夏バテでなんだか足が重い。こんな時はかる~い山を歩いて気分を一新しようとYAMAPの地図から花ヶ岳を見つけました。
花ヶ岳は2号線沿いの長沢池から見える単独峰で、標高はわずか260mです。これまで歩かれた方のログを見ても周回コースのようですし
これは楽勝だな。
と舐めてかかったら登山口はわかんないわ、廃ホテルにビビるわ、滑るわ、迷うわで大変でした。
登山口を探そう
みんな知ってる2号線沿いの長沢ガーデン。登山口の説明に便利だろうと思って一応寄っておきました。
この長沢ガーデンを通り過ぎたところ、池の端っこに長沢公園があります。
大人の方ならベルファムに曲がるところと言えば理解が早いかもしれません。
長沢公園は小さな公園ですが公衆トイレ完備。駐車場は車が5台くらい置けるかなといったところです。
さて登山口を探そう。
道迷い/廃ホテル
長沢公園からベルファムには進まずにどこかで左に入ると登山口があるようなのですが、津山神社まで来ると2号線が見えるので来すぎ。
少し戻って畑に続いて終わりそうな道を山に向かってみます。
それほど広くない舗装路を奥に進むと、遠くにホテルの看板が見えてきました。
こんなところにホテル?長沢池からは離れてるしベルファムじゃないよな?
近づいてみると廃ホテルです。2階の窓が開いていて今にも誰かがのぞき込んできそうな雰囲気。
こんなところにホテルがあったのか。
それほど古そうには見えませんが、中に入る勇気はないのでそのままスルーしときます。
この舗装路は個人宅で行き止まりでした。
花ヶ岳の方向とは違うので行きは通り過ぎたのですが、戻る途中に山道かなと思われる側道にも入ってみました。
この側道の先は鉄柱にロープがかかって行き止まりです。「締切/CLOSED」の看板がぶら下げてあるので私有地かなとあきらめました。
色々と不気味感が漂うのでいったん長沢公園に戻って作戦を練ることにします。
※結論から言うとこの場所に戻ってきますので覚えておいてください。
道迷い/花ヶ岳の裏へ
長沢公園近くの登山口が見つからなかったので、「長沢池を左に見て花ヶ岳を右に感じながら歩いてればその内に登山口が見つかるんじゃね?」作戦に切り替えることにしました。
ベルファムまで来ても花ヶ岳の登山口は見つかりません。「こうなりゃ周回コースの裏の登山口まで歩けば良いんじゃね?」作戦に切り替えるしかありません。
ベルファムより向こうの道を通ったことがないので道そのものにも興味がわきましたし。
もう長沢池からはとっくに離れています。障碍者支援施設るりがくえんってここだったのかーと右手に大きな建物を見ながら、花ヶ岳を巻いていきます。
一つ坂を越えると集落がありそうです。
この坂、昔の分岐点にあたるのか石碑がありました。後から調べてみると「眠りから覚めた道標」という名がついているようです。文字自体は新しそうに見えるので最近入れなおしたのかな。
坂を下りて広くなった道を歩いている途中に鷹嶽山潮満寺入口の石碑を見つけました。その向こうに見える尖った単独峰が花ヶ岳です。
あ、この道だな。
直感ですが、ここが花ヶ岳に続く道だと思いました。鷹嶽山と花ヶ岳じゃ名前が違いますが、まあ山号ってのはそんなもんだし気にしません。
直感を信じて行ってみます。
潮満寺さんは跡形もなく、綺麗な舗装路はため池整備のために造られたものだったようです。
登山口を明示するものもなくこの時点では花ヶ岳に続くのかどうか確証が持てていませんが、方向的に正しそうなので白テープ一本にかけて進んでみます。
花ヶ岳
白テープの奥に進むと登山道らしき道が現れ、割りと新しいピンテも出てきました。ほかに山もないので花ヶ岳に向かうに違いありません。
花ヶ岳 登山
ピンテを見つけた後は、こちらの道は迷いそうなところはありません。
登山道に入ってすぐにヌタ場が数か所あって、あーイノシシがいるんだなあとビビらせますが、あまり獣感は感じない山でした。
このアイシテルのサインの裏側には縦方向に削った跡があるのですが熊じゃないですよねえ。たぶんナイフで傷つけたものだと思いたい。
いやそれも十分に怖いけど。
前半はゆるゆる、後半になるほど傾斜がきつく足元も滑ります。岩の乗り越えが一箇所、偽ピークが数か所あります。
花ヶ岳 山頂
日陰のところはここだけです。
花ヶ岳の三角点は三等。冠字選点番号「知47」、基準点名も「花ヶ岳」です。
花ヶ岳山頂の広場を奥に進むと何か掘られた岩があります。「卒」とか「三十三」とか見えましたが、何が書いてあるかはよく分かりませんでした。
さて、花ヶ岳からの景色に行きますか。
まずは小郡方向から。
この日は空気が乾燥してるのか九州の山々までよく見渡せました。
花ヶ岳 下山
さて、下山。YAMAPの他の方の軌跡では周回コースになってましたし、長沢公園側に降りてみることにします。
迷う
山頂奥の岩からは2つの選択があります。真っすぐに進む広い道と曲がって降りていく狭い道です。
当然、広い道を選ぶでしょう。
写真は道を選択後に山頂の岩を振り返ったものです。
段差の大きな岩を降りた後、尾根筋が続きます。市町境界の杭も見えるので踏まれた道に違いありません。
やがて岩の組まれた展望台のようなところに出てきました。この展望台にたどりつく直前にはピンテもあるので道違いはないはずなのですが、岩から先にピンテがありません。
岩を乗り越えて真砂の傾斜を滑り降りてみたのですが、あたりを見回してみてもやっぱりピンテはありません。
これは道迷いしてるぞ。
廃ホテルの時よりも背中がぞわーんとしたので、木を掴んで傾斜を登り直し展望台を乗り越えて、山頂まで引き返しました。
降りる
登りに使った道を引き返しても良かったのですが、2つの選択肢のうち1つがダメなら残りは1つです。
藪っぽい狭い道を下ってみることにしました。
山頂から見た藪っぽい細い道はすぐに踏まれた登山道へと変わりました。
しかしホッとしたのもつかの間、登りで使った道と違ってこちらの道はいくつか分岐があるのです。
しかも両方にピンテがついていたりする。
分岐はできるだけ広い道・良さそうな道と選んで下っているうちに植生が変わりました。
右を見ても左を見ても木ばかり。長沢池まですぐだろうと思っていたのに花ヶ岳は思いのほか深い山なのでした。先ほどの道迷いの恐怖が再び襲ってきます。
その内にシダの洗礼を受けることになりました。
この時ばかりは「本当にこの道で良かったのか?」と不安になりましたが、シダゾーンは思いのほか短く、これを越えると小規模なダムの堤体があったのです。
ああ、救われた。ダムがあれば堤体を造った時の林道があります。この道がどこにつながるかは分かりませんが少なくとも人里には続いているはずです。
これで一安心と思ったら、林道は広場へとつながり右にも左にも進めるようになっているのでした。
いったん右に進んでコンクリ橋で道が消えることを確認し、轍のある左の道を進みました。
轍を追っているうちに足元はコンクリ道に変わり、緩いカーブを曲がると目に飛び込んできたのは…
目に飛び込んできたのはあの立入禁止のロープ。下山して出てきたのは、廃ホテルの手前の山道を入った立入禁止の看板がある場所でした。
ああ、ここにつながるのかと頭の整理はできたのですが、でも、ここさー立入禁止の看板がついてるんだから本来こっちから回っちゃダメなんじゃないの?
というわけで僕は潮満寺ルートをお薦めしておきます。
花ヶ岳周回コース
長沢ガーデン近くの花ヶ岳、楽勝のつもりで行ったのですが、260mの単独峰にしてはなかなか深い山でした。
廃ホテルに道迷いと肝も冷えたし、夏バテはすっかり解消したみたいです。
なんつーか、ある意味、夏向きの山ですね。