【山口県百名山】文珠山から嘉納山、サクサク歩けるハイキングコースは春秋にお薦め

【山口県百名山】文珠山から嘉納山、サクサク歩けるハイキングコースは春秋にお薦め

周防大島には山口県百名山の嵩山、文珠山、嘉納山があります。これまでタイミングが合わずに歩いたことのなかった嘉納山に今回やっと行くことができました。
文珠山から嘉納山へと続く道はウキウキ気分で歩ける緩いハイキングコース。ゆっくりまったりと景色を楽しむ春秋向きのコースだと思うけど、6月のこの時期もまだ間に合うんじゃないかな。

文珠山の景色は最高

嘉納山へのメジャールートは文珠山からの縦走です。文珠山は以前に歩いたことがあるのでさらっとご紹介しておきますね。

文殊堂

文殊山へは文殊堂から入るのが一般的。すれ違いが厳しい細い道を車で上がって文殊堂までやってきました。

文殊堂、山門近くから
文殊堂、山門近くから

こちら『大同元年(八〇六年)、弘法大師(空海上人)が唐から帰途、瀬戸で難航、三浦流に上陸され、松尾寺奥の院のこの地に文珠菩薩の尊像を刻まれ本尊として当堂を建立された』という歴史ある文殊堂です。

文殊堂
文殊堂

尊像たる文殊菩薩様は智慧をつかさどる仏様なので、頭がよくなりますようにと願掛けをしておきました。升井君はもともと聡明な男だし願掛けなんぞいらないと思うんだけど、彼も割と真摯にお願いをしていました。

文珠山へ

二人で願掛けを終えて文珠山へ向かいます。文殊堂から文殊山山頂までは高低差約250m。わずか0.9kmの道のりなのでサクッと行ければ良いのですが、ここが今日一番の難所です。

石段を登って入る
石段を登って入る

文殊堂から入っていく最初の石段、ここは雰囲気がいいんです。石段を上りきった先には大岩もあってね、大岩の下には洞窟、洞窟の中には小さな仏様が祭られています。

ガレガレの道を昇る
ガレガレの道を昇る

大岩から左にとってコンクリ道が終わると途端にガレるんです。山の上からグリが転げ落ちて堆積してる感じ。

木止めの階段が割とえぐい
木止めの階段が割とえぐい

ガレの後にくる木止めの階段がまたえぐい。元々は綺麗に整備されていた階段だと思うのですが、真ん中あたりで木が折れて各段の上にガレがゴロゴロ。浮石にも注意が必要な感じ。
その階段が終わり山道を2度折り返すと文珠山山頂に到着です。

文珠山山頂、もう気持ちいい
文珠山山頂、もう気持ちいい

文珠山山頂

文珠山山頂には展望台やトイレがあります。ここは文珠山公園といって実は車でも近くまで入ることができるんですって。後から知りましたよ orz…

文珠山山頂についたら展望台へ
文珠山山頂についたら展望台へ
文珠山展望台からの景色
文珠山展望台からの景色

文珠山山頂の展望台からは海にも山にも素晴らしい景色が開けています。天気が良くていつまでも居座っていたい気分になりました。
写真に載せたのは岩国方向の景色です。ちょうどANAが岩国空港に降りていくタイミングに出会いまして、僕らは飛行機が点になるまで見とれていました。
雰囲気が良くてねえ。ツレが升井君じゃなくて女子だったらチュ~してたね。

文珠山山頂
文珠山山頂

そんな気持ちを知ってか知らずか升井君。めっちゃ笑顔w 彼は文珠山が初めてってことで、文珠山山頂で記念撮影をしておきました。
嵩山でも見たことのある、山頂の黄色と茶色の六角の道標は周防大島特有のデザイン。
この道標の近くには文珠山の四等三角点もありました。

四等三角点「文珠山」
四等三角点「文珠山」

標高662.53m、文珠山の四等三角点です。こちらは基準点名も文珠山。普通だなあ。冠字選点番号はK陸30だそうです。四等はあまり興味がわかないのでふ~んって感じ。

文珠山から嘉納山はサクサク歩けるハイキングコース

文珠山展望台から見た嘉納山は、小山一つ隔てた向こうにありました。でも道標を見ると文珠山から嘉納山までは2.0kmなんです。たいした距離じゃない。行ってみましょう。

嘉納山へ

文殊山から嘉納山へ
文殊山から嘉納山へ

文珠山山頂から緩い緩い坂を下っていくと舗装路とクロスしました。え!? こんな道があるならめちゃめちゃ簡単に文珠山に上がれるじゃね!って思いますよね。

こんなとこに舗装路が!?って思うじゃん
こんなとこに舗装路が!?って思うよ。マジ。

実はこの道「県道106号文珠山公園線」といいまして、文殊堂へと曲がるところをそのまま直進すると、この山頂付近までやってくるようです。舗装路はこの先で行き止まりになっていますから、まさに文珠山山頂(文珠山公園)にたどり着くための道なのです。
そういや前に文珠山を歩いた帰り、舗装路をちょいと登って小滝を見に行った記憶があります。あれをどん突きまで進むと車で文珠山山頂に来ることが出来たってわけか。
なんてね。

舗装路を横切って嘉納山へ
舗装路を横切って嘉納山へ

記憶と地図の点が線につながった今なら上に書いたように空間を把握できるのですが、山を歩いてる最中はどうにも釈然とせず、文珠山山頂へとつながる別ルートがあるのか?いやそんなはずはない?じゃああの道はなんなんだ?なんて疑問を抱えながら嘉納山へと入って行ったのです。

でもねー、気持ちのいい道をテンポよく歩いているとその内に枝葉詳細なんかどうでも良くなっちゃうんですよ。人間は忘れることが大事ですよね。はっはっは。

嘉納山まであと1.2km
嘉納山まであと1.2km

舗装路を渡ってから嘉納山に向かう道は足元もよく、手入れされた林が左右に続く、緩い上り下りの、本当に歩きやすいコースでした。
なぜだか分からないのですが、僕は文殊山から嘉納山への道は険しいと思い込んでいたんです。
どこかで見たのか、何かの勘違いか。そんな思い込みがあったものですから、実際に歩いてみて文珠山から嘉納山は特別に素晴らしく歩きやすい道だと感じました。
でも僕だけが素晴らしいと思っているわけでもないようです。升井君曰く「この一か月に100人くらいが歩いてる道ですよ」とのことで、これはYAMAP情報らしいのですがマジですか?

空が開けました
空が開けました

林を抜け、嘉納山に向けてわずかに階段を登ったところで空が開けました。綺麗な空に気持ちよく歩を進めていると道端に三角点らしきものを発見!
いやこれはどう見ても三角点だよ。

道端に三角点があったのでチェックしておきました
道端に三角点があったのでチェックしておきました

こちら嘉納山(691m)の二等三角点(684.68m)でした。*1
基準点名は「加納山」(冠字選点番号は「高二24」)で、「へー、嘉納山は加納山って書いてもあながち間違いじゃないんだなあ」なんて感覚のズレたところで喜んでいたのですが、問題はそこじゃなく、位置のズレ。ここはただの道端で、どう見ても嘉納山の山頂じゃないんですもん。

*1 嘉納山(691m)の二等三角点(684.68m)
まーでもそういうズレもよくある話かなと個人的には思います。三角点の足場を立てやすかった場所が選ばれたとか、戦時の事情で山頂から動かしたまま戻してないとか。裏は取ってないので憶測ですけれども。

そこから軽く藪をくぐるとその先が山頂
そこから軽く藪をくぐるとその先が嘉納山の山頂

嘉納山山頂

嘉納山山頂に到着しました。

嘉納山山頂
嘉納山山頂

嘉納山山頂の風景がこちらです。リング状にコンクリートが打たれてその周りを草が覆っています。もともと高射砲台でもあったのかなー。*2 いやそれにしてはコンクリが新しすぎる。なんだここ?

*2 もともと高射砲台でもあったのかなー
嘉納山山頂のリング状のコンクリート跡について、Twitterで情報をいただきましたので転載しておきます。情報をいただいたみゅ~ちゃんさんは、県東部から九州各地の山までこなす 山ガール ガチの登山家です(笑)

まあ、そうした疑問を差っ引いても、燦々と照り付ける太陽、緑の向こうに青い空、蒼い海。嘉納山山頂は間違いなく気持ちのいい場所でした。
でもここアブがぶんぶん飛び交ってチョー危ないんです。
よっしゃ。山頂一芸をやってとっとと撤収しましょう。

嘉納治五郎先生の一本背負い!
嘉納治五郎先生の一本背負い!

升井君の「嘉納治五郎一本背負い」が決まったのでヨシッ!今回、僕の「叶姉妹セクシーポーズ」は封印しておきます。はい、撤収、撤収。

今日のルート

文珠山から嘉納山
文珠山から嘉納山

周防大島に渡って橋のたもとを左へ。クボタの交差点から県道106号文珠山公園線に乗っかり奥へ奥へ。駐車場から右に折れて登っていけば文殊堂に到着。文殊堂にお参りをして文珠山を登り切ってしまえば、あとは稜線歩きなみの緩さで嘉納山へと到達できます。
記事中でゆるくて最高だ!と褒め称えた文珠山から嘉納山への道ですが「往路でサクサク歩けたのは下りだったからなのね」と復路で気が付くことになります。
まあそれでも緩めのコースですから、心地よい春秋にのんびりと歩くのが良いでしょう。今ならアブもまあまあ少な目だしね。

周防大島の関連記事

周防大島に坐する山口県百名山、嵩山・文珠山・嘉納山はいずれも素晴らしい山です。周防大島でほのぼのとしたハイキングを楽しむなら春・秋に訪れるのがお薦めです。
注意事項を一点。周防大島の山を楽しむならばガソリンは満タンにして飲食物も島に渡る前に用意しておくのがベストです。島にはガソリンスタンドもコンビニもあるのですが、探してるうちに結構な時間を使ってしまって山を歩く時間が無くなりますから。

島の観光は山を歩いた後にゆっくりと。少し足を延ばして奥まで行き道の駅サザンセトとうわでお食事でも良いですし、文珠山の近くにはローストビーフ丼で有名なお店もありますよ。

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