4月2日、前日からどうにも腹がゆるいので山頂にトイレのある山を選び防府の大平山に登ってきました。
琴音の滝を見たかったので、富海海水浴場に車を置いてのスタートです。
富海海水浴場
富海の海水浴場にやってきました。以前、琴音の滝ルート入口を偵察にきた時に、車を停められる場所がなくて往生したんです。考えてみれば富海海水浴場が近いじゃんと、今日はこちらに車を停めることに。
富海海水浴場から琴音の滝までは1.4㎞だったかな。そもそも歩きに来てるので1.4㎞くらい追加しても何の問題もありません。
ちなみに富海海水浴場には常設の綺麗なトイレもありました。なんだ。これがベストポジションじゃん。
せっかく海に来たので波にタッチ。海抜0mから良いスタートが切れました。
さて、富海海水浴場から琴音の滝に入るには、国道2号線沿いのはしもと青果店の交差点に出なければなりません。
地元のあんちゃんに聞いてみると「海岸から一本戻った通りを右に行って、山陽本線の踏切を渡って、小学校のだいぶ手前を左に行けばいいよ」とのこと。
言われたとおりに港町を散策していると、教えてもらった場所に「琴音の滝」の看板を発見。鍵字の道を進むとほどなくはしもと青果店に出てきました。
めっちゃ分かりやすい。サンキュー地元のあんちゃん。
はしもと青果店の交差点を渡るとYamaguchi View Spot No.61 琴音の滝の看板があります。
その向こうに見える建物は富海公民館です。
富海公民館の駐車場が開いているかどうかを確認しに寄りました。
県が推進する健康やまぐちサポートステーションのウォーキング・ジョギングマップ大平山コースではこの富海公民館が駐車場として使えることになってるんですが、公民館の説明では土・日・祝日は終日クローズなんです。前はこれに騙されたんだよね。
ヤギの除草作業にほのぼのしながら坂を登っていくと中国縦貫道の高架にあたります。
この高架下に車を停める方が多いようなんですけど、防府市が公民館を開けるか、県が情報を更新するかしないと、土日に路駐が増えて近隣住民の皆さんの迷惑じゃん。
近いんだから富海海水浴場をもっとプッシュすればいいのにって思うんだよね。
中国縦貫道の高架を越えると琴音の滝/大平山ハイキングコースの看板が出てきます。この看板に沿って右に進みます。
大平山登山
大平山は車で登ったことがあるのですが、歩いて登るのは初めてなんです。琴音の滝も初めてなのでちょい楽しみ。
琴音の滝
○○の滝なんて大層な名前の名所(?)は各地にありまして、あまり期待せずに入ったのですが、琴音の滝はなかなか良いところでした。入口に琴音の滝の説明看板があったので書き写しておきます。
明治42年(1909)、当時28歳の若き村長・小野田陸馬(おのだりくま)が琴音の滝を開きました。
琴音の滝の説明看板
5か月の工事で、滝への道を開き、橋をかけ、料亭・琴竜亭(きんりゅうてい)を設け、夏の涼を求める多くの人を誘い、当時の山口県知事・渡辺融(わたなべゆずる)によって、この場所が壺天洞(こてんどう:壺の中の楽園のような洞)と名付けられました。
琴の音のように岩の間を流れ落ちる水の音楽的な調べに、心さわやかな清涼感を感じ、大いに自然の美しさを満喫できる場所です。
比較的開けた道を登っていくとすぐに琴音の滝に到着。
水量は多いのですが小ぶりな滝で「やっぱこんなもんか」と満足して周りを見回すのですが、その先の道が見当たりません。
「あれ、もしかして滝だけ見たら戻るのかな」と思ったのですが、小さな壊れそうな橋を渡ると滝の左を登っていく道を見つけました。
琴音の滝は4連になってまして、一番上の滝には休憩所の他にお不動さんも控えてらっしゃいました。
なかなかやるじゃん、小野田陸馬。
さて次はどっちかなと周りを見回すと滝の向こうに歩けそうな道が見えます。いやちょっと待て。あれ行くと大平山から離れちゃうぞともう一度見まわすと休憩所の基礎のところに「上の道」の看板がありました。
こっちか。
滝から離れる方向に登っていくと大きな道にぶつかり、門柱がお出迎え。
小野田さんの作った料亭がこの奥になるのかな?と門柱に刻まれた文字を見ると「嘉永七寅三月」「奉竒進 世話人若連中」とあります。嘉永七年はペリー来航あたりですから、これは明治期の小野田さんとリンクしません。なんだろね。
なんの門かわからないまま石段の跡らしき道を上がると広場に出てきました。奥に桜が一本咲いています。
おそらくこの広場は昔のお寺さんか神社さんの名残なのだろうと、とりあえず帽子を取り頭を下げておきました。
いこいの森
琴音の滝の上から山道に入り、空が開けるといこいの森に到着します。ここにはベンチがあり、富海の海にむけて景色が開けていました。
いこいの森にはハイキングを楽しむご夫婦がおられ、しばし歓談を楽しみました。小腹もすいたのでお昼休憩にしようかと思ったのですが、あまりお邪魔しても申し訳ないので、お先にと大平山へ向かうことに。
大平山展望台
富海から入ると大平山へはとにかく西に進まなければなりません。
道はピンクテープが必要ないくらいに分かりやすいのですが、いつまで経っても稜線には届かず、そこそこきつい山腹を西へ西へと回りこみます。
左手に海岸の景色でもあればどのくらい進んだかがわかるのですが、周りは木々に遮られ景色はありません。
頼りになるのは、登山口の看板に書かれていた「大平山1時間20分」の時間のみですが、思ったよりも早く鉄塔に到着しました。
あれ?近すぎない?
あれ?近すぎない?と思った感覚は正しく、いったん車道に出ると再び山頂を目指す道へ。車で上がれる山によくあるパターンです。
先ほど車道に出たときに休憩を取ればよかったのですが、いこいの森でお会いしたご夫婦に追いつかれるのもなんだか格好悪いなあと歩き続けたのが失敗のもと。
小腹がすいていたにも関わらずお茶だけで上がって来たものですから、急に腿に力が入らなくなり、なぜかズボンのウェストもぶかぶかに。
ベルトを一穴締めなおして、そこら辺の木を杖にしてヨロヨロしながら上がっていきました。
山頂が見える舗装路に出てきたので、ここならダニもいないだろうとへたり込み。
まずはタバコを一服。温かいコーヒーでチーズケーキを流し込み、再びタバコを一服。
嗚呼落ち着く。温かいものでお腹が膨らむと元気になるのはなんででしょうね。
10分くらい休憩して再出発します。
人工的な道を進み展望台に到着。
東側は海に向かって開けた景色で黒髪島、大津島、粭島、祝島などが見えました。
西側は眼下に防府市街地、 向島や佐波川、秋穂、きららドームまで見渡せます。
胃に温かいものを入れたらやっぱりお腹が緩くなったので展望台のトイレをお借りして、準備万端整ったところで山頂を目指すことにしました。
今、考えるとお腹が緩かったり足がプルプル震えたり、あんまり体調良くなかったのかもしれません。
自分で分かってないのもたいがいアホですが。
大平山山頂
行ったことがあるとなかなか食指が動きませんけれども、大平山は山口県百名山の一座であるだけでなく、一等三角点もある、一粒で二度おいしい山なんです。
ロープウェイ乗り場を左に子供の広場を右に見て、鉄塔の立つ大平山山頂へと向かいました。
大平山の一等三角点
大平山の一等三角点は4つの保護石に守られた立派なものでした。同じ一等三角点でも、こういう綺麗に整えられてないとこはいっぱいあるんです。
大平山の三角点、標高は631.10m。基準点名は「牟禮山」でこれは「むれやま」と読むのでしょう。防府市牟礼って地名がありますから。ちなみに一等三角点なので冠字選点番号はありません。
少し下って景色を見ておりますと、右手の山の向こうに山口市がうっすらと見えました。県庁バイパスのあたりから大平山のアンテナ軍が見えますので、こちらからも見えて当たり前なんですけどね。なんか地元が見えると嬉しいもんです。
ところで、東京スカイツリーは高さ634mだそうで。標高631mの大平山が山の向こうから見えるなら、東京スカイツリーは関東中から見えるんだろうなーなんて思っちゃいました。
知らんけど。
今日のルートと琴音の滝
今日は海抜0mの富海海水浴場からスタートし、琴音の滝を見て、大平山山頂まで歩いてきました。往復で10㎞を切るコースになります。
メインコースは看板もありよく踏まれていますが、サブコースに入ると途端に看板がなくなります。途方に暮れるのであまり寄り道はしないほうが良いと思います。
琴音の滝は思っていたより規模が大きく水量もあり見がいがあります。こちらのコースを後顧の憂いなく歩くには富海海水浴場に駐車するのが良いと思うので、皆さんにも大いにお薦めしておきます。
追記:琴音の滝の動画
https://youtube.com/shorts/c2X7WVwEowk
https://youtube.com/shorts/VKjjWhGKjf8