霜降山に温見古道という新たな登山道が作られました。なんでも湖へつながる道を地元の有志が整備されたとのこと。これは行ってみなきゃ。でも、癒しの湖は見逃しました(笑)
ちなみに生粋の宇部っ子は霜降岳なんて言わないんだよ。霜降山。なのでこの記事では霜降山で通します。
霜降山 持世寺側からの入り方
霜降山には5つ6つルートがあるようです。真締川側からは入ったことがあるんだけど、裏から入るのは初めてなので、事前にGoogle Mapsで調査しておきました。
2号線のセブンのある交差点を宇部駅方向に曲がります。しばらく走ると信号があるので持世寺温泉方向に。
山陽本線を越え、厚東川に架かる橋を越え、左カーブを下ると杉乃湯の看板が見えます。
この看板の手前を右に入ります。右に入るとすぐに霜降城跡登山口と”霜降城””持世寺温泉”の歴史を示す看板があります。
この道を車で進める突き当りまで進みます。
本当に突き当りまで行くとバックするしかなくなるので、少し手前の畑の横に車を停めさせてもらいます。
写真の左奥には車が三台程度置けるスペースがあります。空いてればですけれども。
霜降山 登山
霜降山は250mくらいだったかな。ダッシュボードに電話番号を書いた画用紙を置いて、そんじゃ行ってみましょう。
後城へ
裏側から入るので最初に目指すのは後城です。えーと偉そうに言ってますがこのルートは初めてです。耳年増、さーせん。
さ、山に行きましょうと進むと
ここが車で行ける突き当りなのですが、いきなりの二択です。どっちが霜降山なんだろうなあ。
とりあえず直進!と進んでみたら看板がありました。右の道はすぐに終わってるから、直進でOKでした。
ここまでゆるゆるです。道もいいしよく踏まれてて獣感もありません。快適ハイキング。
ここ!後から考えるとこの分岐を温見にとれば温見古道に続くはず。これが癒しの湖にも通じる道なのだと思います。
道だって悪くないのよ。
そう。温見古道は下りでいっかーなんて思っちゃいましてね。だってさー、やっぱ山行きたいじゃん。
で、こっちの道は急登続きです。稜線までずっとロープの補助があるような感じの急登。まあ、登っても最大で250m。距離も短いので歩きなれてる人なら大した坂ではありません。
稜線に出ればすぐに後城の北峰です。岩に座って「余は満足じゃ」とか写真を撮ろうとしてたら、なにやら人の声が…MTBの団体さんが南峰の林から現れました。
立石:うっは。自転車ってすげーな!www
あんちゃん:ほとんど押してまーすwww
いや、小羽山方向から五差路まで自転車で登るのは分かるけど、そこから前城・本城・後城に来るなんてクレイジーだよw
僕の周りにもいるけど、自転車やってる奴はだいたい頭オカ。写真撮っていーかーい?って聞いたら手を挙げて応えてくれました。
彼ら自転車を抱えながら、ロープを持って、あの坂降りるのか。頑張ってちょ。
後城北峰から南峰へはすぐです。登りで見た温見の分岐が気になるので、後城だけ押さえたら道を引き返そうと考えていたのですが、今戻るとMTBボーイズとかぶります。
本城も行っとくかと計画を変えたのですが、これが正解でした。
後城南峰を本城へ向けて降りたところの、この写真は重要です。
この写真の右にリボンが見えますね。この時は気が付いていませんでしたが、実はここが温見古道の入口なのです。後述します。
本城へ
後城南峰から本城への道はめちゃめちゃ綺麗です。
少し高い位置にある本城への分岐にやってきました。ここで本城から降りてこられる方がいらしたので、広い分岐で待っておりました。
立石:こんちわー。
姉さん:こんにちは。
なんだかベテランの雰囲気を感じさせる姉さんなので、温見古道をご存じないか聞いてみました。
姉さん:南峰の鞍部にピンクテープが張ってあったでしょう。あそこから左に入っていくとありますよ。
立石:マジっすか。全然気が付きませんでした。ありがとうございます。
感謝、感謝、大感謝。お礼を言って見送ります。後ろから「写真撮っていいっすかー」と声をかけると、
「おばちゃんなんか撮ってもしようがないよー!」と手を挙げて去ってゆくベテラン姉さんなのでした。かっちょええ。
というわけで本城到着です。去年の夏に来たときは鬱蒼として蚊がうっとおしかったのですが、綺麗になってます。やっぱ歩くなら冬が良いな。蚊も蛇もいないし。
今日は温見古道がメインなので、本城はどっちでも良いのですが、それでも一応山頂は踏んどかないとね。
温見古道を行く
教えてもらった後城南峰の鞍部に戻ってきました。リボンがあります。これか。
いや、ホント、これは教えてもらわないと気が付かないよ。行ってみましょう。
ところどころフレッシュな感じが残っていて気持ちの良い道です。
全体に緩い巻き道で、北峰・南峰を避ける登山道なのかなと思わせます。
リボンがふんだんに結んであるので迷うことはありませんが倒木が横倒しのまま残っているところが何か所かあり「道は良いけどこのまま進んでいいのかな?」と感じさせるところはあります。
あと、このあたりから徐々に霜降山(というか車を停めた方向)から離れていきます。
ここを曲がったあたりから、昔の畑の跡かなにかとか人里を感じるようになりました。
方向もどんどんずれていきますが、まあ90度くらいなので、少々違うところに出ても歩いて戻れるなと判断はつきます。
持世寺方向に戻るチャンスその1です。この時点で、持世寺に戻っていればきっと登りの分岐点に達したと思うんですが、ここまで来ると”温見”ってどこなんだろうという気持ちが勝ってまして、行くところまで行ってやろうと考えていました。
割とチャンスがあります。チャンス1かチャンス2で持世寺でいっかと諦めたら癒しの湖も見ることが出来たはずなんですよね。
好奇心は猫を殺す(Curiosity killed the cat)ってやつですね。
こういうところに立っている像はたいてい弘法大師様なのですが、川向うの像は三蔵法師かなにかに見えました。どなたなのか分かりません。
写真左のお堂の中には仏様とたくさんのお地蔵さまが並んでいらっしゃいました。地元の方がお供えされたであろう新しいお菓子もたくさん見えましたので愛されているお堂のようです。
菩薩様の像の下に昭和十年三月國明院と書いてあります。もともとお寺さんがあったのでしょうか。
人家というか集会所のようなところに出てきました。きっとこの辺りが温見地区なのでしょう。場所的にはだいたい想像した通りでした。
周りを探ったのですが駐車スペースがないので、ここから入るのはお薦めしません。一応、場所の雰囲気だけお伝えしておきます。
今日のルート
記事にあるように後城南峰の鞍部からリボンに沿って降りていくと温見古道に入れます(図中●印)。
登りから温見古道に入るなら「温見」と書かれた道標に沿うと良いです。おそらくですが、その道沿いに癒しの湖があるはずです。
地元有志の善意で作られた新道、良い道でした。今回見逃しもあったのでまた行ってみます。
山口宇部経済新聞の記事はこちら
https://yamaguchi.keizai.biz/headline/4138/
追記
開拓者の思いがつまった癒しの湖を見なければ片手落ちってもんです。なので、癒しの湖を見るためだけに翌週も霜降山に行ってきました。癒しの湖にかかわる温見古道の話は下記記事を参照ください。
【続報】霜降山の温見古道を歩いてきました!癒しの湖だけ見てきました(笑)
山口宇部経済新聞 2022.01.29
https://yamaguchi.keizai.biz/headline/4138/
宇部・霜降山に新たな登山道「温見古道」湖へつながる道、地元有志らが整備
宇部・厚東の「霜降山」(標高約250メートル)に新たな登山道が整備された。
前城、後城など5つの山から成る霜降岳(本城)の整備をしている「NPO法人霜降会」のメンバーで、厚東出身の伊藤信夫さん(68)が発起人となり、昨年11月初旬から同会のメンバーや地元の有志らが作業を始めた。
伊藤さんは「体が動くうちにどうにかしたいと思っていた。霜降山にはいくつか湖があるが、子どもの頃によく遊んでいた湖に行ける道をもう一度整備して、こんなにきれいな湖があることを知ってほしい」と話す。
1903(明治36)年に作られたという地図にも同山道は記載されているが、「50年以上前までは通行可能だったが、やぶ化が進んでとても歩ける状態ではなかった」と伊藤さん。
その地図に記載された道に沿って整備を進め、15回ほど通って木を伐採したり、やぶを払ったりしたほか、岩を使って足の踏み場を作るなど自然を壊さないように心掛けて作業し、昨年12月末には人が歩ける状態になった。1月下旬現在も通い続け、整備を続けているという。
場所は、持世寺から温見集落の池を通るコースで、整備した登山道は「温見古道(ぬくみこどう)」、湖は「癒(いや)しの湖」と名付けた。今年中に「厚東郷土史研究会」と共同で製作する案内板を男山駐車場に設置し、初めての人でも分かりやすいようにする予定。
「道はすっかり荒れ果ててしまっていたが、少年時代に見た湖は変わらぬままの姿だった。平たんな道が多く、年配にも登りやすいと思うので、あの頃を思い出して懐かしんでもらえたら」と伊藤さん。
「後城と本城の姿を見ながら行けるコースはこの道だけ。春にはミツバツツジが咲く。安心して登れるように整備したので、多くの人に訪れて歩いてもらいたい。今後もきれいな自然を守っていければ」と笑顔を見せる。