9月にイノシシに襲われて以来、単独行がおそろしくなってしまいました。今年はクマの目撃情報も多いし単独行マジで怖い。こんな時は人気(ひとけ)の多い山がいいじゃない。そうだ右田ヶ岳に行こう。
恥ずかしながらの初右田です。
右田ヶ岳は大人気
防府市の北西にそびえる右田ヶ岳は花崗岩が露出した山容とよく整備されたルートが市民ハイカーに人気の山と聞いています。ここならいつ行っても人がいるに違いありません。
行ったこともないのに何でわかるんだよwww
その根拠は、例えばYAMAPの記事投稿数。YAMAPでの右田ヶ岳の記事投稿数はひと月800超えなんです。さらに2022年登られた山ランキングでは中国地方の第2位に食い込むという。広島の弥山とか島根の三瓶山をおさえての2位ですよ。こりゃとんでもない人気だって分かるじゃないですか。
右田ヶ岳/天徳寺ルート
そんな人気の右田ヶ岳に、今日は天徳寺ルートから入ってみました。
天徳寺駐車場
天徳寺ルートに入るなら駐車場は右田小学校の前の右田ヶ岳/天徳寺駐車場がお薦め。駐車場だけは前から抑えてたんだよね。この駐車場にはトイレがないので飲み物を買うついでに近くのコンビニで用を足しておくとGoodです。
天徳寺
天徳寺駐車場から右田小学校の金網沿いを山に向かえば正面が天徳寺さん。簡単でした。
万年山天徳寺は源頼朝の創建。その昔は寺号を総受寺と称したが、毛利元倶(もうりもととも)が右田を拝領してからこの寺を再建して菩提寺とし、父の法名「天徳性真」から天徳寺と名付けたという。裏山石船山は白砂青松の上に、奇岩がそびえ風光絶佳。中腹には周防国第二十五番札所の観音堂があり、これより山上に至る自然石には三十三観音が彫刻されている。
防府市観光協会の看板を要約してみました。
三十三観音が楽しみだなあ。
天徳寺さんを拝観させていただき、正面左の観音様にもご挨拶。ここを右に向かえば石船山のとりつきでした。看板もあるし簡単。
石船山
天徳寺ルートは石船山・西峰・右田ヶ岳と巡っていくようになります。まずは天徳寺裏山の石船山、ここは綺麗な三十三観音が拝めますよ。
石船山とりつきから観音堂までは森の中の石段。石段はところどころ壊れているのですが横を歩けます。きつくもないのでハイキング気分で上がっていけました。
やがて観音堂に到着。
ありゃ、観音堂半壊しとるやん。ご本尊は現在、天徳寺本堂内に退避中遷座中とのこと。人気の山なんだからクラウドファンディングすればすぐに浄財が集まりそうな気がするんだけどなあ…
ここから三十三観音。
三十三観音
白砂青松の道を上がっていく途中の岩に続く三十三観音。これが実に美しい。ええですなあ。
全てをご紹介するとえらい数になってしまうので抜粋してコンタクトシートにまとめます。
実は楞厳寺山(りょうごんじやま)近くの観音山にも天徳寺さんつながりの三十三観音が祀られていることをご存じですか。
観音山の麓にある岩淵山観音寺。その開基のお師匠さんが天徳寺五代目の一線鉄同大和尚でね、観音寺中興のためにこのお師匠さんを観音寺に迎えたんだそうです。
天徳寺の行くとこ三十三観音ありってかw
石船山の三十三観音は新しいですねー。前段で紹介した観音山の三十三観音は明治のものですが既にかなり朽ちていました。それに比べると石船山の三十三観音は細かい線が残っていますし、汚れも少なく欠けも見当たらない。こりゃ昭和のものかな。
もし摩崖仏に興味がおありでしたらこちらの摩崖仏タグをクリックしてみてください。県内の摩崖仏のいくつかを集めています。摩崖仏に興味あるひとなんていないかw
石船山は険しい岩越えが続きました。最初の観音様から山口市のおじいちゃんとご一緒してたのですが、途中で「俺はもうダメかもしれんから先行ってくれ」と映画のようセリフをいただきお別れしました。あのじいちゃん元気かなあ。
そんで、摩訶般若波羅蜜多心経(般若心経)の彫られた岩を越えたら石船山に到着です。
そういや石船山って「いしふなやま」じゃなくて「せきせんざん」って呼ぶらしいです。道中ずっと間違えてましたw
さてお次は西の峰だ。
西峰は迂回
石船山から一度下り、今度は西峰に向かって登りです。
山腹を巡っていく途中、開けたところから262号線が見えました。左端でクロスしてるのは新幹線の高架かな。知ってる道を山から見るのは楽しみの一つです。
次は262から石船山を見上げてグフフと笑うことでしょう。これも楽しみです。
だいたいどのサイトの説明を見ても右田ヶ岳は花崗岩が剥き出しの山となっていますが、登山道はこんな感じで真砂が積もってるところも結構あります。
その真砂が砂利のサイズではなくかなりきめが細かい。少なくとも登りでは滑ることもないくらい靴にしっかりかかる砂なんです。
花崗岩質の山って砕けたジャリで滑るもんなんですがここまで砂のきめが細かいのはなぜ?
不思議です。
西峰に向けての登りが始まると結構きついのです。写真を撮りまくったのでどの写真を使おうかなとも思ったのですが、天徳寺ルートではここが一番きついので全部使っちゃおう。
確かこの登りのだいぶ手前にチャレンジコースに分岐する看板があったと思うのですが、僕にとってはこちらのメイン道でも十分チャレンジング。これ以上、危険なコースってどんな道なんよ。死ぬよ。
右の峰の上に日の丸が見えました。あれが右田ヶ岳だ。だいぶ近づいてきました。
西峰への分岐にやってきました。あれ?看板を見ると「南の峰」って書いてありますね???
現地の人は「にしのみね」って呼んでた気がしますが、ヤマレコのルート図を見直すと南峰になってます。一方、右田ヶ岳城跡の看板は西峰と書いてありましたし南と西はどっちが正解なんすかね。
なんか謎がいっぱいの山ですが、南峰へは急登って書いてあるので、今日のところは西峰を迂回して直接右田ヶ岳に向かいましょう。
西峰を迂回した先はゆるゆるの山道でした。一部がけが崩れたようなところもありますがロープが渡してあるので問題なし。
で、西峰と右田ヶ岳の鞍部に出てきました。ここまで来ると右田ヶ岳の山頂まではすぐです。ちょうど西峰方面から来られたお嬢さんがいらしたので右田ヶ岳の道を色々と教えていただきました。
格好からして右田マイスターな感じでしたから。
右田ヶ岳/山頂
マイスターにお話を伺いながら右田ヶ岳の山頂を目指したのですが、なんかね、女子のお尻を追いかけて登るのも失礼かと思ったので途中で景色を振り返りながら少し遅れて登頂。
右田の日の丸は素敵やねえ。マイスターも格好いい。
前の写真はたまたまマイスター一人の画が撮れましたが実は山頂には結構な数の方がいらしたのでした。ここに写ってない僕ちんやティラノサウルも居たのです。
コスプレ登山っていうんですかね。脱皮したばかりのピンクの右田ザウルスだそうで有名な方らしいです。折角なので頭をかじっていただきました。人の多い山はやっぱ面白いことあるね。
西目山・三谷山・天神山の三等に囲まれた右田ヶ岳の四等三角点。基準点名も同じく右田ヶ岳で普通です。四等の冠字選点番号はあんまり興味ないんだけどK福35と一応記録しておきます。
右田ヶ岳おもしろかった。また来るよ。
右田ヶ岳/塚原ルート
先ほどからマイスターと称した右田ヶ岳に詳しいお嬢さん曰く、塚原ルートが一番危険がないですよとのこと。今日は塚原ルートで降りよう。
右田ヶ岳山頂直下はロープが張ってあるような道ですがその後は確かに緩かった気がします。「気がします」ってのはあんまり記憶がなくてですね。塚原ルートはそのくらい普通の山道だったのかなと。
なので印象的な写真だけ残しておきます。
「こっち行けばOK」くらいしか聞いていないので、この時点で塚原ルートがどんなものか全くわかってないのですが脇道があったのでとりあえず登ってみました。
あーなんかいい感じの砂場がありました。大岩なんですけど細かい砂が一面を覆ってて滑るところ。でもめっちゃ景色がいい。
白砂と山の景色、良いじゃないですか。右田ヶ岳の山頂は人が多くてゆっくりできなかったのでここでコーヒーと煙草を一服。気持ちよかー。ほぼこの為に登ってると言っても過言じゃないです。
お、なんか後ろから嬌声が。慌てて煙草を消しポットの蓋を閉めて白砂を立ち去りますが…
少し降りたところでティラノサウルスに追いつかれました。
嘘です。ピンク色が見えたので待ってて撮りました。
「ぎゃーやめてー顔出しはダメなのー」
ビニールの頭をかぶりなおして迫るティラノ。視界0でしょうに。そのエンターテインメント性、マジで尊敬。
その後、ティラノさんたちは別ルートへ。僕は塚原ルートを降りて行ったのでした。
先に書いたように塚原ルートは記憶が薄いのですが、それは岩場の多いイメージの右田界隈で唯一岩場が少なかったということなのかもしれません。
木の根と岩と砂にさえ気を付ければ塚原が一番優しいルートのはず。僕はマイスターじゃないので知らんけど。
今日歩いたのは天徳寺ー右田ヶ岳ー塚原で非常に短いコースでした。右田ヶ岳は人気の山だけあって楽しい人がいっぱい。投稿記事数が多いのも納得でした。
僕が右田ヶ岳を避けていた理由
右田ヶ岳はただ人気な山だけなのではなく山口県百名山の一座でもあります。実は我が家から右田ヶ岳は十数キロしか離れてなく、これまで歩いてきた他の百名山と比べてもかなり近い場所にありまして。
んじゃ、山口県百名山の制覇を狙う僕がなぜこれまで右田ヶ岳を避けてきたのか。
それには2つ理由があります。
一つはコロナのトラウマ
コロナが流行り始めた年のGWには「半径5㎞以内で生活しましょう」なんてスローガンがあったりして、公園を散歩するにもマスクをつけてたりしました。これがなんともつまらない。ちょっと運動したいよなーということで僕は誰にも会わない山を歩くようになりました。人気(ひとけ)のない山の気楽さは最高で、その頃についた癖ですかね。人が多いところは無意識に避けていた気がします。右田を避けていたのはそれが理由の一つと思われます。
もう一つは記事起こしへの恐怖
右田ヶ岳の山頂には数千回、数万回も登頂済みの右田マイスターが蠢いているらしいという噂を聞きました。人気の山にありそうな話です。ぽっと出の僕が記事を書こうものなら「貴様のごときハナタレが右田ヶ岳を語るなど百万年早いわ!」とクッパが火の玉を投げてくるに違いないじゃないですか。でも登ったら記事にしたいじゃないですか。めっちゃ怖いじゃないですか。
でもね
今回、右田ヶ岳に登ってみて「そういやコロナは終わったよな。やっぱ人と会うのは楽しいなあ。」と思いましたし、あと山頂にクッパがいないことも確認できました。ティラノはいたけどなw
右田ヶ岳は道の変化に富んでて、山頂に可愛い子ちゃんも恐竜もいる面白い山。実は魅入られて翌日は片山から塔の丘を歩いちゃいました。
猪イップスを脱出するまでは右田で遊ぼうと思います。