【山口県百名山】華山を彷徨って二回も下山した話し

【山口県百名山】華山を彷徨って二回も下山した話し

升井君に「今週は遊べないっす」と断られたので今日は単独行。

一人で歩くとなるとマイナーな山は危険だ。割と人が歩いていて、まあまあ道の良いところ。そうだ!前から行ってみたかった下関市の最高峰「華山」に行くことにしよう!

豊田町へ

道の駅 蛍街道西ノ市
道の駅 蛍街道西ノ市

先月、県内8か所を回る仕事がありまして、この道の駅蛍街道西ノ市にもちょっとだけ寄ったんです。

その時に華山が見えるなあって場所のアタリは付けてたんです。

道の駅から見る華山
道の駅から見る華山

道の駅でトイレをお借りして体調を整えました。

行動食や飲み物はここで調達しても良いですし、道の駅を左に出て南下すればセブンもあります。

セブンから山の方に向かえば華山登山口に到着です。

豊浦山神上寺/華山登山口

華山登山口は豊浦山神上寺さんにあります。ありがたいことに神上寺さんの駐車場には綺麗なトイレもあります。

豊浦山神上寺案内図
豊浦山神上寺案内図

駐車場に車を停めて、さて、登山口はどこかなと見回しますが分かりません。

いくつかの看板を眺めて「豊浦山神上寺案内図」の一番上に華山登山道の文字を見つけました。

ここが入口
ここが入口

どうやら神上寺さんの仁王門をくぐって、そのまま階段を上がっていけば華山登山道につながるようです。

了解です。神上寺さんを拝観させていただきましょう。

高野山真言宗 豊浦山神上寺仁王門
高野山真言宗 豊浦山神上寺仁王門

こちらが高野山真言宗豊浦山神上寺様の仁王門。よく見ると屋根の上に毛利家の家紋が見えます。かなり古いもののようですね。

神上寺由来
神上寺由来

神上寺は、1,300年前に役小角が見出し地元の徳仙上人と共に開山。西の高野山と称せられ、幕末まで毛利の保護を受けていたとのこと。

金剛力士像(仁王像)右 阿行
金剛力士像(仁王像)右 阿行
金剛力士像(仁王像)左 吽行
金剛力士像(仁王像)左 吽行

一礼をして仁王像を拝見しました。これは山門(仁王門)の楽しみの一つです。

門の中は仕立て直してあり、また仁王様も塗り直しがされているようです。

体の筋が際立って、これはこれで良いですね。

さて参道を参りましょう。

権現とかかった鳥居
権現とかかった鳥居
小滝のある参道
小滝のある参道
石段
石段

木漏れ日の石畳を登っていきます。左には小滝があり、石段の右にも水の流れる溝があります。昔の人もこの参道を歩きこの水音に癒されたのだろうなあと妙に納得しました。

護摩堂
護摩堂

途中、雪舟庭、御成門、宝篋印塔などがあり、こちらの護摩堂(もしかしたらこの左上が護摩堂かも)まで上がれば、ここから先が華山登山道になります。

華山への道標
華山への道標

華山へは2.6kmの道程。その間、自然道が整備されているようです。

華山登山

取りつき

石段が続きます
石段が続きます

先ほどの道標からも石段が続きますが、一度、開けたところに出るとその先はガレた沢沿いとなります。

苔むした岩
苔むした岩

ガレ道の左下が沢になっており、水音が続いています。道にはこぶし大の石がゴロゴロしており、道の端には苔むした岩が重なっていました。

石に穴が空いている
石に穴が空いている

足元に転がっている石を見ると小さな穴が空いていました。最初、火山岩の気泡かなと思ったのですが、このあたりで噴火とかあまり馴染みません。

石英が埋まってる?
石英が埋まってる?

注意深く他の石を見ると、あまり苔の付いていない石の断面には石英やその他の鉱物が埋まっており、穴が空きかけています。

色々な石が埋まってる
色々な石が埋まってる

色々な石が埋まってるって堆積岩の一種で礫岩っていうのかな。

ただガチガチに固まってはいなくて、全体は砂岩程度の硬さしかないために、水で浸食されると鉱物だけがポロっと取れて穴が残っちゃう。きっとそんな感じだな。

おまけ(華山の壁)
おまけ(華山の壁)

この写真は別の場所ですが、山の壁は写真のように泥岩(頁岩)になっていまして、どうやら山の上からゴロゴロと転げ落ちてくる岩が礫岩のようです。

地層が出来た年代が違うのか隆起の仕方でたまたまそうなったのか分かりませんが、山と岩の関係って面白いなあ。

ガレの先は石段
ガレの先は石段
沢を渡る
沢を渡る

ガレ道の先は苔むした石段になっていて、小さな沢にかかる橋を渡るといよいよ林道を歩くようになります。

中腹

木止めの階段
木止めの階段

中腹の写真もたくさん撮ったのですが、写ってるのは階段ばかりで景色もありません。

休むところもないのでひたすら急な階段を昇るばかりです。

ほぼ中間点
ほぼ中間点

山頂まで1.5㎞、神上寺まで1.4kmと、ほぼ中間地点に立つ道標。結構歩いたつもりになっていたので1.4kmしか進んでいないことに驚きます。ん?いつの間に全行程が2.9kmに増えたんだ?

印象的な倒木
印象的な倒木

泥岩の山は倒木や落石が多いように思います。右から左に倒れ、道をふさぎかけている印象的な倒木。

山体が見えた
山体が見えた

先の倒木から少し進むと一旦急登が終わり、山腹を回りこんで行くようになります。

林の隙間から山体が見えるので、まだまだ急登が続くのだろうなあと予感させます。

回り込み
回り込み

急登を予感させるのにいつまでたっても山腹の回り込みが終わらず、なんなら少し下ってるところすらあります。

十分な広さがある山道ですが下は崖。上からは岩が落ちてきそうで怖いのです。

割れた側面が乾いていない新しく落ちてきた岩も転がっていました。

意外に危険な山です。

山頂まで0.9km(?)の道標
山頂まで0.9km(?)の道標

山腹の回り込みが終わり山頂まで0.9km(?)地点までやって来ました。ここから山頂に向けてのつづら折りが始まります。

山頂という文字がギリギリ残っているこの道標、0.9kmという距離は僕の推測です。登山口で見た道標には山頂まで2.6kmとなっていましたが、中間点では総計2.9km。どっちが正解なんでしょう。

山体を見かけてそこから急登が始まるかと思えば回り道だったり、どうにも距離や感覚が合わない山です。

山頂付近

九十九折り
九十九折り
あと500mとか本当か?
あと500mとか本当か?
どこかに行けそうな分かれ道
どこかに行けそうな分かれ道

九十九折りを越え、山頂まであと500mの道標を見て、なにやら分かれ道にやってきました。

直進に何があるのか分かりませんが、帰りに残しておいて、いったん山頂を目指して右の階段を上っていくことにします。

岩屋観音様
岩屋観音様

806年に弘法大師が自然石の観音様を祀ったとされる岩屋観音。修験者の修禅道場であり、神上寺の奥の院でもあるそうです。

もう直ぐ山頂だね
もう直ぐ山頂だね

空が開けてもうすぐ山頂感が出てきました。写真の先に見えるのは電柱です。さらに進むと電源棟もあり、誰がこんなところにどうやって建てたんだと思っていると…

NHKの中継塔
NHKの中継塔

林から抜け出ると目の前にNHKの中継塔がドーンと現れました。建屋のところまで上がって、右を振り返ると舗装路。そして他にいくつもの電波塔。

ああ、下から見上げたら確かに電波塔は乱立してたな。つまり華山は車で上がれるってこった。

パラグライダーのランチャー台
パラグライダーのランチャー台

中継塔の向こうにはパラグライダーのランチャー台。バイクで遊びに来ていた兄さん方がランチャー台から景色を楽しんでらっしゃいました。

華山からの景色

ここは瀬戸内方面に開けていまして下関の鬼ヶ城と竜王山、目の前には菊川町、海の向こうに九州は門司の端っこ、左に目を移せば小野田の竜王山と宇部市、さらに左にきららドームなんかが見えました。

ビスケットをコーヒーで流し込みながら景色を楽しんで大満足です。

さて、帰るとしよう。

下山開始

登ってきた道を降りていく
登ってきた道を降りていく

NHK横の登ってきた道を下ります。

分岐の先へ
分岐の先へ

頂上まで500mの看板付近で帰りに行ってみようと置いておいた、分岐を直進してみます。

なにがあるかなあとズンズン進みますが、登りも下りもせずに山腹を回っていくだけです。

あーこれは頂上からの舗装路につながるなあと思っていたら案の定でした。

車両通行止めの看板
車両通行止めの看板

だだっ広い駐車場と車両通行止めの道。この道はどこに繋がるんだろうと今日初めて地図を開きました。

登山口に近いなら車道で降りても良いかなと思いましたが、まったく別の道に出るようです。

なんでこんな大きな駐車場(実は華山南側展望台)があるんだとあたりを見回すと「中宮」との看板がありました。

中宮
中宮

中宮権現は、景行天皇が祀られたもので、仲哀天皇から仁徳天皇に至る四代の天皇および天智天皇が親しく祭祀されたものと伝えられているそうです。

看板をよく読むと山頂に上宮があるとのこと。あれ? お宮さんなんかあったっけ。

てか、そう言えば今日、三角点を拝んでないぞ。
もう一度よく地図をみます。

ああ、あのランチャー台、山頂じゃないわ orz…

華山 再登山

県道262号豊浦豊田線
県道262号豊浦豊田線

幸い通行止めになっているこの県道を逆に登っていけば華山山頂へとつながるようです。

さっきビスケットを食べてお腹に余裕はあるし、もう一丁行きますか。

華山山頂への分かれ道
華山山頂への分かれ道

県道262号豊浦豊田線と華山山頂への分かれ道までやってきました。

山頂は右の山方向で良いんだよな。

今日は距離感が合わなくていっぱい失敗してるので看板に近づいてよくよく確認します。

仲哀天皇殯葬所へ

左0.2km 仲哀天皇殯葬所の看板
左0.2km 仲哀天皇殯葬所の看板

華山頂上への分かれ道の下に「左0.2km 仲哀天皇殯葬所」と「左10.0km 狗留孫山」の看板が置いてあるのを発見しました。

仲哀天皇は第14代天皇。父は日本武尊(やまとたけるのみこと)、妻は神功皇后(じんぐうこうごう)。九州の熊襲を討つために遠征し、筑紫で崩御。神功皇后はその喪を隠し熊襲討伐を指揮した。仲哀天皇の遺体は豊浦宮で殯された。

日本武尊ってめっちゃ神代の昔じゃないですか!ってなことは家に帰ってから知ったわけで、わずか200mの距離なら皇室所縁の地に行ってみようと山頂を捨て左にとりました。

林間歩道4号 / 仲哀天皇殯葬所 0.6km
林間歩道4号 / 仲哀天皇殯葬所 0.6km

坂を降りていくと舗装路が二股に分かれており、道を割く真中の山に向かって林間歩道4号の道標と仲哀天(皇殯葬所) 0.6kmの道標がありました。さっき0.2kmだったのに、今度は0.6kmか。どうもこの山は距離を狂わせるなあ。

「あ、最初の看板は大きかったので車向けか。山を登って下って0.6kmに違いない」と先ずは左の舗装路を進んでみますと、親水公園で行き止まりでした。違うか。

じゃあ右かと進むとこっちは下っていく一方。途中で林間歩道1号を見つけて、うむ、殯葬所は山のてっぺんだなと判断が付きました。

再び二股に戻って、ちょっと考えます。

今は15時前だけど、まだ見てない華山の山頂を取って登山道を戻ったとすると下山はおそらく16時台。仲哀天皇殯葬所への往復が1.2㎞。仮に1時間かかるとすると下山は17時台。下山道は夕陽の反対だから暗くなるかもしれないなあ。今日は色々外してる。あきらめよう。

後日、行ってきました。

華山山頂へ

ヘッデン持ってないし暗い山道の単独行とか確実に死にます。すっかりあきらめて県道262号豊浦豊田線を華山への分かれ道まで戻り、華山山頂を目指すことにしました。

こちらにもランチャー台
こちらにもランチャー台

山頂を目指す舗装路の脇にもランチャー台がありました。向こうの山にやたら風力発電の羽が見えるんですが、豊北ウインドファームですかねえ。

ちなみに華山山頂は日本海方向が林に覆われて景色がありません。唯一ここだけですね。日本海側が見えるのは。

華山山頂を指し示す道標
華山山頂を指し示す道標

舗装路を上がりUターンすると華山山頂を指し示す道標がありました。

最初の登山道から出てきたNHKの中継棟右の舗装路をまっすぐ進んできていれば、すぐにこの入口に到達できたはずなのですが、2~3km余分に歩いてしまいました。

でもここまでくれば大丈夫。さあ、行こう!

華山山頂

華山山頂
華山山頂

先ほどの道標からまっすぐ。とにかくまっすぐ進めば華山山頂です。この東屋が目印です。そう言えばこの東屋、誰かの日記で見たわ。

僕はなぜかまっすぐに歩かずに三角点を探して左横の電波塔周りを巡ってしまいました。もう今日は本当にダメな感じね。

写真のように華山山頂にはバイクの兄さん方がいらっしゃいました。262が通行止めでしたから豊浦側から上がってこられたんでしょうね。

少しだけご挨拶をして三角点に。

華山の三角点
華山の三角点

華山の三角点は東屋の横にあります。端っこが欠けちゃってますが触った感じ2等ですかね。

※ 国土地理院の基準点成果等閲覧サービスで調べましたところ間違いなく二等三角点でした。ちなみに基準点名は「下山」だそうですよ。下関市の最高峰なのに。

華山山頂からの眺望
華山山頂からの眺望

華山からの眺望は最初のランチャー台のところで描いた通りですが、鬼ヶ城と竜王山が見える一枚を付けておきますね。

芝生の気持ちいい山頂でいつまでも居たい気分でしたが、日が傾かないうちに2度目の下山に入ります。

なんか今日は距離感狂って散々だったけど、最後の眺望が良かったからまいっか。

今日のルート

華山彷徨ルート
華山彷徨ルート

華山登山口から登られた方のルートはたいてい一本線になっており、その先に輪っかを作ることはありません。三角点さえ見逃さなきゃね(笑)

標高700mから下って上っての間が無駄に歩いた距離なので、登山口から山頂まで普通に歩けば往復5㎞ちょっとの工程ですが、彷徨った距離を差し引いても長く遠く感じました。

延々と階段が続くことと道中の景色がないことが主な原因だと思われますが、最近一人で歩いてなかったので寂しかったのもあるかもしれませんね。

華山、距離感が合わないので僕的には次はないなあ。あ、県道262の通行止めが解除されたら仲哀天皇殯葬所には行ってみたいと思います。多分車でね。

それじゃまた。

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