秋吉台に新しくできたグランピングサイト「レドンド秋吉台」を眺めたのち、カルストロードを通って長者ヶ森駐車場にやってきました。
昨年末、秋吉台の名所の一つ「帰り水」を見に行った際に水を見なかったので、夏を越えた今の時期だとどうなってるのかなーと思いまして。
9月3日土曜日、天候は曇り。大型で強い勢力の台風11号は先島諸島沖で折り返し、6日頃に西日本最接近と言われていました。
そんな土曜の8時52分、流石の秋吉台にも車はいません。ま、こんな日に秋吉台に来るとかよっぽど暇な人だけよね。
帰り水は薮!
いいのいいの。長者ヶ森駐車場から帰り水までは2kmくらいだし、軽い散歩です。
軽い散歩のつもりですがやや厚めの雲がかかっているのは気になります。一応、午前中は曇りの予報を見てきたのですけどもね。
ま、大丈夫でしょう。(ダイジョウブジャナイ
眼下にドリーネ畑が見えてきました。あそこまで降りて左。
それにしても夏草が元気だなあ。
踏み跡は十分ですが半袖で来たもので左右の草が気になります。たまに蔓が出ていて足にからみつくのも鬱陶しい。
春に行われる秋吉台の山焼きは、帰り水の方まで焼かないのかもしれませんね。
草の陰に分かりやすい石灰岩が転がっていました。
あまり石に詳しくない僕ですが、秋吉台で白くて雨に浸食された石を見たら、石灰岩と言っておけば間違いありません。
ドリーネ畑まで降りてきました。帰り水まであと0.6km。
帰り水
秋吉台の帰り水の看板
ここから北方に谷状の地形(ウバーレ)がのびています。この谷の中ほどに特に深いくぼ地(ドリーネ)があり「帰り水」と呼ばれています。このくぼ地の底には一年中涸れることのない湧き水があり、湧き出た水が地上を数十m流れた後、再び地中に吸い込まれる様子からこの名がつきました。
帰り水周辺の石灰岩におけるフズリナ化石の産出状況から、この地域の地層が上下逆転していることが明らかとなり、日本列島形成に関する学説「秋吉造山運動論」が提唱されました。現在、この地層の逆転は、大陸プレート下に沈み込む海洋プレートから堆積物などが削り取られ大陸側に付け加わる際に生じたと考えられています。
書いてる内容は納得なのですが、相変わらずGANTSの世界に引きずり込まれそうなフォントの看板です。
畑があるせいでしょうか、この辺りは急に道が広くよくなるのです。
花崗岩が貫入した石灰岩が草の陰に転がっていました。
僕みたいな素人にはフズリナの化石なんて苔やゴミと見分けがつきません。でも、こうして花崗岩が貫入した石灰岩を見たりすると、造山運動ってやつを肌身で感じられるんですよ。
こういうの楽しくない? ね! ね!
車が通れそうなよい道とお別れして、帰り水へはこの小さな道標に従って下ります。
そういえばがんばり坂ってのあったなあと思い出しました。
帰り水は一段深いドリーネになっていまして底まで降りる道があるんです。
ドリーネが水没していなければ底まで降りていって反対側から登ることができます。
この登り坂ががんばり坂です。
よーし。いっちょう頑張ってみるか!と気合を入れた途端に、
藪すぎるよ。
知ってるんです。この薮を越えた先に帰り水があるんです。帰り水を囲むように山肌を走る細い道も高いところから見えたので、この薮、この薮さえ越えられれば。
でも、半袖で来ちゃったもんなあ。目の前の道もちょっと怪しい感じだし。濡れてるし。
撤収。
真名ヶ岳へは雨!
一旦、来た道を戻って帰り水を覗き込めるところがないかを探しましたが、どこにもありません。もしかして真名ヶ岳方向からなら覗き込めるかと淡い期待を抱いて登ってみることにしました。
帰り水から真名ヶ岳方向へ登っていく坂は赤土で、前日までの雨が残ってて滑りまくりんぐです。
ま、雨が降ったから水が溜まってるんじゃないかと期待して来たわけで、道が滑るからって文句言う筋合いじゃありませんわな。
で、まあ、それほど期待していたわけでもありませんが、坂の途中からは帰り水を覗き込めるはずもなく、かと言って秋吉台で道なき道を攻める気にもなれず、帰り水を覗き込むのは完全に諦めることにしました。
あ、カルストロードの向こうに見える山は秋吉台の烏帽子岳です。
坂を登り切って真名ヶ岳への分岐点にやってきました。ここを左にとれば真名ヶ岳、右にとればタバコの休憩所ですが、なんとこんなところで雨が降り始めました。
真名ヶ岳には待避する場所もないし、戻るかと右に歩き始めた途端に土砂降りの雨。
やばいっす。これまじヤバいっす。
いや、雨に濡れるのはぜんぜん構わないんですが、なんせ秋吉台は岩と草ばかりで、このあたりに身を隠す林がないんです。
雷ゴロゴロなんて言い始めたら、僕、歩く避雷針。The lightning rod man!
とてもじゃないけどタバコ休憩なんてやってられっかーと走り抜けました。
稜線を駆け抜け、坂を下る途中に「自然の家」の看板を発見。
そうだ。左に曲がれば山口県秋吉台青少年自然の家があったぞ。
自然の家で雨宿りさせてもらおう。
山口県秋吉台青少年自然の家で雨宿り
雨はやや小降りになってきましたが、せっかくここまで来たので山口県秋吉台青少年自然の家にお邪魔します。
山口県秋吉台青少年自然の家へは数十年前にドライブで来た思い出がありますが、裏側から入ったのは今回が初めてです。
この日は東屋で陶芸教室をやっていたようで、たくさんの親子連れでにぎわっていました。
本館に向かう道すがらスタッフさんにお会いしたので「端っこで雨宿りさせてください」とお声掛け。
「どこに行っちゃった?」と聞かれたので「帰り水で薮にやられて、真名ヶ岳で雨にやられました」というと笑ってらっしゃいました。
こんな日に歩くなんてと思われたかもしれませんw
端っこで雨宿りと言いながら本館入口のベンチに座って休む僕w
内勤のスタッフさんが「トイレとか大丈夫?」と声をかけて下さいました。
「ありがとうございます。大丈夫です。」と答え、雲が行くのを眺めます。
秋吉台って山口県を代表する観光地の一つでね、こんな立地の良いところにある青少年自然の家が無くなっちゃうかもしれないなんて新聞記事を思い出しました。
あれ? どうなったんだっけ。すごく前に見た記事だけど、自然の家って県が財政的にギブアップして、もう美祢市の所管になったんだっけか。
小雨になったので再出発です。東屋の横で帽子を取りスタッフさんにご挨拶。芝のよく手入れされたファイヤーピットを抜けて秋吉台ハイキングコースに復帰しました。
ここ100人くらいでマイムマイム踊れそうだな。
駐車場まであと600m地点でまた雨にたたられちゃいました。
やっぱり台風が近いと天気予報はあてにならないなー。
ま、死ななかったからいいや。
今日のルート
行きが左ルートで帰りが右ルートです。赤丸が大藪だったところで、その少し左上にある等高線の◎が帰り水になります。梅雨と夏を越え今週の雨で帰り水に水が溜まってないかなーと来てみたのですが、思いの外、ひどい散歩になりました(笑)
山口県が誇る日本一のカルスト台地 秋吉台ですが、夏の終わりの秋吉台は青々とし過ぎていまいちだななんて思ったりします。
※個人の感想です
なんていうかこう、岩とススキの寂寥感が秋吉台の本質な気がします。秋から冬もしくは山焼き後の春浅い時期をお薦めします。
※個人の感想です
よかったら他の時期の秋吉台も見てみて下さい。