cmほど縮んだんか?
日暮ヶ岳からの景色
日暮ヶ岳の山頂には各山の名前を記した看板があるのですが、霞もあっていまいち山の形がハッキリしません。僕が判断できたものだけ挙げておきます。
角度と山の形的に大平山。肉眼では鉄塔も見えたので間違いないと思います。そうなると右手に右田とか見えそうなものですが判別がつきませんでした。
トップが変な形をしているのは蕎麦ヶ岳だと思います。この形は山の反対の山口市内からも見えるのでたぶん間違いないです。
盆地の向こうのとんがってるのは東鳳翩山だと思うのですが自信がありません。霞んでいなければ西鳳翩山の電波塔群が見えるはずなので確定を出せるのですが、まさかダツヤってことはないよね。
日暮ヶ岳から山口市の市街地は思っていたよりも近い気がします。徳地も山口市なんだから当たり前なのですが、地上を走るのと山から見るんじゃ感覚が違いますから。
こういうのが面白いんですよねえ。
日暮ヶ岳下山
さて、日暮ヶ岳の山頂を堪能したので下山に入ります。
分岐点までの下りは割愛して、さてここから別ルートに進むかどうか。徳地青少年自然の家の職員さんのお薦めは赤ルートのピストンということですが…
やっぱ知らない道を歩きたいので直進してみます。
少し進んでみたのですが全然道は良いです。なんなら赤ルートよりも僕はこちらの道が好きかも。
ただ部分的にはガレていて、たまに浮石に足を取られます。股裂きになって「おっとー!」とバランスとるのが面白い。
さらに分岐にあたりました。直進の「大原湖」は最初に見せてもらったマップの緑ルート。現状だけで判断すると直進の方が道は良さそうです。でも緑ルートはよく覚えてなくて、大原湖って書いてあるのでかなり遠くまで歩くイメージがあります。
一方、「活動広場」と書いてある左に降りて行くのが青ルート。見た感じ道は狭く険しいのですが、あきらかに自然の家方向に向いているので方向的な安心感はあります。
さー、どっち。
青ルート
なんとなく青ルート「活動広場」と書いてある左に降りて行く道を選びました。これ、結構、失敗だったかも(笑)
シダの張り出した坂道を降りて行くと、最初の折り返しに不自然な水たまりを発見。これってイノシシの沼田場(ぬた場)ですかね?
先ほどまで歩いていたブルドーザが削ったようなハイキングコースと違って、ワイルド感が増してきましたよー。
角を曲がった先はThe 林道って感じの細道です。ある程度、枝打ちがされているので今でも手が入ってるのかなと感じさせます。でも、道が良いのはこのあたりまで。
徳地青少年自然の家の職員さんが「最近見て回ってないからなあ」と言われていた言葉の意味を、僕はこの後で知ることになります。
この先は林業事業者のための道(急坂)を降りて行くようになりますが、この道が沢にもなっていてガレやグリがゴロゴロしてました。股裂き再び(笑)
たったいま降りてきた道を振り返ってみました。股裂きだけじゃなくて、岩に枯れ枝が重なって蛇やダニの巣窟になってそうな感じです。先々週の台風の名残でしょうか。なかなかワイルド。
幸いどちらにも会わなかったのでヨシ!
あと、林道からこの下りはピンテが少なめで迷いそうなところもありました。まーでもボケボケの僕が無事に降りてますから、ピンテもあの程度で足りてるっちゃ足りてるのかな。
こうなると緑ルート(大原湖方向)がどういう道だったのか知りたいところです。
青ルートについてですが、眼下にランニングコースが見え始める最後の最後のあたりは下草が伸び放題で踏み跡も微妙でした。
まあ何事もなく人里に降りてこられたので青ルートは大丈夫なコースですと言っておきましょう。くれぐれも自己責任で。
人里に出てからはランニングコースを巻いて最初の山小屋まで戻りました。山小屋から車道に降りれば青少年自然の家です。
追記ですがこのランニングコースがとても気持ちの良い道でした。もしかして上級者コースが大原湖に続く緑コースなのかもしれません。
近すぎて分かりにくいのですが、一番高く見えるところの向こう側が日暮ヶ岳です。なかなか良い山でした。
日暮ヶ岳 今日のルート
上図の右下の線が赤ルートで、よく整備された階段のある道です。こちらは登山で使った道で、道が分かれてるところが記事中に分岐点と示したところになります。
輪っかの上側が青ルートで、赤丸のあるところが第2の分岐点になります。赤丸から活動広場に下山すると荒れた植林帯になりますが、まあ下る距離はたいしたことないので集中力を切らさなければ危険はありません。
今日のルート図には載っていませんが、赤丸から大原湖に続く緑ルートもぱっと見綺麗だったのでいつか試してみたいところです。日暮ヶ岳登山マップに拠ればそこからだんだんと急傾斜・ガレ・階段となるようですけれども。
今日歩いた日暮ヶ岳ハイキングコースは、比較的勾配のゆるい総計4kmのコースでそれほど獣感もないTheハイキングコースといった風情ですので、日ごろから山を歩いていらっしゃる方にはお薦めできます。
そう言えばトランシーバー…
そう言えば最初に自然の家で貸してもらったトランシーバー、残念ながら僕は使う機会がありませんでした。このトランシーバー、全員が同じチャンネルを使ってるみたいで、キャンプしてる人の「すみませーん、〇〇は洗って水飲み場に置いておけばいいですかー」ってのが聞こえてきたりして「こちら管理棟です。それで大丈夫です。」とか、そんなほのぼのとしたやり取りを聞いてるのは楽しかったです。
僕もCBノリで会話に入りかったんですけども、用もないのにトランシーバー使っちゃダメよねwww
そんな感じの日暮ヶ岳でした。
それじゃまた来週。