6月から8月が産卵時期と言われるカブトガニ、
山口市秋穂二島にある岩屋半島の山口湾側では砂浜に上がってきたカブトガニを見ることができます。
僕はたくさんのカブトガニを見ることで、オスとメスを簡単に見分けることができるようになりました。
文字だと直感的に分かりにくいので、スケッチと写真を使ってオスとメスの違いを説明します。
カブトガニのオスとメスの見分け方
実はこのスケッチが全てでしてオスは甲羅のフロントがめくれていて、メスは後ろ3対のトゲが退化しています。
写真で見れば一目瞭然ですよ。
このめくれがポイントです。
後ろ3対が短いのがポイントです。
カブトガニの交尾は後背位ですから、オスのフロントがめくれているのはメスの背中に上りやすくなるための進化。メスの後ろ3対のトゲが小さいのは、オスが背中を上ってくるのを邪魔しないための退化。
つまり後背位だけ覚えておけばカブトガニの特徴も性別も思い出せるってわけ。
カブトガニは後背位。これだけしっかりと頭に入れておきましょう。
今日の授業はここまで。
それじゃまたバッハハーイ!
ついでにカブトガニに関する雑記など。
※カブトガニは天然記念物ではありません※
5月末ごろから5回行って5回ともカブトガニを見ることができたので山口湾でのカブトガニへの遭遇確率は実に100%です。これはもう山口市秋穂二島の岩屋半島を天然記念物に申請しても良いんじゃないかなあなんて僕は思ったりするんですよね。
あ、今、「山口市秋穂二島の岩屋半島を天然記念物に申請」と書きましたが、実はカブトガニそのものは天然記念物じゃないんです。天然記念物の指定は文化庁が行っていまして「カブトガニの繁殖地」が史跡名勝天然記念物なんですね。
カブトガニは環境省のレッドデータブックで絶滅危惧I類に分類されているので貴重な生物には違いないのですが「カブトガニそのものは天然記念物ではない」ことを覚えておきましょう。
ついでに青い血を抜き取られてるカブトガニの写真をよく見かけますがあれはアメリカカブトガニ。アメリカカブトガニは今のところ絶滅危惧種ではありません。
※日本に生息するカブトガニの学名※
日本に生息する唯一のカブトガニ類の学名は「Tachypleus tridentatus」なんだそうです。
カブトガニの繁殖地を抱える笠岡市の説明によれば『タキプレウスとはギリシャ語に由来して「速く泳ぐ」、トリは「3つの」、デンタトゥスは「ノコギリ歯状の歯・トゲ」という意味』だそうで、やっぱり砂浜でメスばかり見るから3つのトゲなんて名前が付いちゃったりしたのかなあなんて思ったりしました。
いや思っただけなんで機会があればギリシャの人に聞いてみてください。
※カブトガニの産卵時期※
記事の出だしでカブトガニの産卵時期を「6月から8月」と書きましたが、個人的な感覚的では6月の終わりころが産卵のピークな気がします。たまたま浜辺を歩いた日の潮が良かっただけかもしれませんが。
経験上、砂浜に転がってる死骸のほとんどはメスなのでやっぱ産卵のせいだよなーと思っていたのですが、7月末に山口湾を歩いた時にはオスを複数見つけました。くそ暑いのに浜辺に上がってくるってなんでなんですかね。
子供を迎えに来た?カブトガニって良い父ちゃんなのかも。
※カブトエビはなんの仲間?※
みんな知ってると思いますがカブトガニはカニの名前が付きながらカニの仲間ではなくて、どっちかというとクモやサソリに近い種です。
じゃあ田んぼで見かけるカブトエビは?これまたエビの名を冠しながらエビではなくでっかいミジンコみたいなもんです。
名前にカブトってついたら注意が必要ですね。
※カブトガニならホタルの里ミュージアムもお薦め※
これ本記事に書こうかどうしようかと思ったのですがコメントに入れておきます。
カブトガニについてもっと詳しく知りたい方は、下関市の豊田ホタルの里ミュージアムに行かれるのも良いかと思います。
僕がカブトガニの雄雌に興味を持ったのは豊田ホタルの里ミュージアムのカブトガニのはく製を見たからですし。
豊田ホタルの里ミュージアムには楽しい展示がいっぱいありますから夏休みの自由研究のネタに事欠きませんよ。
それじゃ今日はこのあたりで。